こんにちは!新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
今回のブログは、ぎっくり腰の原因が腰ではなく肩にあった事例のご紹介です。
ぎっくり腰を始め、腰痛や肩こりでも痛みのあるところが原因ではないことは多々あります。もしご覧になっているあなたのお身体のお悩みも、原因は他にあるかもしれません。
思い当たる節がある方は、最後までお読みいただけたら幸いです。
いつもと違うぎっくり腰?!

ジョギングに市民マラソン、週に数回はバレーボール。アクティブな生活を楽しむ40代女性・Mさん(仮名)は、一見「健康そのもの」に見えますが、実は年に一度のぎっくり腰に悩まされてきました。
今回も、掃き掃除中にちりとりのゴミをゴミ箱へ入れようと動いた瞬間に「ギクッ!」。最初は張り感程度だった腰の痛みが、夕方には激痛に変わり、特に前かがみの動作が困難に。座っているとだんだん辛くなり、立ち上がるときは腰が伸びず、とても大変だとのことでした。
来院された時は、前屈みで腰が伸びない状態で来院されました。
また、いつもなら3〜4日で回復し始めていたのに、今回は痛みがなかなか引かず、「なぜ?」という思いから当院に来院されました。
問診で浮かび上がった “違和感”

お話を伺うと、Mさんは半年前から左肩が上がりにくく、痛みもあるという別の悩みを抱えていたことが判明。「バレーの練習で肩に違和感が出てから、一時期は肩が上がらず、洗濯物を干すのも痛くて…」とのこと。現在は肩の痛みは違和感程度とのことですが、検査を行うと、左肩の可動域は健側の約70%。明らかな機能制限が見られました。
Mさんご自身は「肩は肩、腰は腰」と分けて考えていたようですが、実はこの肩の問題こそが、今回のぎっくり腰の“本当の原因”だったのです。
体は一本の“動く鎖”
肩甲骨―胸郭―骨盤―腰椎は、筋膜や神経でつながった一本の運動連鎖です。左肩がロックされた状態が続くと、日常動作やバレーボールでの体のねじれ・片足踏み込みなどの負荷を逆側の右腰部でバランスを取ることになり、そこに負担が集中しやすくなります。
そして、今回の掃き掃除が“最後の一押し”となり、ぎっくり腰を引き起こしたと考えられます。
神経の「行動抑制」って何?ぎっくり腰や肩こりの背後にある“体の防御反応”

ぎっくり腰や肩こり、腰痛など、体に不調が起きているとき、私たちの神経は「行動抑制」と呼ばれる状態に入っています。これは、体を守るために“防御反応”が優先されている状態です。
一見ネガティブに感じるかもしれませんが、これはむしろ体の安全装置がしっかり働いている証拠。無意識に「今は無理に動かないように」と神経がブレーキをかけ、注意力や警戒モードを高めているのです。
ただ、私たちは仕事や家事、育児、学校など、日常生活に追われています。そんな中で「休んで動かないように」という体のメッセージに従うのはなかなか難しいものですよね。
この“行動抑制”の状態では、実は自律神経の働きも抑えられています。たとえば動物で言えば「じっと身を潜めてやり過ごす」ような状態。それが回復のプロセスであり、神経が本来備えている仕組みです。
しかし、現代人の生活ではこの自然な回復を待っている余裕がないのが現実です。
つまり、「体は止まれと言っているのに、無理に動こうとする」という状態になりがち。このブレーキとアクセルのギャップこそが、神経にとって非常に大きなストレスになります。
そこで当院では、この“行動抑制”の神経反応をリセットするために、神経の反射を活用した施術を行っています。
さらに、「行動抑制モード」のときには、姿勢を支える筋肉の働きも低下します。そのために体は歪み、筋肉や関節への負担が増え、さらに不調が悪化してしまうのです。
このような神経の仕組みを踏まえて、
私たちは《脳の抑制反応をリセット》する施術を行い、
- 行動のブレーキ信号を緩める
- 交感神経の過剰な興奮を抑える
- 姿勢を支える筋肉の働きを取り戻す
- 腰まわりの筋緊張を和らげる
といった流れで、自然な回復力を引き出すサポートを行っています。
Mさんの声
今回のぎっくり腰が、以前から動きの悪かった左肩と関係しているなんて、正直驚きました。
4回目の施術後には、大阪までのバス移動とバレーボールの試合も無事こなせたとのことで、私もひと安心でした。
専門家コメントとエビデンス
近年の研究では、肩甲帯機能障害を持つアスリートは、腰椎への負荷が有意に高まることが報告されています(Hibbs ら, 2024)。また、胸腰筋膜の滑走性低下が腰痛を誘発するメカニズムにも注目が集まっており、肩などの離れた部位の可動域制限が、腰部痛を長引かせるケースも少なくありません。
つまり、痛む場所だけを見ず、全身を評価し、連鎖を改善し、安定性を再構築する。この順序こそが、再発予防のカギなのです。
よくあるご質問

ぎっくり腰直後でも施術は受けられますか?
はい。ぎっくり腰は、早期対応が重要です。当院の無痛施術は、腫れを悪化させず、症状の緩和を目指します。まずはご相談ください。
ぎっくり腰にマッサージは効果的ですか?
基本的におすすめしません。ぎっくり腰時の筋肉は「攣縮(れんしゅく)」と呼ばれる過緊張状態にあり、マッサージなどの刺激で一時的に緩んだように感じても、その後にリバウンドで緊張が強まることが多いです。適切な刺激でないと、かえって回復を遅らせる恐れがあります。
日常生活が問題なく行えるまで、どれくらいかかりますか?
骨折や重大な筋損傷がない場合、安静をしっかり保てれば2週間程度で緩和すると言われています。ただし、仕事・家事・育児・趣味などを一時的に休むことが前提となります。
現実的にはそれが難しい方が多いため、当院ではできるだけ日常生活を続けながら治すための施術を行っています。
まとめ

ぎっくり腰は、単なる腰のトラブルではなく、全身バランスの乱れによって引き起こされるケースが多々あります。
Mさんのように「回復が遅い」「毎年繰り返す」という方は、実は痛んでいる場所以外に本当の原因が隠れているかもしれません。
当院では、神経反射を活用したソフトな施術で、体の歪みを根本から整え、再発しにくい身体づくりをサポートしております。
頻繁にぎっくり腰を繰り返す方や、慢性的な腰痛にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【監修:柔道整復師 神田博行】