こんにちは、新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院の神田です。
「なんだか最近、腰が重い…」
「長時間座っていると、腰が辛くなる…」
「歩いていると、背中が張ってくる」
先日、50代の男性患者さんからこのようなお話を伺いました。
特にデスクワークが中心で、なかなか運動の時間が取れないという方は、気づかないうちに体に負担がかかっているかもしれません。
もしかしたら、その腰痛、あなたの「O脚」が関係しているかもしれません。
「え、膝と腰って関係あるの?」
そう思われた方もいるのではないでしょうか。実は、私たちの体はすべてつながっていて、足元の歪みが思わぬ体の不調を引き起こすことがあるんです。
今日は、腰痛とガニ股の意外な関係をブログにまとめました。
O脚ってどんな状態?
まずはO脚について、少しだけ詳しく見ていきましょう。
医学的には「膝が内反している」状態を指します。簡単に言うと、まっすぐ立った時に、くるぶし(足首の内側の出っ張り)同士はくっつくのに、膝の間がポカンと開いてしまう状態のことです。アルファベットの「O」の形に似ていることから、「O脚」と呼ばれます。

このO脚だと、足の重みや地面からの力が、膝の内側にグッと偏ってかかってしまいます。
例えるなら、タイヤの片側ばかりに負担がかかっている状態、とイメージしてみてください。
O脚さんの特徴チェック!
- 立った時に膝が外に開いている:くるぶしはつくのに、膝の間に隙間ができてしまいます。
- 歩くときに膝が外へ「バタン」と振れる感じがする:特に疲れてくると、膝が不安定になるのを感じる方もいるかもしれません。
- 特定の筋肉のアンバランス:
- お尻の外側にある筋肉(中殿筋など)が弱くなりがち。
- 太ももの前や、股関節の付け根の筋肉(腸腰筋、大腿筋膜張筋など)が頑張りすぎていることが多いです。
このように、ガニ股は見た目の問題だけでなく、足や股関節、そして腰へとつながる「力学的な影響」を全身に与えているのです。
O脚が腰痛を招く、まさかの「因果関係」とは?
最近の研究では、O脚やX脚のような足の形と腰痛には、統計的に意味のある関連があることが分かってきました。特に、膝の曲がりが強い方や、股関節が内側にねじれている方ほど、腰痛のリスクが高まると言われています。
実際に、O脚が原因で膝の関節がすり減って痛む「変形性膝関節症」という病気をお持ちの方の半数以上が、同時に腰痛も抱えている、という報告もあるほどです。膝と腰は、想像以上に密接な関係にあるんですね。
O脚から腰痛へ!「歪みの連鎖」をわかりやすく解説
では、具体的にO脚どうやって腰痛につながっていくのでしょうか?そのメカニズムを、順を追って見ていきましょう。
- 膝の歪みが骨盤を傾かせる
O脚だと、膝の外側にある筋肉が弱くなり、股関節が外側にねじれて固まりやすくなります。そうすると、骨盤が後ろに「逃げる」ように傾いてしまうんです。 - 骨盤が傾くと、腰のカーブがなくなる(フラットバック)
骨盤が後ろに傾くと、通常少し前にカーブしているはずの腰の骨(腰椎)のカーブが失われ、まっすぐになってしまいます。この状態を「フラットバック(平らな背中)」と呼びます。
想像してみてください、まっすぐな棒を曲げようとするのと、少しカーブしている棒を曲げようとするのと、どちらが折れやすいでしょうか?そう、まっすぐな棒ですよね。
腰のカーブがなくなると、背骨の間にあるクッション(椎間板)の後ろ側に、大きな「ずれ」の力が集中しやすくなります。これが、腰への負担を大きくする原因になるんです。 - 体全体でバランスを取ろうとする代償
腰のカーブがなくなると、私たちは前に倒れやすくなります。それを防ぐために、無意識のうちに背中や首をさらに丸めて、バランスを取ろうとします。この時、背中の筋肉は常に緊張してしまい、慢性的な腰の痛みにつながっていく、というわけです。

↑骨盤後傾型
O脚・腰痛に効果的な自宅でできるセルフケア3選
ここまで読んで、「もしかして私の腰痛、O脚が原因かも…」と感じた方もいるのではないでしょうか。
ご安心ください。日常生活の工夫や簡単なセルフケアで、この「歪みの連鎖」を断ち切ることは十分可能です!
特にデスクワーク中心で運動習慣がない方でも、無理なくできるものを選んでみました。
1. 硬くなりがちな筋肉へ「リリース&ストレッチ」
O脚の方に多いのが、太ももの外側や股関節の付け根の筋肉が硬くなっているケースです。ここをリリースする方法です。
- 大腿筋膜張筋(太ももの外側)のストレッチ
- 仰向けに寝ます。片足を曲げ逆の足を腿の上に乗せます。

特に「痛気持ちいい」と感じる場所で15秒ほど止まってもOK。片側30秒を3セット行いましょう。

ポイント: 痛すぎると逆効果なので、「痛気持ちいい」程度に留めましょう。
- 腸腰筋(股関節の付け根)ストレッチ

片膝立ちになり、前足に重心を移しながら、後ろ足の前もも・下腹部の伸びるのを感じます。
15秒キープを左右それぞれ3セット行いましょう。
ポイント: 腰を反らさないように、お腹に軽く力を入れましょう。
2. 弱くなりがちな筋肉を鍛える「簡単エクササイズ」
O脚の方は、お尻の外側の筋肉が弱くなりがちです。ここを意識して鍛えることで、膝の安定性が増し、骨盤の傾きも改善されやすくなります。
- クラムシェル
横向きに寝て、膝を90度に曲げます。

かかとはつけたまま、上の膝をゆっくり開きます。お尻の外側がキュッと締まるのを感じながら、5秒キープを15回、左右それぞれ2セット行いましょう。

ポイント: 腰が反ったり、体が後ろに倒れないように、骨盤を固定して行いましょう。
3. 日常生活でできる「ちょっとした工夫」
セルフケアだけでなく、普段の生活で少し意識を変えるだけでも効果があります。
- 座り方
- デスクワーク中も、30分に一度は立ち上がって軽く体を動かしたり、深呼吸をして胸を開いたりしましょう。
- 椅子に座るときは、膝が90度以上になるよう、座面が少し高めのものを選んでみましょう。膝が外に開かないよう意識して座ることも大切です。
セルフケアのコツ:
最初の2〜3週間は、「硬い部分を伸ばす(リリース&ストレッチ)」ことを優先してみてください。痛みが落ち着いてきたら、徐々に「弱い部分を鍛える(エクササイズ)」量を増やしていくと、筋肉のバランスがリセットされやすくなりますよ。
まとめ:「膝」と「腰」は一つのチーム!
O脚は、単なる見た目の問題ではなく、骨盤や背骨のバランスを崩し、腰痛を引き起こす可能性があることが分かっていただけたでしょうか。
特に
「お尻の外側の筋肉が弱く、太ももの内側や股関節の前面が硬い」
という筋肉のアンバランスが、この問題のカギを握っています。
ご紹介したセルフケアは、これらの筋肉にアプローチし、O脚による膝への負担と、それによって引き起こされる骨盤の後傾を同時に抑えることを目指しています。
「膝」と「腰」は、まるで一本の鎖でつながっているようなもの。
離れた場所に見えても、実は密接に影響し合っている、大切な「体のチーム」なんです。
今日から小さなセルフケアを少しずつ積み重ねて、この歪みの連鎖を断ち切り、腰痛知らずの快適な毎日を取り戻しましょう!
こんな時は迷わずご相談ください
もし、セルフケアを試してみてもなかなか変化が見られない場合や、膝や腰の痛みが強く、日常生活に支障が出ている場合は、無理をせず専門家にご相談いただくことを強くおすすめします。
当院では、体の姿勢や動きを細かく分析し、あなたの腰痛とガニ股の根本原因を突き止め、一人ひとりに合った治療や運動療法をご提案しています。
「私のO脚はどこまで治るの?」「この腰痛、他に原因があるんじゃない?」
そんな疑問や不安も、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの姿勢が少しでも楽になり、活動的な毎日を取り戻せるようサポートさせていただきます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
【監修:柔道整復師 神田博行】