こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、院長の神田です。
ラウンドの後半になると「ゴルフ スイング で 肘が痛い」。素振りでは平気なのに、実際に打ち始めると内側や外側がズキッとする——そんなお悩みはありませんか。秋はコースに出る機会が増え、練習量が一時的に増えやすい時期です。フォームへの意識が高まる一方で、体は負荷にまだ慣れていないこともあります。
週末ゴルファーの方は、平日はデスクワークで前腕が固まり、いざ週末にまとめ打ちして痛みが出ることがよくあります。まずは仕組みを知り、無理のない対策から始めましょう。
原因とメカニズム
「ゴルフ スイング 肘が痛い」症状の多くは、肘の“内側”に出る上腕骨内側上顆炎(いわゆるゴルフ肘)、または“外側”に出る**上腕骨外側上顆炎(いわゆるテニス肘)**に関連すると考えられます。内側は手首を曲げる筋群(前腕屈筋群)、外側は手首を反らす筋群(前腕伸筋群)が、繰り返しのスイングや不適切な負荷で付着部(腱)が疲弊し、痛みを生じやすくなります。
痛みが出る背景には、次の要素が重なります。
・負荷の急増:急に球数を増やす、硬い芝・マットでの反復打ち。
・フォームの乱れ:ダフリやインパクト時の手首の使いすぎで、前腕筋群に局所ストレスが集中。
・日常の姿勢:長時間のデスクワークで前腕~肩の筋緊張が高まり、体の歪みや姿勢の崩れと合わせて肘に負担が回りやすい。
・回復不足:睡眠・栄養・間隔の足りない練習で、微細な損傷が修復しきらない。
痛みの場所で目安をつけられます。肘の**内側(小指側)**が痛む・タオルを絞ると痛い→ゴルフ肘が示唆。**外側(親指側)**が痛む・物をつまむ/持ち上げると痛い→テニス肘が示唆。ただし自己判断で無理は禁物で、痺れや夜間痛が強いときは整形外科の受診もご検討ください。
放置リスクと誤解の解消
放置のリスクとして、痛みをかばう代償動作が肩や手首へ波及し、フォームが崩れて再発を繰り返すことがあります。慢性化すると回復に時間がかかり、シーズン計画が立てづらくなります。
よくある誤解として「ストレッチを一度しっかりやればリセットできる」「打ちながら慣らせばそのうち治る」といった期待があります。腱付着部のストレスは**“適切な負荷の調整+段階的な筋機能の再構築”**が基本で、短期の“リセット”だけでは再発しやすいと考えられます。ガマンして打ち続けるより、早めに対策を取る方が結果的に練習量を確保しやすいです。
自分でできる対処法
1.練習量とクラブ条件の“微調整”で負荷をコントロール
- 目的:局所の炎症・痛みを悪化させない土台づくり。
- 手順:1) 直近1〜2週間は球数や連続日数を2〜3割減らす。2) マット打ち中心の方は、衝撃が強いメニュー(ダフリやすい課題)を一時回避。3) グリップ圧をやや軽めにし、グリップ径やシャフト硬さが強すぎないかショップでチェック。
- 注意点:痛みが10段階で3以上続く練習は中止。ラウンドはホール途中でも無理をしない。
- 所要時間目安:メニュー見直しとギア確認で15〜20分。
2.前腕〜肩の“つながり”を整える簡単エクササイズ(朝/日中)
- 目的:前腕の過緊張を下げ、肘に集まる負担を分散。
- 手順:1) 肩甲骨を軽く後ろへ寄せて下げ、背すじを作る。2) 反対の手で指先をそらす/曲げる方向に軽く誘導し、手首を反らす→曲げるを各10秒×3回。3) そのまま肘を軽く曲げ伸ばしして痛みのない範囲で前腕の血の巡りを促す。
- 注意点:しびれや鋭い痛みが出る角度は避ける。反動をつけない。
- 所要時間目安:1セット2〜3分を朝と日中に。
3.就寝前の回復ルーティン(温冷とセルフマッサージ)
- 目的:一日の負荷でこわばった筋膜・腱付着部の回復を促す。
- 手順:1) ぬるめの入浴で全身を温める。2) 出浴後に前腕の筋腹(盛り上がる部分)をやさしく円を描くように1〜2分。3) 痛点がはっきりする日は、保冷材をタオルで包み5分だけ局所冷却。
- 注意点:冷やしすぎ・押しすぎは逆効果。翌朝のこわばりが強い日は温めを長めに。
- 所要時間目安:合計5〜8分。
※セルフケアは痛みのない範囲が原則です。改善が乏しい、夜間痛が強い、握力低下やしびれがある場合は整形外科での評価をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのくらいの頻度で通えばいいですか?
A1. 症状の強さや競技スケジュールによって異なりますが、目安として週1回×3〜4週で経過を見ながら、セルフケアとフォーム調整を併用していきます。局所の炎症が強い時期はまず負荷調整を優先します。
Q2. 料金の目安は?
A2. 当院は自費施術です。初回 9,800円/2回目以降 7,000円が目安になります。状態に応じてご提案します(誇大な効果保証はいたしません)。
Q3. どんな人に向いていますか?
A3. 「練習量を落とさずに長くゴルフを楽しみたい」「フォーム・姿勢と合わせて再発予防まで取り組みたい」方に向いています。当院は神経の反射を活用したやさしい施術で、バキバキする矯正や“その場かぎり”のもみほぐしマッサージは行いません。
Q4. サポーターやテーピングは有効ですか?
A4. 痛みの強い時期に一時的に負荷を減らす目的で役立つことがありますが、根本は“適切な負荷管理+段階的な筋機能の再構築”です。使用方法は個別にご相談ください。
まとめ
- ゴルフ肘(内側)・テニス肘(外側)は、前腕の使いすぎとフォーム・姿勢の影響で起こりやすい。
- 放置よりも、練習量の微調整+前腕〜肩の連動改善+回復ルーティンが近道。
- 症状が続く・強い場合は早めに評価を受け、無理のない計画で復帰をめざしましょう。
このブログを参照にされても思い通りにならないときは、他に原因があるかもしれません。その際は当院までご相談くださいませ。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- 慶應義塾大学病院KOMPAS「テニス肘、ゴルフ肘」/https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000945/
- 東京医科歯科大学 医学部附属病院 整形外科「テニス肘(外側上顆炎)」/https://www.hosp-tmd.ac.jp/ortho/sports/tennis-elbow/
- Minds診療ガイドライン ライブラリ「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)診療ガイドライン2019」/https://minds.jcqhc.or.jp/ejhm/tennis-elbow-2019
- Hospital for Special Surgery (HSS) “Golfer’s Elbow (Medial Epicondylitis)”/https://www.hss.edu/condition-list_golfers-elbow.asp

