こんにちは。新潟市中央区弁天橋通りのかんだ整骨院・院長の神田です。
先日、患者さんから

「職場でクーラーの風が直接当たると肩や腰が痛くなるのはなぜ?」
とご質問を頂きました。
「冷えると調子が悪い」のは何となく想像できますが、**“寒ければ必ず痛みが増すわけでもない”**のが悩ましいところ。
そこで今回は、“冷房が痛みを悪化させるメカニズム”を深掘りし、誰でも実践できる対処法までまとめました。
冷房で痛みが強まる 5 つのメカニズム


「冷えると筋肉が硬くなる」――それだけではありません。体の中では次のようなことが同時進行で起きています。
血行障害と代謝産物の滞留
クーラーの冷気が直接当たったり、室温が下がっているとこのような状態になってしまいます。
冷え症群は肩こり・腰痛訴えが多いという大学調査もあります。
筋活動の過剰亢進
皮膚を冷やしただけで、僧帽筋などの筋電図(EMG)が約30%跳ね上がる実験結果があります。
“休めない筋肉” は早く硬くなり、痛みを招きます。
自律神経の乱れ(寒暖差疲労)
屋外と室内の温度差が 7 ℃以上になると、自律神経が過剰に働き血管調節が乱れる
――これが寒暖差疲労と言われています。国のクールビズ指針では“冷やし過ぎない室温管理”が呼び掛けられています。
自律神経が乱れると血流低下・筋緊張・倦怠感が連鎖し、痛みの閾値(いきち)が下がると考えられています。
神経伝導速度(NCV)の低下
皮膚温が18 ℃前後に下がると、感覚神経の伝導速度は20 m/s以上も遅れ、痛み刺激が過敏になることが報告されています。
神経伝導が遅れると痛覚情報の処理が乱れ、動き出しの「ズキッ」とした痛みやしびれ感が強まりやすくなります。
長期曝露によるリスク増大
北欧1万2千人を追った前向き研究では、冷環境で働く時間が25%以上の労働者で7年後の首・腰痛リスクが最大1.4倍に上昇。
“冷えっぱなし”の職場環境は慢性痛の独立リスクになると示唆されています。
やはり、『体を冷やしてしまう』ことは、自律神経を見出し血の巡りが悪くなるので、なるべく避けたいですよね。
すぐできる 4 つのセルフ対策


「全部やらなきゃ!」と気負わず、できるものから試してみてくださいね。表にまとめてみました。
対策 | ポイント |
---|---|
室温は25〜28 ℃を目安に | 外気との差は±4 ℃以内が理想。環境省も28 ℃を推奨しています。 |
風を直接当てない | ルーバーを上向き+サーキュレーターで拡散。首・腰に風が当たらないだけで体表温の急低下を防げます。 |
1時間に1回、肩甲骨まわり&股関節ストレッチ | 30秒伸ばすだけでも筋ポンプが働き、血流がグッと良くなります。 |
夜は38〜40 ℃の湯船で10分 | 深部体温が約1 ℃上がり、副交感神経が優位に。眠りの質も向上します |



ワンポイント✨
デスクに小さな湿度計を置き、50〜60%をキープすると汗が適度に出て冷えすぎを防げます。
まとめ


血行障害・筋活動過剰・自律神経の乱れ・神経伝導低下 が重なり、クーラーは肩こり・腰痛を悪化させがちなのが分かっていただけたかと思います。
室温管理・風向調整・こまめなストレッチ・入浴といった小さな工夫で痛みは軽くできます。
それでも痛みが長引く場合は、他の原因(関節炎や神経根の圧迫など)が潜んでいることも。
その際は、当院での治療がお役に立てるかもしれません。当院の治療は、冷えによる筋緊張や自律神経のアンバランスをやさしく整えます。
いつでもご相談いただけたら幸いです。
【監修:柔道整復師 神田博行】