こんにちは、新潟市中央区・弁天橋通の【かんだ整骨院】、院長の神田です。
前回のブログでは、筋肉を**「ゆっくり下ろす(エキセントリック)」動作**が、筋肉を大きく強くするのに効果的だとお伝えしました。

では、筋肉を**「ぐっと上げる(コンセントリック)」動作**は、特に意識しなくても良いのでしょうか?
いいえ、決してそんなことはありません!
実は、「上げる動作」にも筋トレ効果を高める上でとても大切な意味があり、私たちの日常生活を快適にする上でも欠かせないものなんです。
今回は、前回紹介した「下げる動作(エキセントリック)」と比べながら、「上げる動作(コンセントリック)」を意識するメリットを、運動が初めての方にも分かりやすくお伝えしますね。
まずはおさらい 「上げる」と「下げる」で筋肉の使い方は違う!

まずは、筋肉の基本的な働きをおさらいしましょう。同じ筋トレでも、「上げる」と「下げる」では、筋肉の使い方が違うんです。
コンセントリック(求心性収縮)とは?
筋肉が縮みながら力を出す動作です。私たちが**「力を入れて物を持ち上げる」「押す」といった、まさに「動かす」時の筋肉の働き**がこれにあたります。
例えば…
- 腕立て伏せで体を地面から押し上げる
- スクワットでしゃがんだ状態から立ち上がる
- 腹筋運動で体を起こす
- ダンベルをグッと持ち上げる
エキセントリック(遠心性収縮)とは?
筋肉が伸ばされながら力を出す動作。こちらは、「ゆっくり下ろす」「ブレーキをかける」といった、動きをコントロールする時に使われます。
例えば…
- スクワットでゆっくりとしゃがんでいく
- 腕立て伏せでゆっくりと体を下ろしていく
- 重りをコントロールしながらゆっくり戻す
🔍 エキセントリック vs コンセントリック:どう違うの?

この2つの働きを比較してみると、それぞれの得意な役割が見えてきます。
比較項目 | コンセントリック(上げる) | エキセントリック(下げる) |
筋肉の状態 | 縮みながら力を出す | 伸ばされながら力を出す |
主な役割 | 動作を起こす主役 | 動作を制御・ブレーキをかける |
発揮される力 | 中程度 | 非常に大きい(筋繊維に強い刺激) |
エネルギー消費 | 高い(脂肪燃焼にも有利) | 低め(効率的) |
期待できる効果 | 瞬発力アップ・代謝アップ | 筋肥大・筋力増強 |
コンセントリック(上げる動作)を意識する4つのメリット!

それでは、なぜ「上げる動作」を意識することが、あなたの体にとって大切なのでしょうか?大きく分けて4つのメリットがあります。
① 動作を起こす「主役の力」がつく!
ジャンプする、椅子から立ち上がる、走り出す——。私たちが**日常で「動く」**ために必要な力は、すべてコンセントリック収縮によって生まれています。
この力を鍛えることで、「動ける体」、つまり日常生活がもっと楽になる筋肉を効果的につくることができます。階段の上り下りや、重い荷物を持つ時など、あなたの動きがぐっとスムーズになるでしょう。
② 神経と筋肉の連携がスムーズに!ケガの予防にも
コンセントリック運動では、複数の筋肉がスムーズに協力し合って動く必要があります。
正しいフォームで「上げる動作」を繰り返すことで、脳と筋肉の連携、つまり**「運動パターン」が洗練されます**。これにより、無駄な力が入らず、効率よく動けるようになり、結果的にケガの予防や姿勢の改善にもつながるんです。
③ エネルギー消費が大きく、代謝アップに効果的!
意外かもしれませんが、実はコンセントリック動作の方が、筋肉を動かすためのエネルギー(ATP)を多く使います。
そのため、「体を引き締めたい」「脂肪を燃焼させたい」という方には、コンセントリックを意識したトレーニングが特におすすめです。有酸素運動と組み合わせることで、さらに効率よく代謝を上げ、引き締まった体を目指せますよ。
④ 初心者や高齢者の方でも安全に始めやすい!
前回のブログでお伝えしたエキセントリック(下げる動作)は、筋肉にかかる負荷が大きいため、慣れないうちは筋肉痛や痛みが出やすいことがあります。
一方、コンセントリック(上げる動作)は、自分の力に合わせて動作の範囲やスピードを調整しやすいのが特徴です。そのため、運動が久しぶりの方や高齢者の方でも、無理なく安全にトレーニングを始めやすいという大きなメリットがあります。
自重トレーニングで「上げる動作」を意識するコツ
普段行っている自重トレーニングでも、少し意識を変えるだけでコンセントリックのメリットを最大限に引き出せます。
- スクワット:しゃがむ(下げる)ときにフォームが安定したら、「立ち上がる動作」も意識しましょう。地面を力強く踏みしめ、太ももとお尻の力でグッと持ち上げる感覚を大切にしてください。反動を使わないのがポイントです。
- 腕立て伏せ:体を下ろすときは胸と体幹を意識し、「押し上げる動作」で力を発揮します。肩や腰が浮かないよう、体全体を一直線に保ったままプッシュアップしましょう!
- 腹筋(クランチ):起き上がるときは、お腹を折りたたむように**「グーッと縮める」意識**を持ちます。首で引っ張らず、お腹(腹直筋)に集中して、腰が浮かないように丁寧に行いましょう。
両方の動作を意識して、より安全で効果的なトレーニングを!
筋トレ効果を最大限に引き出し、ケガなく長く続けるためには、コンセントリックとエキセントリックの両方をバランス良く意識することが重要です。
- コンセントリックで**「動ける体」**をしっかりつくり、
- エキセントリックで**「強く、しなやかな体」**を鍛える。
このバランスこそが、あなたの理想の体を手に入れるための近道です。
⚠️ 「あれ?フォームが崩れていないかな?」と心配な方へ

もし、
- スクワットで腰が痛い
- 腹筋で首ばかり疲れる
- 腕立て伏せで肩がつらい
といったお悩みがあるなら、それはフォームや体の使い方に原因があるのかもしれません。
また、正しい動作を意識しても痛みが出る場合は、骨格の歪みや筋バランスの問題が隠れている可能性も考えられます。
そのような際は当院の治療がお役に立てるかもしれません。ぜひご相談ください!
【監修:柔道整復師 神田博行】