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部活や試合で「ジャンプで膝が痛い」——10代に多い“ジャンパー膝”の原因とセルフケア

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、院長の神田です。

「ジャンプで膝が痛い」。バスケやバレー、陸上の跳躍・短距離、サッカーのキックや方向転換——練習が続くと膝のお皿(膝蓋骨)の下がズキッとする。最初の数本は我慢できても、回数を重ねるほど痛みが強くなり、階段の上り始めや、授業後に立ち上がる時も「うっ」となる——そんな相談を10代の学生さんから多くいただきます。

秋は大会が続き、練習量が増えやすい時期。無理を重ねると痛みが長引くこともあります。今日は、いわゆる“ジャンパー膝”(膝蓋腱のオーバーユース)について、仕組みと整骨院としてお伝えできるセルフケアの考え方をまとめます。

目次

原因とメカニズム

ジャンプ 膝 痛いと感じる背景の多くは、膝蓋骨とすねの骨(脛骨)をつなぐ「膝蓋腱」に、繰り返しの牽引ストレスがかかり続けることです。着地で膝が曲がる瞬間には大腿四頭筋(ももの前)がブレーキをかけ、その力が膝蓋腱に集中します。練習量の急増、フォームの乱れ、柔軟性の不足、体幹・股関節の筋力アンバランスなどが重なると、腱の“許容量”を超えて痛みが生じやすくなります。こうした**オーバーユース(使いすぎ)**は10代の部活動生に多く、はじめは運動時痛→次第に日常でも痛む、という順に進みやすいと考えられています。

また、姿勢や体の歪みも無関係ではありません。体幹がぶれて骨盤が前傾し過ぎる、股関節の屈筋群(腸腰筋・大腿直筋)が硬い、足首が硬くて着地衝撃を分散できない、などの要因で、膝前面へ負担が偏りやすくなります。

痛みが続くと交感神経が優位になり、筋のこわばりや睡眠の質低下につながって回復を遅らせることもあります。練習の質・量、フォーム、柔軟性、回復環境(睡眠・食事)を全体で整えることが大切です。

運動期の痛み管理では、膝蓋腱障害に対して**等尺性(アイソメトリック)や等張性(アイソトニック)の収縮が痛みの軽減に役立つ可能性が示されています。

さらに、中期以降のリハビリではエキセントリック(ゆっくり伸ばされながら力を出す)**のスクワットが有効だったとする報告が蓄積されてきました。特に“ディクラインスクワット(傾斜板を使う)”は膝蓋腱への刺激を調整しやすい方法として知られています。

放置リスクと誤解の解消

痛みをこらえて跳び続けると、練習中だけでなく階段の上り始めやイスからの立ち上がりでも痛い状態が長引き、パフォーマンス低下や欠場につながることがあります。早めの調整が結果として“近道”です。

よくある誤解として「強く揉めば早く治る」「一度で“リセット”できる」があります。腱の痛みは使い方と回復のバランスを整えることが中心で、強刺激や“その場かぎり”の対処はかえって逆効果になる場合もあります。まずは負荷管理+段階的な運動療法を基本にしましょう。

※赤く腫れて熱を持つ、急な外傷後の激痛・可動不能、膝が引っかかる/外れる感覚、発熱を伴う——などの際は、整形外科での評価をおすすめします。

自分でできる対処法

1.運動量の“見直し”と練習前後のルーティン化

  • 目的:痛みを悪化させず、回復力を高める土台を作る。
  • 手順:1) 1日の練習強度と“痛みの出方”をメモ(痛み0〜10段階)。2) 痛みが4/10を超えるメニューは量や回数を一時的に減らす。3) 練習前は股関節・足首のダイナミックストレッチ、後はアイシング10〜15分+もも前・ふくらはぎの静的ストレッチへ。
  • 注意点:痛みが強い日はジャンプ反復を見送り、フォーム練習や上半身・体幹に切替。皮膚トラブルがある時はアイシングを避ける。
  • 所要時間目安:ウォームアップ5〜10分、クールダウン10〜15分。 

2.等尺性エクササイズ(痛みの“鎮静化”)→等張性への移行

  • 目的:痛みのコントロールと筋の働きを取り戻す。
  • 手順:1) 椅子に座り、膝を軽く曲げた姿勢でタオルを押しつぶすように太もも前に力を入れ45秒キープ×5セット、セット間休憩1分。2) 痛みが許容内になってきたら、レッグエクステンションやスクワットなどの等張性に段階移行。3) 週3〜4回を目安に継続。
  • 注意点:痛みが増す場合は回数・角度を調整。反動を使わず、呼吸は止めない。
  • 所要時間目安:10〜15分。 

3.中期の“エキセントリック”強化(ディクラインスクワット)

  • 目的:腱の耐性を高め、再発を減らす土台づくり。
  • 手順:1) かかとが下がる緩い傾斜(段差でも可)に立ち、つま先をやや外向き。2) 3秒かけてしゃがみ、体重は痛みの少ない側で戻す(または両脚で戻す)。3) 10回×3セット、週3〜4回。
  • 注意点:痛みが強く増える日は中止。フォームが崩れるほど深くしゃがまない。
  • 所要時間目安:10〜15分。 

※時間帯の工夫:朝は軽い可動域づくり、練習前はダイナミックに温める、就寝前は深呼吸+静的ストレッチで交感神経を落ち着かせる——と分けると効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q. どれくらい通えば良くなりますか?

A. 痛みの程度と練習量の調整次第です。軽症なら2〜3週間で運動中の痛みが軽くなることがありますが、競技復帰には段階が必要です。等尺性→等張性→エキセントリック→競技動作の順に、痛みとフォームを見ながら進めます。

Q. どんな人に向いていますか?

A. ジャンプやダッシュ、キックが多い競技(バスケ・バレー・陸上・サッカーなど)で、膝のお皿の下が押すと痛い/跳ぶと痛い方に多い症状です。フォームや柔軟性、姿勢も一緒に整えると再発予防につながります。

Q. テーピングやサポーターは必要?

A. 練習中の痛みが強い時期は補助的に使うのは一案です。ただし、付ければ治るわけではありません。負荷管理と運動療法を中心に考え、必要時のみ併用しましょう。

まとめ

  • 「ジャンプで膝が痛い」は、膝蓋腱の**使いすぎ(オーバーユース)**が土台にあります。
  • まずは運動量の見直し+等尺性で痛みを整え, 段階的にエキセントリックへ移行しましょう。
  • フォーム・柔軟性・姿勢・回復(睡眠/栄養)をセットで整えることが再発予防の近道です。

このブログをご覧になっても思い通りでない場合は、他に原因があるかもしれません。その際は遠慮なくご相談くださいませ。

【監修:柔道整復師 神田博行】

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参考文献

  • 日本臨床整形外科学会系資料「ジャンパー膝(膝蓋腱炎)」患者向けリーフレット(症状・原因・対処の基礎情報)/https://jsoa.or.jp/wp-content/uploads/2018/11/jumper-knee.pdf 
  • 日本整形外科関連資料「膝の慢性障害(腱・靱帯・半月板・軟骨の障害)」—オーバーユースの分類・注意点/https://jsoa.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/35ee1de64b68b81ed7dcf3a682eca3d8.tmp_.pdf 
  • Vang C, et al. Journal of Sport Rehabilitation 2020:膝蓋腱障害における等尺性・等張性収縮の疼痛軽減に関するエビデンス/https://journals.humankinetics.com/view/journals/jsr/30/3/article-p512.pdf 
  • Open Orthopaedics Journal 2012:膝蓋腱障害のエキセントリック運動プロトコル概説(ディクラインスクワット等)/https://openorthopaedicsjournal.com/VOLUME/6/PAGE/553/PDF/  
かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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〒950-0925 新潟県新潟市中央区弁天橋通1丁目4-33 湖南ビル102号
かんだ整骨院
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