こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、院長の神田です。
「朝までグッスリ眠りたい」——夜中に何度も目が覚める、布団に入っても考えごとが止まらない、起きたのに疲れが残る……秋口はこんなお悩みが増えます。日照時間の短さ、寒暖差、仕事や家庭の区切りが重なり、**自律神経(交感神経と副交感神経)**がゆさぶられやすい季節だからです。
当院では、体の歪みや姿勢、呼吸、生活リズムをやさしく整え、寝つきと中途覚醒の負担を減らすサポートを行っています。ここでは、できるだけ専門語を避けて、仕組みの整理と“今夜から試せる整え方”をお伝えします(病名の診断が必要な場合は医療機関の評価をご検討ください)。
原因とメカニズム
睡眠は「脳とからだの段取り」で決まります。朝までグッスリ眠りたいのに難しくなる要因は、次のように重なりやすいと考えられます。
1) 自律神経のアンバランス(交感神経の張りつめ)
忙しさやストレス、夕方以降のカフェイン、遅い時間の強い光やスマホ刺激で、交感神経が“活動モード”のまま下がり切らず、寝つきが遅れる/眠りが浅い/夜中に目が覚めるにつながります。
2) 体内時計(概日リズム)の“後ろ倒し”
秋は朝の光が弱く、起床後の「太陽の合図」が不足しがち。結果として眠気と覚醒のスイッチがずれ、朝ボーッとする→昼にカフェインが増える→夜に冴えるという連鎖が起きやすくなります。
3) 姿勢と呼吸の質(体の歪みの影響)
デスクワークやスマホで頭が前に出る姿勢が続くと、胸が縮こまり呼吸が浅くなります。浅い呼吸は“休む神経(副交感神経)”のはたらきを引き出しにくくし、寝床に入っても心身が落ち着かないと感じやすくなります。
4) 生活の微差(寝室環境・行動習慣)
寝室の温度・湿度、寝具の硬さ、就寝前の情報量、夜間のトイレ対策、遅い時間の運動・入浴の仕方など、「ちょっとしたズレ」の積み重ねが、中途覚醒の回数を左右します。
いびきが強い/日中の強い眠気/脚のむずむず(夕方〜夜)/寝言・寝ぼけ行動が多い/2週間以上つづく抑うつ感——こうした場合は、まず医療機関(睡眠医療・耳鼻科・精神科・心療内科等)での評価をご検討ください。
放置リスクと誤解の解消
**「眠れない→不安→さらに冴える」**という循環に入ると、脳疲労が蓄積し、集中力・判断力・痛みの感じ方にも影響します。よくある誤解をやさしく整理します。
- 「寝酒なら早く眠れる」:寝つきは早くても、眠りが浅く分断される傾向があり、早朝覚醒を招きやすいです。
- 「休日にまとめて寝て取り返す」:起床が遅れるほど体内時計は後ろ倒しに。毎日の起床時刻の安定が第一です。
- 「ストレッチだけで必ず解決」:伸ばすことは助けになりますが、光・行動・姿勢・寝室環境のセット調整が戻りづらさにつながります。 当院はバキバキする矯正や“その場かぎり”の強いもみほぐしは行わず、神経の反射を活用した優しい施術で、からだが自分で整う土台づくりを目指します。必要に応じて医療機関とも連携します。
自分でできる対処法
以下は道具いらず・短時間で実践できます。痛みや体調に合わせ、量や強度は無理なく調整してください。
〔朝:太陽と“胸ひらき呼吸”でスイッチを前へ〕
- 目的:体内時計を前にそろえ、日中の眠気と夜の冴えを整える。 - 手順:1) 起床30分以内に窓際または屋外で5〜15分自然光を浴びる(曇天でもOK)。2) 立位で鎖骨を左右に広げる意識で胸を1cmだけひらく→鼻から4秒吸って6〜8秒吐くを5呼吸。3) 白湯や温かい飲み物で胃腸を起こし、5〜10分の軽い散歩ができると理想的。 - 注意点:目の病気の治療中は主治医の指示に従う。強い寒さの外気は防寒を。 - 所要時間目安:合計5〜15分。
〔日中:60〜90分ごとの“姿勢リセット+思考休憩”〕
- 目的:交感神経の張りつめをこまめに下げ、夕方の疲れ溜めを防ぐ。 - 手順:1) イスで坐骨を感じ、骨盤を小さく前後に5回ゆらしてニュートラルへ。2) みぞおちをやさしく前へ、肩はすとんと下げ、顎は1cm引く。3) 20秒だけ窓の外の遠景を見るか、呼吸を3サイクル数えて思考を中断する。 - 注意点:胸を張りすぎて腰を反らさない。焦りが出たら回数を減らす。 - 所要時間目安:1回1〜2分(60〜90分ごと)。
〔就寝前:減光・ぬる湯・“ゆらぎ呼吸”で着地する〕
- 目的:脳の覚醒を静め、寝つきと中途覚醒の負担を減らす。
手順:1) 就寝1時間前から画面と照明を一段落とす(間接照明が理想)。2) 体温より少し高いぬるめの入浴10〜15分か足湯。3) ベッドで4秒吸って6〜8秒吐く“ゆらぎ呼吸”を6回、その後は楽な自然呼吸に任せる。
注意点:寝酒・就寝直前のカフェイン・激しい筋トレは避ける。熱すぎる入浴は却って冴えやすい。
所要時間目安:合計15〜25分。
※環境の工夫:寝室は暗く・静かに・涼しめを基本に(エアコンの風は体へ直撃させない)。枕は首のカーブを埋めすぎない高さをタオルで微調整。夜間トイレが気になる方は、就寝2〜3時間前からの水分量を少し減らし、夕食の塩分も見直しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのくらい通えばよいですか?
A1. まずは週1回を2〜4週ほど。日中の眠気・寝つき・夜間覚醒の変化を見ながら、セルフケアと生活リズムが回り出したら間隔を調整します。
Q2. 施術は痛くありませんか?
A2. 当院は神経の反射を活用した優しい施術が基本です。バキバキする矯正や“その場かぎり”の強いもみほぐしは行いません。姿勢・呼吸・寝室環境まで一緒に確認します。
Q3. どんな人に向いていますか?
A3. 夕方から冴えやすいデスクワークの方、交感神経が張りつめがちな方、夜勤やシフト勤務で体内時計が乱れやすい方、季節の変わり目に眠りが浅くなる方に向いています。いびきや無呼吸の兆候があれば医療機関と併行をおすすめします。
まとめ
- 朝までグッスリ眠りたいを妨げるのは、自律神経の張りつめ・体内時計の後ろ倒し・姿勢と呼吸の浅さ・環境の微差が重なるためだと考えられます。
- 朝の光+胸ひらき呼吸/日中の姿勢リセット/就寝前の減光・ぬる湯・ゆらぎ呼吸を、小さく・こまめに積み重ねましょう。
ブログを読んで実践していただいたにもかかわらず、まだお悩みが残る場合は、きっとセルフケアだけでは手が届かない、身体の奥に原因があるサインです。
一度、私たち専門家にご相談いただくことで、解決の糸口が見つかるかもしれません。あなたの状態に合わせた治療で、精一杯サポートさせていただきます。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド(2023)」/https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
- 日本睡眠学会 一般向け情報(睡眠衛生・概日リズム)/https://jssr.jp/public/
- NHS UK “How to get to sleep”/https://www.nhs.uk/every-mind-matters/mental-wellbeing-tips/how-to-fall-asleep-faster-and-sleep-better/
- CDC “Sleep and Sleep Disorders”(睡眠衛生の基本)/https://www.cdc.gov/sleep/index.html


