こんにちは、新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
長いお盆休みも終わり、仕事や日常生活に戻る季節になりました。
休みの間は冷房の効いた部屋でのんびりしたり、実家で涼しく過ごしたり、外出を控えたりした方も多いのではないでしょうか。実はこの生活スタイルが、体にとって思わぬ影響を与えます。
それが「暑熱順化(しょねつじゅんか)のリセット」です。
暑熱順化とは、体が暑さに慣れるための生理的な仕組みのこと。
お盆明けは、この順化が崩れやすい時期であり、それによって熱中症や体調不良のリスクが一気に高まります。
今回のブログは、暑熱順化のリセットについて書かせていただきました。
暑熱順化とは?

人間の体は、暑さに繰り返しさらされると少しずつ慣れていきます。
具体的には、汗が出やすくなり体温を下げやすくなる、汗に含まれる塩分が減って脱水を防ぎやすくなる、皮膚の血流が増えて熱を逃がしやすくなるなど、さまざまな変化が起こります。
この「慣れ」が整っていると、真夏でも比較的快適に過ごせ、熱中症の危険性も抑えられるのです。
お盆休みでリセットされる理由

しかし、この暑熱順化は一度身につけても永続するわけではありません。
冷房の効いた部屋で何日も過ごしたり、外に出る機会が減って汗をかかなくなったりすると、体は「もう暑さに対応しなくてもいいのだ」と判断し、せっかくの順化が弱まってしまいます。
特に3日ほど涼しい環境が続くと順化は低下し、1週間も経つとほぼリセットされてしまうと言われています。
つまり、お盆休みで数日から一週間以上、涼しい環境で過ごしていた方は、知らないうちに暑熱順化がリセットされてしまっている可能性が高いのです。
「休み明けに外へ出たら以前より暑さがつらく感じた」「外に出ただけでぐったり疲れた」という方は、まさに体がリセットされたサインかもしれません。
暑熱順化が整っていないと考えられるリスク

順化が不十分な状態で炎天下に出ると、体にはさまざまなリスクが生じます。
まず一番大きいのは熱中症の危険性が高まることです。
汗をかきにくく体温を下げにくいため、体に熱がこもりやすく、頭痛や吐き気、めまいといった症状を引き起こします。
また、強い疲労感やだるさが続くのも特徴です。
順化が整っていないと、同じ暑さでも心拍数が上がりやすく、体に大きな負担がかかります。ちょっと歩いただけで「やけに疲れる」「息が切れる」と感じやすくなるのです。
さらに、集中力や判断力の低下もリスクのひとつです。
体温が上がって脳への血流が不安定になることで、普段ならできる作業にミスが増えたり、ぼんやりしたりすることがあります。特に仕事や車の運転では注意が必要です。
暑熱順化を取り戻すには?

では、一度リセットされてしまった体はどうすればよいのでしょうか。
大切なのは、焦らず段階的に体を慣らしていくことです。
いきなり炎天下に長時間出る必要はありません。まずは15〜20分程度の散歩や、日陰での軽い運動から始めてみましょう。
数日続けるだけでも体は少しずつ反応を取り戻し、1〜2週間もあれば再び順化は完成します。
また、毎日入浴でしっかり体を温め、軽く汗をかくことも有効です。運動が苦手な方や外に出にくい方は、湯船に浸かるだけでも「暑さ慣れ」の刺激になります。
ただし、汗をかいたときには水分と塩分を適切に補うことが欠かせません。水だけを大量に飲むと体内のバランスが崩れることがあるため、経口補水液やスポーツドリンク、塩分を含む飲料をうまく取り入れることをおすすめします。
まとめ

お盆明けの今は、多くの方が暑熱順化を失っているタイミングです。そのまま外に出ると、熱中症や疲労、集中力の低下といったリスクが高まります。
「体を慣らすために散歩を始めたいけれど、膝や腰の不安があって思うように歩けない」という方も少なくありません。そんなときは、無理に我慢するのではなく、まず体を整えることから始めてみませんか。
当院では、膝や腰の痛みで思うように動けない方が、安全に生活習慣を取り戻せるよう施術とアドバイスを行っています。
「歩きたいのに歩けない」「体を慣らしたいのに痛みがある」――そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの夏を快適に過ごすお手伝いができるかもしれません。
【監修:柔道整復師 神田博行】