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マラソンでアキレス腱が痛い——秋の走り込みで悪化させないために。原因・セルフケア・通院の目安を解説

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。

秋は涼しく走りやすく、距離やスピードを伸ばしたくなる季節ですね。けれど「マラソンでアキレス腱が痛い」「朝の一歩目でズキッとする」とご相談が増えるのも、この時期の特徴です。

ランニング愛好家の方は、レース前の走り込みでオーバーワークが重なりやすく、また仕事では長時間の座位でふくらはぎが固まり姿勢体の歪みの影響も受けます。無理なく走り続けるために、痛みの仕組みと対処をわかりやすく整理していきます。

目次

原因とメカニズム——「マラソンでアキレス腱が痛い」理由

アキレス腱は、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)の力をかかとへ伝える太い腱。ランニング中は繰り返し大きな牽引と圧縮のストレスを受けます。秋は走行距離やポイント練習が増えやすく、練習不足の基礎体力で急に負荷を上げたり、シューズの変更路面の硬さ・上り坂などが重なると炎症・変性を起こしやすくなります。特に、かかと寄りの「付着部」や、かかとから2–5cm上の「腱中央部」で痛みが出ることが多いとされています。日本足の外科学会の資料でも、過度の使用(オーバーユース)や柔軟性低下、不適切な靴が発症要因として挙げられています。

また、長時間の座位はふくらはぎの血流低下と短縮を招き、寝起き朝の一歩目で痛みが強く出ることがあります。アキレス腱周囲の炎症では、運動時の痛みや局所の熱感・腫れが見られ、初期は負荷調整(相対安静)が基本です。ヒールを少し高くして腱の張力を減らす方法が有効と解説されることもあります。

「姿勢・体の歪み」と下肢の連動

骨盤や股関節のコントロールが崩れると、接地のたびに踵へ不要なブレーキがかかり、アキレス腱へ偏ったストレスが蓄積します。ストレッチだけでなく、ふくらはぎ・足部の機能と合わせて、体幹・股関節の安定性を高めることが再発予防につながります。

放置リスクとよくある誤解の解消

  • 放置リスク:痛みを我慢して走り続けると慢性化し、日常歩行にも響くことがあります。まれにですが、急な「プチッ」という音・強い痛み・つま先立ち不能はアキレス腱断裂を疑うサイン。早期の整形外科受診が必要です。
  • 誤解①「1回で“骨盤をリセット”できれば治る」:アキレス腱痛は局所の腱ストレスと全身の動きの問題が重なります。姿勢調整は役立ちますが、負荷の調整と運動療法を並行するのが基本です。
  • 誤解②「安静だけで完全に治る」:炎症が落ち着いたら、腱に**適切な負荷(段階的なトレーニング)**を戻すことが、再発予防に重要です。エキセントリック(ゆっくり下ろす)運動が腱障害に有効とするエビデンスが示されています。

自分でできる対処法(今日から3つ)

※痛みが強い・腫れや熱感が強い・歩行がつらい場合はまず専門家にご相談ください。

① 負荷の見直し(相対安静+シューズ・ヒールリフトの活用)

  • 目的:腱への過剰な牽引を一時的に減らし、炎症を沈める。
  • 手順
    1. 1週間を目安に、距離・ペース・坂・ジャンプ系を3–5割減。痛み0–3/10で収まる範囲に調整。
    2. 厚めインソールやヒールカップで踵をわずかに高く(5–10mm)。
    3. 夕方は10–15分の入浴・温シャワーで血流改善。
  • 注意点:痛みが増す設定は避ける。ヒールアップは一時的運用。
  • 所要時間目安:日中の履物調整+入浴10–15分。 (踵高の工夫や保存療法の考え方は学会等の資料に沿います)

② 段差を使った「エキセントリック・ヒールドロップ」

  • 目的:アキレス腱の耐性を高め、再発を予防。
  • 手順
    1. 階段の段差につま先をかけ、両足でつま先立ち。
    2. 痛い側片脚だけでゆっくり5–10秒かけて踵を下げる。
    3. 上がる時は反対脚で補助して元の位置へ。真っ直ぐ版/膝曲げ版を各セット。
  • 注意点:痛みは「許容できる軽度」まで。朝いち直後や強い腫れ・熱感時は避ける。
  • 所要時間目安:10回×2–3セットを1日2回(計10–15分)。12週間を目安に段階的負荷増。 (エキセントリック運動の有効性に関する系統的レビューの結論)

③ ふくらはぎ&足底のやさしいストレッチ+足指エクササイズ

  • 目的:筋腱の柔軟性と足部アーチ機能の回復。
  • 手順
    1. 朝の準備:壁押しふくらはぎストレッチ(膝伸ばし30秒×2/膝曲げ30秒×2)。
    2. 日中:座位で足指グーパー、タオルギャザー各1分。
    3. 就寝前:アキレス腱周囲をやさしく温め、軽いストレッチ30秒×2。
  • 注意点:反動をつけない。痛みが鋭く強まる角度は避ける。
  • 所要時間目安:朝5分+日中2分+夜5分=1日約12分

よくある質問(FAQ)

Q1. 費用の目安は?

A. 当院は自費施術です。初回9,800円/2回目以降7,000円が目安です(評価・施術内容により前後)。まずは相談だけでも大丈夫です。

Q2. 通院頻度は?

A. 初期は週1回前後で痛みと機能の変化を確認し、セルフケアが軌道に乗ったら隔週〜月1回に。レース前は練習計画に合わせて調整します。

Q3. 走ってもいい?

A. 痛み0–3/10の範囲でジョグやウォークブレイクは可。ペース走・坂道ダッシュ・ジャンプ系は痛みが落ち着くまで控えましょう(相対安静)。

Q4. どんな人に向く施術?

A. 「走ることは続けたい」「姿勢体の歪みも含めて見てほしい」という方。強い刺激や“バキバキ”矯正は行わず、神経の反射を利用したやさしいアプローチと運動指導を組み合わせます。

まとめ

  • 秋は走りやすい一方で、走行距離増やオーバーワークが重なりアキレス腱に負担が集中。
  • 負荷の見直し+エキセントリック運動+ストレッチの三本柱で、痛みを抑えながら再発を予防。
  • 強い痛み・急な断裂サインは早期受診。迷ったら、まずはご相談ください。

無理に距離だけを追いかけなくても、身体に合った一歩を積み重ねればタイムも健康もついてきます。あなたの「走り続けたい」を、やさしくサポートします。

【監修:柔道整復師 神田博行】

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参考文献

  • 日本足の外科学会「アキレス腱付着部症(患者向けパンフレット)」https://www.jssf.jp/general/download/pamphlet_ach.pdf 
  • 日本整形外科超音波学会「アキレス腱周囲炎」https://jcoa.gr.jp/アキレス腱周囲炎/ 
  • 日本整形外科学会「アキレス腱断裂」https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/achilles_tendon_rupture.html 
  • 済生会「アキレス腱炎とは(患者向け解説)」https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/achilles_tendinitis/ 
  • (運動療法の一例)アキレス腱障害に対するエキセントリック運動の有効性(和文要約)https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/24650048 
かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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〒950-0925 新潟県新潟市中央区弁天橋通1丁目4-33 湖南ビル102号
かんだ整骨院
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