こんにちは、新潟市中央区弁天橋通の【かんだ整骨院】院長の神田です。
前回のブログでは「上げる動作(コンセントリック)」と「下げる動作(エキセントリック)」について解説しましたが、実はもうひとつ、筋トレには見逃せない大切な形があるんです。


それが――
**アイソメトリックトレーニング(等尺性収縮)**です。
筋肉を**「動かさずに力を出し続ける」**このトレーニングは、ケガのリスクがとても低いのが特徴。
だからこそ、運動が初めての方や、ケガの回復期の方、そしてシニア世代の方にも、心からおすすめしたい方法なんです。
今回は、アイソメトリックトレーニングの嬉しいメリットと、ご自宅でできる簡単な自重トレーニング(腕立て・腹筋・背筋・スクワット)にどう取り入れるか、具体的な方法を分かりやすく解説していきますね。
アイソメトリックってどんな筋トレ?

「筋トレって体を動かしてこそでしょ?」そう思われるかもしれませんね。でも、実は筋肉って、動かさなくても“力を出し続ける”ことができるんです。
これがアイソメトリック(Isometric)、日本語では「等尺性収縮」と呼ばれています。
🔹 特徴をチェック!
- 関節を動かさずに筋肉に力を入れ続けるんです。例えば、壁を押すようなイメージですね。
- 筋肉の長さが変わらない(=等尺)のがポイント。
- 体を動かさないので、関節への負担が少なく、ケガのリスクが小さいのが最大の魅力です!
アイソメトリックトレーニングのメリット

アイソメトリックがなぜ初心者さんやシニア世代に特におすすめなのか?そのメリットを見ていきましょう。
1. ケガのリスクがとっても低い
体を大きく動かす筋トレと違い、アイソメトリックは動作中の反動がありません。そのため、関節に余計な負担をかけにくく、安心して取り組むことができます。
運動が苦手な方や、リハビリ中の方でも始めやすいんですよ。
2. 「どこに効いているか」が分かりやすい
筋肉を動かすことに集中しなくて済む分、「今、どこに力を入れているか」「どの筋肉を使っているか」をじっくり意識することができます。これが“効かせる”感覚を掴む近道!
正しいフォームを身につける基礎としてもぴったりです。
3. 場所を選ばず、いつでもどこでもできる
体を動かさないので、広いスペースは全く不要。音もせず、自宅やオフィス、旅行先など、時間や場所を選ばずにサッと行える手軽さも魅力です。
忙しい毎日を送る方や、自宅でこっそりトレーニングしたい方にも最適ですね。
自宅でできるアイソメトリックの実践例

ここからは、皆さんもよくご存知の自重トレーニングに、アイソメトリックを取り入れる具体的な方法をご紹介します。ぜひ、一つずつ試してみてくださいね。
① スクワット →「静止スクワット(ウォールシット)」
● やり方:
- 壁に背中をぴったりつけ、ゆっくりと椅子に座るように膝を90度くらいに曲げてしゃがみます。
- 背中と腰は壁につけたまま、その姿勢を30秒〜1分間キープしましょう。
- 太ももが床と平行になるくらいの高さが、しっかり効かせるベストな位置です。
● 効く部位:
- 大腿四頭筋(太ももの前側)
- お尻(臀筋)
✅ ポイント:
- 膝がつま先よりも前に出ないように意識しましょう。
- 太ももがプルプル震えるのを感じたら、ちゃんと効いている証拠ですよ!
② 腕立て伏せ →「プッシュアップホールド」
● やり方:
- 通常の腕立て伏せの姿勢をとります。(膝をついても大丈夫です!)
- そこから、胸が床に近づく「半分くらい」の位置でピタッとストップ。
- その位置で20〜30秒間キープします。
● 効く部位:
- 大胸筋(胸)
- 上腕三頭筋(二の腕)
- 体幹部
✅ ポイント:
- 腕の力だけで支えるのではなく、お腹とお尻にもグッと力を入れて、体全体で支える意識が大切です。
- 顎を軽く引いて、背筋はまっすぐに保ちましょう。
③ 腹筋 →「クランチホールド」
● やり方:
- 仰向けに寝て、膝を立てます。
- おへそを覗き込むようにして、肩甲骨が床から少し離れる位置で静止。
- そのまま20〜30秒キープします。
● 効く部位:
- 腹直筋(お腹の正面)
- 腸腰筋(体幹の深い部分)
✅ ポイント:
- 腰は床につけたまま、腹筋にだけ力を入れる意識が重要です。
- 首に余計な力が入らないように、手は頭の後ろに軽く添える程度にしましょう。
④ 背筋 →「バックエクステンションホールド」
● やり方:
- うつ伏せに寝ます。
- 胸と両足を同時に床からフワッと軽く持ち上げます。
- その姿勢を20〜30秒キープします。
● 効く部位:
- 脊柱起立筋(背中全体)
- お尻(臀筋)
- ハムストリング(太ももの裏)
✅ ポイント:
- 背中を反らせすぎず、首の後ろを長く保つような意識で行いましょう。
- 肩がすくまないように、胸を広げるイメージです。
初心者さんや怪我からの復帰でアイソメトリックがおすすめな理由

筋トレを始めようとしても、なかなか続かない…そんなお悩み、ありませんか?
- 「正しいフォームが分からなくて不安」
- 「すぐに疲れちゃう」
- 「体を痛めそうで怖い」
もしそう感じているなら、ぜひアイソメトリックを習慣の第一歩にしてみてください。
- 体を動かさないので、フォームの確認がしやすいんです。
- 「効かせたい!」と意識する筋肉に、安全に、じんわりと効かせることができるはずです。
そして、この「動かない筋トレ」で基礎ができた上で、これまでのブログで紹介した「動くトレーニング(コンセントリック・エキセントリック)」と組み合わせれば、トレーニング効果は何倍にも広がりますよ!
まとめ|「動かない筋トレ」は、動くための土台になる
それぞれのトレーニング種別には、異なる役割とメリットがあります。
トレーニング種別 | 特徴 | おすすめ対象 |
アイソメトリック | 動かずに力を出し続ける | 初心者・ケガ予防・体幹安定 |
コンセントリック | 筋肉を縮めながら力を出す | 動作の推進力・代謝アップ |
エキセントリック | 筋肉を伸ばされながら力を出す | 筋肥大・筋力アップ |
「動かない=地味」と思われがちなアイソメトリックですが、
実は**“どこに効いているか”をしっかり感じられる力と“安全性”**に優れた、最も基本的かつ効果的な筋トレの一つなんです。
フォームや体のクセが不安な方へ

今回の記事を含めて、トレーニングの負荷の掛け方をフォーカスしてシリーズで書かせていただきました。
せっかく始めたトレーニングは故障なく楽しみたいですよね。
また、適切な方法で行えば怪我の予防はもちろんのこと、故障からの復帰にもトレーニングは大変重要なことと考えます。
この度の記事が、皆様のお役に立てたら幸いです。
最後に、
「自己流でやると、なんだか逆に痛めてしまいそう…」
「これで本当に効いているのかな?姿勢が悪くて効果が出てない気がする」
もしそう感じている方は、ぜひ当院までご相談いただけたらと思います。お一人おひとりの姿勢・筋力・柔軟性を丁寧にチェックし、使いやすい体のお手伝いができると考えます。
痛みを防ぎながら、効率よく、健康な体づくりを一緒に進めていきましょう!
まずはお気軽にご相談ください。
【監修:柔道整復師 神田博行】