こんにちは、新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
先日、足首の捻挫で初診の患者さんが来院されました。真っ赤に腫れ、捻挫の炎症とは明らかに違う状態でした。貼ってあったテープが「もしや?」とお聞きすると、ケガをしてすぐお友達の保護者の方から「とりあえず貼っておきなさい」とのこと。貼ってから痒みと腫れが酷くなったとのことで、ケトプロフェンの副作用と考えれられるものでした。
当院ではこのようなケースを数回経験があり、良かれと思ってされたとは思うのですが、注意喚起を含めて記事にさせていただきました。
ゴールデンウィークで、医療機関がお休みの場合や出先で怪我をした時に応急処置で使うこと考えられるので、お読みいただけたら幸いです。
ケガをして手元にあるモーラステープを貼ることも…
軽い捻挫や打撲は日常生活でよく遭遇するアクシデントの一つです。そんな時、手元にある薬用テープを使って応急処置を試みることは、誰もが考える対応かもしれませね。
スポーツの現場やご自宅で、ご家族や友人から『取り敢えず貼っておいたら?』と貰って使用する事、ありますよね?
そのテープは、どういった目的に使うものか?また、重大な副作用があるのか?を知らずして使うことが多いのではないでしょうか?
良かれと思って…と使用した後に、副作用が起きてしまうかもしれません。
特に、ケトプロフェン製剤を含むテープ(モーラステープなど)を使用する際には、注意が必要です。間違った使用方法では、せっかくの治療が逆効果に終わってしまうこともあります。
ケトプロフェン製剤と光線過敏症
厚生労働省ホームページより
ケトプロフェン製剤の基本知識
モーラステープ等に含有されるケトプロフェンは、痛みや炎症を軽減する効果がありますが、使用する際にはその成分が肌に合っているかどうか確認が必要です。
特に、これらのテープは光線過敏症の副作用を引き起こす可能性があり、日光に晒されると皮膚に重大な反応が起こることがあります。
文書に記載されているケトプロフェンの商品名は以下の通りです。
- エパティックゲル3%
- エパティッククリーム3%
- エパティックローション
- セクターゲル3%
- セクタークリーム3%
- セクターローション3%
- ミルタックスパッチ30mg
- モーラスパッチ30mg、同パッチ60mg
- ケトタックス
- ケトプロフェンパッチ30mg「日医工」
- ケトプロフェンパッチ30mg「ラクール」、同パッチ60mg「ラクール」
- タッチロンパッチ30、同パッチ60
- パッペンKパッチ30mg
- リフェロンテーパッチ30mg
- モーラステープ20mg、同テープL40mg
- ケトプロフェンテープ20mg「東光」、同テープ40mg
- ケトプロフェンテープ20mg「日医工」、同テープ40mg
- タッチロンテープ20、同テープ40
- パテルテープ20、同テープ40
- フレストルテープ20mg、同テープ40mg
- ライラテープ20mg、同テープ40mg
- レイナノンテープ20mg、同テープ40mg
- ロマールテープ20、同テープ40
- ケトタックステープ、同テープL
- ケトプロフェンテープ20mg「ラクール」、同テープ40mg「ラクール」
- イーパスゲル
光線過敏症とは?
光線過敏症とは、薬を塗った皮膚が日光にさらされると、普通以上に強い反応を示してしまう状態を指します。これにより、発疹、腫脹、紅斑、強いかゆみ、水疱等の症状が、使用部位の他にも発現し、全身に広がることもあります。
まずは使用を中止し、日光に当たらないように遮光して症状緩和と予防をします。通常約2週間ほどで症状が治ると言われていますが、紫外線に当たると再燃することがあるので、数ヶ月は遮光の必要があります。
ケトプロフェン製剤の使用上の注意
厚労省のホームページによると、下記のような注意喚起が書かれています。
光線過敏症を発現することがあるので,使用中は天候にかかわらず,戸外の活動を避 けるとともに,日常の外出時も,本剤貼付部を衣服,サポーター等で遮光すること。 なお,白い生地や薄手の服は紫外線を透過させるおそれがあるので,紫外線を透過さ せにくい色物の衣服などを着用すること。また,使用後数日から数ヵ月を経過して発現することもあるので,使用後も当分の間,同様に注意すること。異常が認められた 場合には直ちに本剤の使用を中止し,患部を遮光し,適切な処置を行うこと。
自己判断での使用のリスク
以上の事から、ご自分用に処方されたものならともかくとして、家族や友人からもらったテープを安易に使用するのは、思わぬ副作用を引き起こすことも考えられますよね。ご使用はよくお考えられた方が良いかもしれません。
ゴールデンウィーク中の医療機関の対応
ゴールデンウィーク中は、レジャーやスポーツ大会で不意なケガに見舞われることもしばしばお聞きします。長期休暇により、多くの医療機関が休診となりがちですが、多くの地域で救急対応可能なクリニックや病院があります。
事前に近くの医療機関の休診情報を確認し、緊急時の連絡先を把握しておくことが重要です。
新潟市急患診療センターはこちらになります。
まとめ
薬用テープは適切に使用すれば、捻挫や打撲の痛みを軽減し、回復を助けることができます。しかし、自己判断で不適切に使用すると、重大な副作用やアレルギー反応を引き起こすリスクがあります。
当院からお伝えできることは、皆さんが安全に治療を受けるためには、専門の医療機関での診断と治療を心がけていただけたら幸いです。
【監修:柔道整復師 神田博行】