こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、院長の神田です。
「むち打ちをしてから首や肩の痛みが気になる」――そんなお悩みはありませんか。秋は朝夕の冷え込みで筋がこわばりやすく、行楽やスポーツで動く機会も増えるため、以前の症状が“ぶり返す”と感じる方が少なくありません。
「昔、スノーボードで転倒してから首まわりがすっきりしない」「交通事故後、天気や疲れで肩や背中が張りやすい」…こうしたご相談をよくいただきます。日々のお仕事や家事・育児を続けながら不調と付き合ってこられたこと、本当におつかれさまです。ここでは、できるだけ専門語を避けて、原因とメカニズム、誤解の整理、自分でできる対処をまとめました。
原因とメカニズム
「むち打ちをしてから首や肩の痛みが気になる」背景には、いくつかの要素が重なっていると考えられます。
1) 筋・靭帯のこわばりと“守りの反応”
首が急に前後に振られると、筋や靭帯が驚いて強くこわばり、“守るための緊張”がしばらく続くことがあります。秋は冷えで血流が落ちやすく、こわばりが解けにくい季節です。無意識のうちに肩をすくめる姿勢が増え、首〜肩〜背中の張りにつながります。
2) 交感神経の高ぶり
痛みや不安、寝不足が続くと、体を“活動モード”にする交感神経が優位になり、筋の緊張・睡眠の質低下・疲れやすさが重なりやすくなります。結果として「朝いちで固い」「夕方に重だるい」といった波が出やすくなります。
3) 姿勢(体の歪み)と動かし方のクセ
デスクワークやスマホ操作で頭が前に出る姿勢が続くと、首の付け根や肩甲骨まわりへの負担が偏りやすくなります。過去のむち打ち後は、この“偏り”が残りやすく、疲れたときや季節の変わり目で症状が表に出ることがあります。
4) 器質的問題の可能性
しびれが広がる、腕に力が入りにくい、強い頭痛やめまい・ふらつき、夜間痛が続く、発熱や強い腫れがある――などの際は、別の原因が隠れている可能性もあるため、医療機関での評価をおすすめします(ここでは病名の断定は行わず、一般的説明にとどめます)。
放置リスクと誤解の解消
痛む→こわい→動かさない→さらに固まる、という流れに入ると、回復のきっかけをつかみにくくなります。怖さから首をほとんど動かさない期間が長いほど、肩や背中の筋が“代わりに頑張る”ため、余計に張りやすくなることがあります。
よくある誤解をやさしく整理します。
- 「骨盤や首を一度で“リセット”すれば大丈夫」:体は日々の姿勢・睡眠・栄養・ストレス・運動量の影響を受け続けます。瞬間的な変化を感じても、安定には“積み重ね”が必要です。
- 「強いストレッチや首の反らし運動をすれば早く良くなる」:過敏な時期に無理をすると、かえって痛みが長引くことがあります。心地よい範囲の小さな動きから、段階的に広げるほうが安全です。
- 「じっと安静がいちばん」:強い痛みの時期を過ぎたら、“軽い日常動作+やさしい運動”を続けたほうが、血流や睡眠の質が整い、戻りにくくなると考えられます。 当院では、バキバキする矯正や“その場かぎり”の強いもみほぐしは行わず、神経の反射を活用した優しい施術で、体が自分で整う働きを後押しします。必要に応じて医療機関とも連携します。
自分でできる対処法
痛み・しびれが急に強まる、腕の力が入りにくい、強い頭痛・めまい・吐き気を伴う場合は無理をせず受診をご検討ください。以下は道具いらずで短時間、**“ほぐす”+“姿勢”+“呼吸”**をセットにしたケアです。
- 〔朝:首まわりを“温めて小さく動かす”〕 - 目的:一日の始まりに筋のこわばりをやわらげ、痛みの波を抑える。 - 手順:1) 蒸しタオル(または入浴後)で首の後ろを温め1分。2) うなずく小さな動き→左右を見る小さな動き→耳を肩に近づける小さな動きを、それぞれ5回ずつ。3) 肩を前後に5回ずつ回す。 - 注意点:反らし過ぎ・速い首振りはしない。痛みが3/10を超える角度は避ける。 - 所要時間目安:2〜3分。
- 〔日中:座り姿勢リセット+肩甲骨スライド〕 - 目的:頭が前に出る姿勢を整え、首だけに頼らない使い方へ。 - 手順:1) 椅子に浅く座り、坐骨で座面を感じる。みぞおちをやさしく前へ、顎は軽く引く。2) 肩甲骨を「下にすべらせる」意識で肩をすとんと下げ、ゆっくり5呼吸。3) 机に両手を置き、肘を軽く押して肩甲骨を背中で寄せずに「外へ広げる」動き10回。 - 注意点:胸を張り過ぎて腰を反らさない。呼吸を止めない。 - 所要時間目安:3〜5分(60〜90分ごとに)。
- 〔就寝前:呼吸で交感神経をクールダウン〕 - 目的:寝つきを助け、夜間のこわばりを減らす。
- 手順:1) 仰向けで両手をみぞおちに置く。2) 4秒で鼻から吸い、6〜8秒で口から細く吐く。3) 首はまっすぐ、枕はやや低めかタオルで高さ調整。
- 注意点:めまい・息苦しさが出るほど深く吸わない。寝返りは我慢しない。
- 所要時間目安:3〜5分。
※動きの戻し方:翌日に残らない範囲から家事・仕事量を再開し、1〜2日ごとに少しずつ広げます。ストレッチは「心地よい8割」で止め、翌日の状態を見ながら回数や角度を調整しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのくらいの通院頻度が目安ですか?
A1. 状態により異なりますが、まずは週1回を2〜4週ほど。睡眠の質や日常動作、痛みの強さの変化を見ながら間隔を調整します。
Q2. 施術は痛くありませんか?
A2. 当院は「神経の反射を活用した優しい施術」を基本とし、バキバキする矯正や“その場かぎり”の強いもみほぐしは行いません。姿勢・体の使い方、ストレッチやセルフケアも一緒に確認します。
Q3. 料金の目安は?
A3. 初回9,800円、2回目以降7,000円です(2025年11月時点)。
Q4. どんな人に向いていますか?
A4. 以前にスノーボードやスキーで転倒した方、交通事故後に首や肩の張りが残っている方、デスクワークやスマホ操作が長い方、夜勤で睡眠が乱れやすい方など。
レッドフラッグ(強いしびれ・麻痺、激しい頭痛やめまい、発熱、夜間痛が続く等)がある場合は、まず医療機関をご案内します。
まとめ
- むち打ちをしてから首や肩の痛みが気になる背景には、こわばり・交感神経の高ぶり・姿勢(体の歪み)・生活リズムの影響が重なると考えられます。
- 強い刺激や無理なストレッチより、小さな動き+姿勢リセット+呼吸を地道に積み重ねることが近道です。
- 当院はやさしい施術とセルフケアで、無理のない日常復帰を一緒に目指します。できるところから一歩ずつ始めましょう。 お困りの方は 【電話】 または 【LINE公式】へ。インターネット予約も承ります。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- MSDマニュアル家庭版「むち打ち症(頸椎捻挫)」/https://www.msdmanuals.com/ja-jp
- NHS UK “Whiplash”/https://www.nhs.uk/conditions/whiplash/
- Cleveland Clinic “Whiplash: Symptoms & Recovery”/https://my.clevelandclinic.org/
- 日本整形外科学会「頸の痛み」患者向け情報/https://www.joa.or.jp/


