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走ると膝が痛い──秋のランニングで起こりやすい膝の不調と整え方

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、院長の神田です。

「走ると膝が痛い」ことで、楽しみだったランニングが不安に変わっていませんか。秋は大会も多く、距離やスピードが伸びやすい季節です。つい頑張りが重なり、知らないうちに膝へ負担が集中しがちです。

練習後に階段を降りると膝の前がズキッとする、長く走ると外側がツーンと張る、翌朝に膝のお皿の下が触れるだけでも痛い——こうした「あるある」は、原因の場所と負荷のかかり方が少しずつ違います。今日は、デスクワークの方や初マラソンを目指す方にもわかりやすく、整え方の道筋をご案内します。

目次

原因とメカニズム

「走ると膝が痛い」といっても、代表的にはつぎの3タイプに分かれます。いずれも“使い過ぎ(オーバーロード)”と“使い方(フォーム・筋力バランス・路面・シューズ)”の掛け算で起こりやすく、無理が重なるほど痛みのスイッチが入りやすくなります。

1)膝の前面(お皿まわり)が痛い:膝蓋大腿部の痛み(いわゆる前膝痛)

坂道・階段・長時間の座位後の立ち上がりで痛みが出やすいタイプ。股関節・体幹のコントロール不足で膝が内側に入り、膝のお皿と太もも骨のこすれ(圧)が増えると起こりやすいと考えられます。練習量の急増、下り坂の走り過ぎ、長時間のデスクワーク姿勢も関与します。股関節外側やお尻の筋を「賢く」働かせるトレーニングと、負荷の段階的調整が回復に役立つと報告されています。 

2)膝の外側が痛い:腸脛靭帯周辺のトラブル(いわゆるランナー膝)

長距離・下り・同じペースでの連続走で出やすい外側の擦れ・張り感。ストライドの出し過ぎ、接地時の膝内側倒れ、路肩の片斜面などが重なると痛みが出やすくなります。まずは距離・坂・下りの整理、ピッチをやや上げてストライドを詰める工夫、股関節まわりの筋トレが基本になります。 

3)お皿の下(膝蓋腱)が痛い:いわゆるジャンパー膝/膝蓋腱のトラブル

ジャンプ競技に多い印象ですが、ランナーでもスピード練や坂ダッシュが続くと発症します。急に止まる・蹴る動きが増えるほど腱のストレスが高まります。痛みの段階に合わせて、腱にやさしい負荷から始め、ゆっくり重さを扱うエクササイズに進めるのが基本です。 

どのタイプにも共通する大事な視点は「負荷管理(急に増やさない)」と「股関節・体幹から使うフォームづくり」。安全に運動を続けるには、段階的な強度設定と準備・整理運動が大切です。 

放置リスクと誤解の解消

痛みを我慢して走り続けると、無意識にかばうフォームになり、別の部位(反対側の膝や腰・アキレス腱など)へ負担が移ることがあります。とはいえ、必要以上に怖がる必要もありません。

よくある誤解を挙げます。

・「一度の矯正で骨盤を“リセット”すれば解決」——身体は生活と練習の積み重ねで変化します。再発予防には、負荷と使い方の“整え直し”が欠かせません。

・「痛み=筋力不足だけ」——筋力は重要ですが、量(距離・坂・下り・ペース)や路面、睡眠・栄養などのコンディションも同じくらい大切です。

・「シューズを替えればすぐ治る」——道具は助けになりますが、原因の中心は“使い方と負荷”。焦らず段階を踏みましょう。

自分でできる対処法

以下は今日から始められる、再現しやすい3ステップです。痛みが強い日は無理をせず、ウォーキングやバイクなど「痛みが出ない範囲の代替有酸素」に切り替えるのも有効です。

  1. 〔2週間の“負荷の整え直し”プラン〕
  • 目的:痛みのスイッチを落ち着かせつつ、走る習慣は保つ。
  • 手順:1) 距離・時間・下り坂・スピードのうち「2つ以上」を同時に増やさない。2) 1回あたりの走行時間を“痛み0〜3/10”の範囲に収める。3) 下り坂・長い下り階段は一時的に回避。心拍を上げたい日はジョグ+流し(短く軽く)に。
  • 注意点:痛みが走行中に増す・翌朝に残るなら、次回は強度/時間を20〜30%下げる。
  • 所要時間目安:1回20〜40分、週2〜4回、2週間継続。 
  1. 〔ヒップ主導のフォームづくり(自重筋トレ)〕
  • 目的:股関節・体幹の安定で膝のねじれ・内倒れを減らす。
  • 手順:1) クラムシェル:横向きで膝を軽く曲げ、上の膝をゆっくり開閉(左右各10〜12回×2–3セット)。2) ヒップヒンジ:お尻をうしろへ引いて前傾し、もも裏に伸び感(10回×2–3セット)。3) 椅子タップの片脚スクワット準備:座面にお尻が軽く触れるまで腰を落とし、膝が内に入らない範囲で(左右各8〜10回)。
  • 注意点:反動は使わず、痛み0〜3/10にとどめる。
  • 所要時間目安:日中または就寝前に10〜15分、週3〜5回。 
  1. 〔ラン後5分のクールダウン&セルフケア〕
  • 目的:張りの強い部位の血流を促し、回復のスイッチを入れる。
  • 手順:1) 早歩き2〜3分→その場で軽い屈伸。2) 外側の張りが強い日は“太もも外側〜お尻横”を手掌でやさしくさすり、股関節外側のストレッチを20〜30秒×2。3) お皿の下が気になる日は太もも前のストレッチを20〜30秒×2。
  • 注意点:強く押し過ぎない。鋭い痛みが出たら中止。
  • 所要時間目安:5〜7分。 

(時間帯の使い分け例:朝はヒンジとクラムで「動き出し」、日中は短時間の歩行挿入、就寝前にストレッチで“鎮める”。)

よくある質問(FAQ)

Q1. どのくらいで走りに戻れますか?

A1. 症状やタイプ、負荷の整理度合いで変わります。軽症なら2〜4週間でジョグ再開へ進むケースもありますが、段階的な増量(例:前週比+10%以内)を基本にしましょう。再開基準は「走行中に痛みが増えない・翌朝に残らない」が目安です。 

Q2. どんな人に向くケアですか?

A2. 初マラソンを目指す方、仕事が忙しく練習が波になりやすい方、デスクワークで股関節が固まりやすい方に有効なことが多いです。股関節・体幹からのコントロールを覚えると、膝前面や外側の負担を減らせます。 

Q3. 通院頻度と費用の目安は?

A3. 当院では、初回は評価と施術・セルフケア指導で9,800円、2回目以降は7,000円が目安です。頻度は痛みの段階により、最初の2〜4週は週1回、落ち着いてきたら隔週へ。無理な通院はおすすめしません。必要な期間にしぼって伴走します。

(神経の反射を活用したやさしい施術で、バキバキする矯正や“その場かぎり”のもみほぐしマッサージは行いません。)

Q4. 受診のタイミングは?

A4. 膝が腫れる・熱をもつ・ロッキング(引っかかり)・力が抜ける・夜間痛が強い場合は、整形外科での医療評価をおすすめします。迷ったら一度ご相談ください。

まとめ

  • 「走ると膝が痛い」は、前面・外側・お皿の下など“場所”で対策が変わります。
  • 回復の鍵は、負荷の整え直し股関節・体幹からの使い方
  • 焦らず段階を踏めば、また気持ちよく走れる道筋は作れます。

こちらrのブログを参照されても思い通りではない場合は、他に原因があるかもしれません。その際は遠慮なくご相談くださいませ。

【監修:柔道整復師 神田博行】

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参考文献

  • Stanford Medicine Sports Medicine. Patellofemoral Pain Syndrome: Diagnosis and Management.(JOSPT 2019ガイドラインの要点を含む資料). 
  • NHS (Oxford University Hospitals). Patellofemoral Pain (Anterior Knee Pain) – Patient Information. 
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット/健康情報「安全に運動を行うために」— 段階的な運動とリスク低減の考え方。 
かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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〒950-0925 新潟県新潟市中央区弁天橋通1丁目4-33 湖南ビル102号
かんだ整骨院
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