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【夏本番前に読んで頂きたい】「足がつる」は脱水のサインかも?夏の熱中症・痙攣を防ぐ全知識

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。

梅雨に入ったはずの新潟県ですが、連日の暑さで35℃を超えることも…私は涼しい院内での仕事ですが、外仕事やスポーツを楽しまれている方は、この暑さは大変なことと感じます。

また、先日も患者さんから「足が攣った!」伺いました。

夏本番に向けて気温がぐんぐん上がるこれからの時期は、熱中症や脱水に注意が必要なんです。
特に厄介なのが、脱水によって引き起こされる「こむら返り」などの筋肉の痙攣。重大な脱水は命に関わることもあります。

そこで、今回のブログは脱水について書かせていただきました。夏本番の前に覚えてほしいことをお伝えしますので最後までお読みいただけたら幸いです。


目次

脱水でなぜ筋肉が痙攣するの?

脱水と聞くと、単に「水分が足りない」と想像するかもしれません。しかし、体の中ではもっと複雑なことが起こっています。

私たちは汗をたくさんかいたり、下痢や嘔吐をしたりすると、体の中の水分だけでなく、**ナトリウムや塩素といった「電解質」も一緒に失ってしまいます。

**これらは筋肉や神経が正常に働くために欠かせない成分です。体液が減って電解質が不足すると、筋肉や神経が興奮しやすくなり、痙攣のリスクが高まってしまうんですね。

さらに、体内のナトリウム濃度が下がると、筋肉の細胞が常に興奮しやすい状態になります。

例えるなら、いつでもスイッチが入りっぱなしになっているような状態です。この状態では、ちょっとした刺激でも筋肉が勝手に収縮してしまい、結果として痙攣につながってしまいます。

そして最近の研究では、「疲れた筋肉」と「脱水や電解質不足」が組み合わさることで、脳から筋肉への指令がうまく伝わらなくなり、結果的に筋肉が勝手に収縮してしまうという考え方が有力になっています。

つまり、単純な水分不足だけでなく、疲労や暑さ、体質なども重なることで、痙攣のリスクは大きく跳ね上がってしまうのです。


痙攣のリスクが高まるのはどんな時?

脱水による痙攣は、体質や健康状態、そして周りの環境が大きく影響します。

まず、私たち自身の体に関わることとして、高齢者や糖尿病の方、妊娠中の方は特に注意が必要です。これらの方は、そうでない方に比べて脱水が起こりやすく、また体の水分・電解質バランスが乱れやすいため、痙攣のリスクが高まります。

さらに、利尿薬や一部の降圧薬(特に「ACE阻害薬+利尿薬」の組み合わせは、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)も注意を呼びかけています)を服用している方や、熱がある時、胃腸炎などで体調を崩している時も、体内の水分や電解質が失われやすくなるため、痙攣が起こりやすくなります。

次に、私たちの周りの環境や状況も大きく関係しています。高温多湿の環境にいる時はもちろん、長時間にわたる高強度の運動や肉体労働をしている時は、大量の汗をかくことで水分と電解質が失われます。

このとき、水分や塩分補給が不十分だったり、適切な暑さ対策ができていなかったりすると、一気に脱水が進み、痙攣のリスクが跳ね上がります。

これらの要因が重なると、さらに痙攣のリスクが高まるので、ご自身の状況と照らし合わせて、日頃から意識的に予防策をとることが大切です。


痙攣が起きる前のサインを見逃さないで!

「なんだかおかしいな」と感じたら、早めに対処することがとても大切です。

まず、脱水の初期症状としては、口が渇くトイレに行く回数が減るおしっこの色が濃くなる、そしてめまいがするといったサインが現れます。これらは体が水分不足を訴え始めている証拠です。

もしこれらのサインに気づかず、さらに脱水が進んでしまうと、**熱けいれん(軽症)**として、お腹、腕、足などに痛みを伴うこむら返りが起こることがあります。これは筋肉が異常な収縮を起こしている状態です。

そして、最も注意が必要なのは、症状がさらに進行した時です。大量の汗をかいていたのに急に汗が出なくなる体温が上がる意識がぼんやりするといった症状が出たら、これは熱射病の手前の非常に危険なサインです。

このような場合が続くと命の危険を伴うこともあります。一刻も早く適切な処置が必要になります!

体の小さな変化に気づき、早めに対応するように心がけましょう。

痙攣を防ぐための予防と対処ガイドライン

予防と対処法を箇条書きと表にまとめました。

1. 普段の生活や軽い作業をする時(高齢者やデスクワークの方も!)

「喉が渇いたな」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。喉が渇く前にこまめに水分を摂ることが大切です。

タイミング目安の水分量補給のポイント
起床直後コップ1杯(200ml)寝ている間に失われた水分を補給しましょう。
日中コップ半分ずつを1時間毎特に高齢者は喉の渇きを感じにくいので、意識的にこまめに飲みましょう。
入浴前後各200–250mlお風呂の前後も汗をかくので忘れずに。

環境省の熱中症予防指針によると、体重が減った量の70〜80%を目安に水分補給すると良いとされています。


2. スポーツや肉体労働をする時

運動中や作業中は、普段よりも多くの水分と電解質が失われます。

  1. 始める2時間前に、体重1kgあたり5〜7mlの水分を摂っておきましょう。(例えば、体重60kgの人なら300〜420ml)
  2. 運動や作業中は、1時間あたり0.4〜0.8リットルを目安に、電解質(ナトリウム30〜50mEq/L)を含むスポーツドリンクなどを飲みましょう。運動の前後で体重を測り、体重減少が2%未満に抑えられるように水分補給を心がけてください。
  3. もし痙攣が起きてしまったら
    • すぐに運動や作業をやめて、痙攣している部分をゆっくり伸ばしたり、軽くマッサージしたりしましょう。
    • 0.1〜0.2%の食塩水(水1リットルに塩1〜2g程度)やスポーツドリンクをゆっくり飲みましょう。
    • 涼しい場所に移動し、扇風機などで風を当てながら濡らしたタオルで体を冷やしましょう。

3. 熱けいれんや熱疲労のファーストエイド

症状の程度によって対処法と受診の目安が変わります。

症状対処法受診目安
こむら返りのみ電解質飲料200〜500ml、ストレッチ30分以上続く場合や、何度も繰り返す場合
めまい・吐き気日陰や冷房の効いた場所へ、衣服をゆるめる1時間以内に改善しない場合
意識が混濁・発熱すぐに救急車を呼び、体を冷やす意識障害や歩行困難がある場合は、すぐに医療機関へ

厚生労働省や日本救急医学会の熱中症診療ガイドラインでは、痙攣を*「重症化のサイン」*と位置づけています。意識障害や歩行が難しい場合は、迷わず救急車を呼んでください。


4. 中程度以上の脱水の場合

  • WHO経口補水塩(ORS): 1袋を1リットルの水に溶かし、体重や年齢に合わせて3〜4時間かけて50〜100ml/kgを補給しましょう。嘔吐や下痢の後も同様です。
  • 点滴が必要なサイン: 意識がはっきりしない、大量の下痢や嘔吐で水分が摂れない、脈が速い、血圧が低いといった場合は、すぐに救急外来を受診してください。

「脱水+痙攣」を防ぐための毎日のチェックポイント

毎日心がけていただくことで、脱水のリスクは下がります。

  1. 尿の色をチェック!:おしっこの色はレモン色が理想的です。濃い琥珀色をしている場合は、水分が足りていないサインなので、すぐに水分補給をしましょう。
  2. 毎朝体重を測る!:前の日と比べて体重が±1kg以上変動している場合は要注意です。
  3. 暑い日の作業は工夫を!:高温の日は、無理せず作業の強度を落とし、15〜20分ごとに200mlを目安に水分補給をしましょう。(NIOSH/CDC推奨)
  4. 飲んでいる薬の見直し!:利尿薬や抗コリン薬を服用している方は、特に高齢者の場合、医師と相談して水分補給について確認しましょう。

脱水予防に!ナトリウム・カリウム・マグネシウムが摂れる食品リスト

これらのミネラルは、体内の水分バランスを保ち、筋肉や神経の正常な働きをサポートするために重要です。普段の食事に意識的に取り入れて、脱水やそれに伴う痙攣を予防しましょう。

栄養素主な働き多く含む食品例
ナトリウム (Na⁺)体液の浸透圧調整、神経伝達、筋肉の収縮塩分を含むもの: 食塩、醤油、味噌、梅干し、漬物、だしの効いたスープ、スポーツドリンク、経口補水液、プロセスチーズ、ハム、ソーセージなど
備考: 摂りすぎは高血圧の原因にもなるため、適量を心がけましょう。汗をたくさんかく場合は、普段より意識して補給が必要です。
カリウム (K⁺)細胞内外の浸透圧調整、ナトリウム排出促進、筋肉収縮野菜: きゅうり、ほうれん草、モロヘイヤ、アボカド、トマト、枝豆、イモ類(じゃがいも、さつまいも)
果物: バナナ、スイカ、メロン、キウイ、柑橘類(みかん、グレープフルーツ)
その他: 海藻類(ひじき、わかめ)、豆類、ナッツ類、魚介類(カツオ、マグロ)
備考: 利尿作用があり、むくみ解消にも役立ちます。生で食べられるものや、煮汁も一緒に摂れる調理法がおすすめです。
マグネシウム (Mg²⁺)筋肉の収縮と弛緩、神経伝達、酵素の活性化種実類・豆類: アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、ごま、大豆製品(豆腐、納豆)、きな粉
海藻類: あおさ、わかめ、のり、ひじき
その他: 玄米、そば、全粒粉パン、ほうれん草、バナナ、カツオ、エビ、牛乳、チョコレート
備考: 筋肉の痙攣予防に特に重要とされています。加工食品よりも自然食品からの摂取が効果的です。

まとめ

脱水は電解質不足を引き起こし、筋肉の痙攣のリスクを高めます。しかし、それだけでなく、筋肉の疲労、高温多湿な環境、そして個人の体質も痙攣に大きく影響します。

予防の最強タッグは、**「こまめな電解質入り水分補給」「筋疲労対策(十分な休憩、ストレッチ、適切なトレーニング)」**です。

もし痙攣が起きて、さらに意識がぼんやりしたり、うまく歩けなくなったりした場合は、迷わず救急車を呼んでください

覚えておきたい4つのステップ!

Check(確認)➜ Drink(飲む)➜ Stretch(伸ばす)➜ Cool(冷やす)

この4つのステップを覚えておくだけで、今年の夏や運動時の熱中症・脱水による痙攣のリスクを大幅に減らすことができます。

最後に、痙攣後の筋肉への痛みや、日頃の筋肉の疲労・睡眠の質が悪いが気になる方は当院の治療がお役に立てるかもしれません。

遠慮なくご相談いただけたら幸いです。

【監修:柔道整復師 神田博行】

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かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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