こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。「筋トレ後の腰痛」でお困りではありませんか?
スクワットやデッドリフト、マシンでの脚トレのあと、帰宅してから腰がズーンと重い、翌朝の前かがみが怖い……。筋トレ初心者の方は「効かせたい」思いが強く、フォームが崩れたまま回数を重ねがち。愛好家の方は、仕事で座りっぱなしの後に高重量へ挑戦して体の歪みや姿勢の偏りを抱えたまま追い込んでしまう
——そんな「あるある」が重なると、筋トレ後の腰痛が起きやすくなります。今日は、原因の整理と、今日からできる安全な整え方をお伝えします。
原因とメカニズム(筋トレ後の腰痛が起こるわけ)
1. フォームの「小さな崩れ」が積み重なる
・ヒップヒンジが浅く、腰で前屈してしまう
・腹圧(お腹まわりの内圧)が抜け、反り腰/丸まりで挙上する
・可動域よりも重量を優先してしまう
これらはその1回で痛みが出なくても、繰り返しで腰部へストレスが集中します。スクワットの「膝は絶対に前へ出すな」といった一律の固定観念ではなく、目的や体格に合わせた個別のフォーム調整が推奨されます。
2. 負荷の上げ方と回復のギャップ
前週比で急にボリューム(総重量・回数・セット数)を上げたり、普段座位が長い日中の後に高強度トレを入れると、筋膜・椎間周囲へ疲労が偏りやすくなります。ガイドでも座りっぱなしを減らし、週2〜3回の筋力トレーニングを計画的に行うことが推奨されています。無理な連日高強度より、計画的な頻度と回復が土台です。
3. 「痛い=安静のみ」では長引くことも
腰痛の診療ガイドラインでは、過度な安静より日常活動を維持しつつ、段階的に運動へ復帰する考えが支持されています。トレ後の痛みが軽度なら、フォーム調整と負荷の段階化で戻していくことが望ましいとされています。
4. 体幹・股関節・足部の協調
姿勢や体の歪み(使い方の偏り)は、腰単独の問題ではなく、股関節・胸郭・足部の協調不足として現れます。片脚系(スプリット系)のエクササイズを正しく取り入れると、左右差の把握と補正に役立ちます。
※激しい痛み、発熱、下肢のしびれ・力が入らない、排尿排便の異常、転倒などレッドフラッグがある場合は、整形外科での評価をおすすめします。鑑別疾患は多岐にわたります。
放置リスクと誤解の解消
- 放置リスク:痛み→フォーム回避(代償動作)→別部位へ負担集中→慢性化、という悪循環。早めに負荷の整理とフォームの再学習を。
- 誤解①「骨盤を一度で“リセット”すれば治る」 → からだは連動して動きます。姿勢の調整は有効ですが、運動計画とフォーム練習がセットで必要です。
- 誤解②「痛いから完全安静」 → ガイドは活動維持を推奨。痛みが強くならない範囲で段階復帰を。
- 誤解③「膝は絶対に前へ出さないのが正解」 → 体格・目的により最適解は変わります。膝位置だけでなく骨盤・胸郭・足圧配分を総合的に。
1. ウォームアップ再設計(呼吸→ヒンジ→コア)
目的:腹圧を高め、腰に頼らない動き出しに整える。
手順
1)呼吸:仰向け膝立て、鼻吸い・口長吐き×5呼吸(肋骨が横に広がる感覚)。
2)ヒンジ:お尻を後ろへ引き、股関節から折る「ヒップヒンジ」10回(壁タッチでも可)。
3)コア:四つ這いで手足を対角に遠くへ伸ばす×左右各6回(腰が反らない範囲)。
注意点:息を止めない/腰で反らない。
所要時間:5〜7分。
(目的と強度に応じた準備運動の重視・座りっぱなしを避ける観点から妥当です)
2. トレ後の「クールダウン+軽負荷リカバリー」
目的:血流を促し張りを残さない。
手順
1)終了直後に背筋・殿筋・股関節前面の軽いストレッチ各20〜30秒×2。
2)歩行5〜10分(息が弾む手前まで)。
3)入浴または温シャワー10分。
注意点:痛みが鋭い角度は避ける。
所要時間:15〜20分。
(運動後の過度な安静ではなく、活動維持の考えに沿います)
3. フォーム練習:スクワットの見直し(週2回)
目的:個体差に合わせた安全な軌道づくり。
手順
1)足幅は腰幅〜肩幅で試し、足裏の三点(母指球・小指球・踵)に均等荷重。
2)「膝だけ前」ではなく、骨盤をわずかに後ろへ引きつつ胸郭はつぶさない。鏡で膝とつま先の向きをそろえる。
3)可動域は痛みなしで制御できる深さから。必要に応じてボックスを使用。
注意点:膝の位置“だけ”に固執しない。目的(筋力・可動域・競技)で最適解は変わる。
所要時間:10分。
(スクワットの膝位置は一律ルールではないという近年の解説に整合します)
目安:週2〜3回の筋力トレーニング+日常の座位時間を減らす工夫が推奨されています。無理に毎回限界まで追い込まず、余裕を残す日をつくりましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. トレは続けてよい?
A. 痛みが0〜3/10の範囲なら、フォーム練習と軽めの日(ボリューム3〜5割減)で継続可。増悪する負荷や種目は一時的に控えましょう。完全安静のみは推奨されません。
Q. どんな人に向く?
A. 「筋トレ後の腰痛を繰り返したくない」「筋トレ・フォームを一緒に見直したい」「強い刺激や“バキバキ”が苦手」という初心者〜愛好家の方に向いています。神経の反射を活用したやさしい施術と運動指導を組み合わせます。
まとめ
- フォームの小さな崩れ×急な負荷×回復不足が重なると、筋トレ後の腰痛は起きやすくなります。
- 座りっぱなしを減らし、週2〜3回の計画的な筋力トレ+段階的復帰が基本です。
- 迷ったら一人で我慢せず、フォームと生活リズムを一緒に整えましょう。無理なく続けられる一歩が、強くしなやかな体づくりの近道です。
**お困りの方は 【電話】025-211-9541 または 【LINE公式】https://page.line.me/jeo9591r へ。インターネット予約も承ります:https://base-first.com/reservation/※「まずは相談だけでもOK」です。お気軽にどうぞ。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- 厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項一覧』(週2〜3回の筋力トレ、座位時間への注意)。https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf
- 日本整形外科学会『腰痛|症状・病気をしらべる』(腰痛の鑑別と受診の目安)。https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html
- 日本医療機能評価機構Minds『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』(過度な安静より活動維持、段階的運動)。https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00498.pdf
- NSCAジャパン『「膝を出すな」はもう古い?個人差に合わせたスクワット』(フォームを個別最適に考える視点)。https://park.nsca-japan.or.jp/category-13/post-4390/
- NSCAジャパン『かんたん、おうちエクササイズ「スプリットスクワット」』(片脚系での安定性・左右差の把握に関する実践ポイント)。https://park.nsca-japan.or.jp/category-14/post-1859/


