当院に、「右手の薬指がグーパーすると伸びにくくて痛いから、診てほしいです。」と仰る患者さんがお越しになりました。
問診と検査で指の動きを診させていただくと「ばね指」の症状がみられました。
ばね指とは、指が伸びなくなって曲がったままになり、伸ばそうとするとバネのように急に伸びる病気です。
この度は、その際伺ったお話から、当院が行った治療、自宅で簡単にできるセルフケアを書かせていただきます。
ばね指でお悩みの方は、ぜひご覧になってください。
ばね指になってしまった背景は?
初診でお越しになられた患者さんは、50代女性 JAにお勤めです。この方を仮にAさんとします。
以下、問診のAさんはこのようなお話でした。
仕事環境は、書類や印刷物など、職員・組合員の方に、配布するチラシや資料を制作し配布する担当で、とにかく「紙」を扱います。紙はまとまると重いですし、捌くのに指を酷使することが多いです。
以前にも手首や指が痛くなったことがありました。でもその時は、無理をしなかった事もあり、数日で治っていました。
今回は、3週間前から「ちょっと右の薬指が痛いな?」と仕事や家事で感じるようになりました。またいつものような感じでしたので、そのうちに治るかな?と思っていました。
その後、仕事が決算期でとても忙しくなった1週間前から、痛みが徐々に強くなり、薬指を伸ばすときに、引っかかるような感じで伸びなくなりました。
更に、無理に動かすと「ズキッ」と、強い痛みを伴うようになり、これは治療が必要だと思いました。
私の友人が、こちらで治ったことを聞いていたので、診てもらいに伺いました。
このまま指が伸びなかったり、痛みが続くようであれば、家事や事務作業時も不自由ですが、趣味の手芸が出来ないのが一番寂しいです…
と、指をさすりながら、Aさんがお話しされていたのがとても印象的でした。
ばね指は何が原因? そのメカニズムは?
ばね指は、手や指の使い過ぎで発症する病気です。女性に多く見られ、糖尿病やリウマチの方にも多いと言われています。
指は「腱」が動くことで、グーパーと曲げ伸ばしする事が出来ます。その際に「腱鞘」と呼ばれる靭帯のトンネル内を、腱が行き来して、スムーズな動きを出しています。
Aさんの様に、手や指を酷使すると、腱や腱鞘に無理が掛かった結果、腱が腫れてしまいます。更に腫れたまま使い続けると、腱が肥厚(分厚くなる)して、腱鞘を通るときに擦れてしまいます。
その時に、引っかかって伸びなくなったり、無理して伸ばすとバネみたいに「カクン」と急に伸びるのがばね指です。
Aさんのばね指は、自力でなんとか伸ばすことが出来ましたが、症状が悪化すると反対側の手で伸ばすのを手伝わないと、伸びなくなることもあります。
ばね指の解消法とは?
ばね指は最初は軽症でも、放置していくうちに症状が進行して行きます。そのため、早期の治療と正しいケアを行うことが大切です。治療をしないで放置していると「固まってしまい」治るまでに、とても時間がかかります。
そこで、当院のばね指に対する治療は、腱の腫れを早く引かせて、動きをスムーズにする治療を行います。
腱の腫れを引かせるには、血液の流れを良くする必要があります。その際に手技を施しますが、腫れている腱を治療するので、ソフトに痛みがない治療を心がけています。
治療を施すことで腫れが引いてくると、伸ばすときの引っ掛かりも少なくなってきますので、痛みも緩和します。更に、仕事や家事を行う上で、負担を軽減させる為のテーピングを行います。
このように治療を定期的に行っていくことで、ばね指は治って行きます。
Aさんは治療後
「引っ掛かりがマシになり、痛みが軽くなって、指が伸びるようになって安心した。」
と笑顔でお話しされていました。
ばね指のホームケアの方法とは?
この方法は腫れている腱に痛みを与えず、しかも簡単に出来ます。動画を参考にして、ぜひ行ってみてください。
動画は音声が出ますのでご注意ください。
ポーズ1
- 掌を上にして、テーブルなどに手をおいて下さい。
- 肘を曲げます。
- 手の甲に向かって、手首を曲げます。
- 伸びにくい指を手の甲に向かってストレッチし、そのまま肘を伸ばして行きます。
- 5回行なってください。
ポーズ2
- 掌を上にして、テーブルなどに手をおいてください
- 肘を曲げます。
- 掌を、クルッと前に向けます。
- 手の甲に向かって、手首を曲げます。
- 伸びにくい指を、手の甲に向かってストレッチし、そのまま肘を伸ばして行きます。
- 5回行なってください。
2つのポーズを1日3セット行ってください。痛みが強い時には、無理をせずに行ってください。
まとめ
この度はAさんのカルテから、ばね指の治療とホームケアについて書かせていただきました。
Aさんですが、その後計画的に通院され、今では趣味の手芸を楽しむまでしっかり回復されました。
最後に、かんだ整骨院では患者さんのお悩み解消は勿論ですが、出来なかったことが出来る様になり、Happyに過ごされることを目標にして、日々治療に当たっております。
ばね指でお困りでしたら、当院の治療がお役に立てるかと思います。お早めにお電話でご予約ください。
(柔道整復師 神田博行 監修)