こんにちは、新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
西から梅雨入りしたとの声も聞こえてきました。この時期になると、気圧や湿度、曇天の影響などがあり、自律神経系のアンバランスから片頭痛や肩こり、腰痛などでお困りの方が増えてくる傾向があります。
なぜ、気圧や曇天の影響を受けるかというと、自律神経系のリズムが崩れてしまっている所へ、さまざまなストレスが掛かるからです。
私たちの体は無意識に心拍数、消化、血圧などを調整する自律神経系(交感神経と副交感神経)によって制御されています。呼吸は一日約2万回行われ、生存に不可欠な行為です。
私たちが日頃当たり前のように行なっている呼吸を整えることで、自律神経のバランスを整えることができ、心身の安定につながっていきます。特にストレスの多い現代社会では、呼吸を意識的に整えることが重要です。
ですから、この度の記事は呼吸と自律神経にフォーカスしました。
お身体で何かしらのお悩みがある場合は、自律神経系に何らかのアクションが起こっています。それには、今回ご紹介する呼吸法が効果的かもしれませんので、ご一読いただけたらと思います。
自律神経とは何か
自律神経の基本的な説明
自律神経系(autonomic nervous system)は、私たちの体内で無意識に機能する神経系の一部です。このシステムは、体の内部環境を一定に保つために重要な役割を果たします。例えば、心拍数の調整、消化の促進、体温の維持などが含まれます。
自律神経系は、大きく分けて交感神経系(sympathetic nervous system)と副交感神経系(parasympathetic nervous system)の二つの部分から成り立っています。
交感神経と副交感神経の役割
交感神経系は、体がストレスや危機的状況に直面したときに活性化されます。これは「闘争・逃走反応」(fight or flight response)として知られ、心拍数の増加、血圧の上昇、呼吸の速まりなどを引き起こします。これにより、体は即座に行動を取る準備が整います。
一方、副交感神経系は、リラックスや休息の状態を促進します。これは「休息・消化反応」(rest and digest response)とも呼ばれ、心拍数の低下、消化活動の促進、呼吸の遅まりなどが特徴です。この状態では、体はエネルギーを保存し、修復と再生に集中します。
このように、交感神経と副交感神経はバランスを取りながら、私たちの体の機能を調整しています。このバランスが崩れると、体の様々な不調が生じることがあります。
呼吸と自律神経の相互作用
呼吸のリズムが自律神経に与える影響
呼吸は自律神経系に直接影響を与える数少ない手段の一つです。呼吸のリズムを意識的に変えることで、交感神経と副交感神経のバランスを整えることができます。
例えば、深くゆっくりとした呼吸は副交感神経を刺激し、リラックス状態を促進します。一方、速く浅い呼吸は交感神経を活性化し、体を緊張状態に置くことが多いです。
ストレスと呼吸の関係
現代社会では、ストレスが慢性化しやすい環境にあります。
ストレスを感じると、私たちの呼吸は自然と浅く速くなります。これは交感神経が優位になり、体が「闘争・逃走反応」を起こしているからです。しかし、この状態が長く続くと、心身に負担がかかり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、意識的に呼吸を整えることが重要です。呼吸をゆっくり深くすることで、副交感神経が優位になり、リラックスした状態を作り出せます。これにより、ストレスを軽減し、自律神経のバランスを取り戻すことができます。
呼吸法の具体的なテクニック
腹式呼吸の方法と効果
腹式呼吸は、横隔膜を使って行う呼吸法で、深くゆっくりとした呼吸を促進します。この方法は、副交感神経を刺激し、リラックス効果を高めるのに非常に有効です。
方法
- リラックスした姿勢を取る。座っても横になっても良いが、背筋を伸ばし、体をリラックスさせることが重要。
- 片手を胸に、もう片手を腹部に置く。これにより、呼吸の動きを感じやすくなります。
- 鼻からゆっくりと息を吸う。この時、胸ではなく腹部が膨らむように意識します。
- 口を軽く閉じて、ゆっくりと息を吐く。腹部が元の位置に戻るのを感じながら、ゆっくりと息を吐き出します。
この呼吸法は、1日に数分間、数回行うだけでもリラックス効果が期待できます。
4-7-8呼吸法の紹介
アンドルー・ワイル博士の推奨する「4-7-8 呼吸法」について詳しく説明します。
4-7-8 呼吸法の手順
- 準備姿勢
- 快適な姿勢で座るか横になります。背筋を伸ばし、リラックスします。
- 息を吸う
- 口を閉じて、4秒間鼻から静かに息を吸います。
- 息を止める
- 吸い込んだ息を7秒間止めます。この間、全身の緊張を解き放ち、リラックスを心がけます。
- 息を吐く
- 8秒かけて口からゆっくりと息を吐きます。このとき、舌の先を上の前歯の後ろに軽く当てておきます。
- 繰り返す
- このサイクルを4回繰り返します。慣れてきたら、サイクルを5回、6回と増やしても構いません。
効果
- ストレスの軽減:副交感神経を活性化し、リラックスを促進します。
- 心拍の安定:心拍数を落ち着かせ、血圧を下げる効果があります。
- 安眠:寝つきが良くなり、質の高い睡眠を得ることができます。
実践のポイント
- 最初は1日2回を目安に行うことをお勧めします。特に朝の目覚め時や夜の就寝前に実践すると効果的です。
- 慣れてきたら、日中のストレスを感じたときにも取り入れると良いでしょう。
参考動画
呼吸法を実践する際のポイント
呼吸法を効果的に実践するためには、いくつかのポイントがあります。
- 環境を整える: 静かでリラックスできる場所を選びましょう。
- 定期的に行う: 毎日一定の時間に行うことで、習慣化しやすくなります。
- 無理をしない: 呼吸が苦しくならないよう、自分のペースで行いましょう。
呼吸法の実践例
日常生活で取り入れやすい呼吸法
呼吸法は特別な時間を取らなくても、日常生活の中で簡単に取り入れることができます。以下に、具体的なシーンでの実践例を紹介します。
朝の始まりに
- 目覚めたらベッドの中で深呼吸を数回行い、心身をリラックスさせて一日のスタートを切りましょう。腹式呼吸や4-7-8呼吸法を取り入れると効果的です。
仕事の合間に
- デスクワーク中に短い休憩を取り、深呼吸を数回行うことで、集中力を取り戻し、ストレスを軽減することができます。数分の腹式呼吸で気分をリフレッシュしましょう。
通勤時間に
- 電車やバスの中、信号待ちの間など、短い空き時間に呼吸法を行うと、リラックスできるだけでなく、気持ちの切り替えにも役立ちます。
寝る前のリラックスタイムに
- 寝る前に4-7-8呼吸法を行うことで、心身を落ち着け、深い眠りに誘います。リラックスした状態で寝ることで、睡眠の質も向上します。
自然の中で
- 公園や自然の中で深呼吸を行うと、より一層のリラックス効果が期待できます。新鮮な空気を感じながら、ゆっくりと呼吸することが大切です。
まとめ
呼吸のリズムで自律神経を整えることの重要性
呼吸は私たちの体にとって最も基本的で重要な機能の一つです。しかし、普段は無意識に行っているため、その重要性に気づくことは少ないです。
呼吸のリズムを意識的に整えることで、自律神経のバランスを取り、心身の健康を維持することができます。特に、ストレスの多い現代社会において、呼吸法を実践することは、リラックス状態を促進し、ストレスを軽減するために非常に有効です。
継続的な実践のすすめ
呼吸法の効果を最大限に引き出すためには、継続的に実践することが重要です。以下に、継続するためのいくつかのポイントを挙げます。
日常のルーティンに組み込む
- 朝起きたとき、仕事の合間、寝る前など、日常生活の中で呼吸法を行う時間を決めると、継続しやすくなります。
無理のない範囲で行う
- 初めは短い時間から始め、徐々に時間を延ばしていくと無理なく続けることができます。自分のペースで行うことが大切です。
リラックスできる環境を作る
- 静かで快適な環境を整えることで、呼吸法の効果を高めることができます。定期的にリラックスできる場所を見つけて、そこで実践する習慣をつけましょう。
呼吸法は、一度習得するとどこでも実践できる簡単な方法です。自分のライフスタイルに合った方法を見つけ、日常的に取り入れることで、自律神経のバランスを整え、より健康でストレスの少ない生活を送ることができます。
この呼吸法を取り入れてもお悩みが解消しない場合は、他に原因があるかもしれません。当院では原因にアプローチする治療を行なっております。ご相談いただけたら幸いです。
【監修:柔道整復師 神田博行】