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体が柔らかいのに「腰痛」…なぜ?ヨガ・新体操・ダンサーなどボディワーカーや競技者が陥る”動きすぎるが故の腰痛”の正体

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。

ヨガのポーズも、バレエの美しいターンアウトも、新体操のダイナミックな演技も、人並み以上にこなせるあなた。「私って、身体が柔らかいのに、なんでこんなに腰が痛いの?」と、常に腰の違和感や痛みに悩んでいませんか?

  • 「朝起きると腰が抜けそう…」
  • 「長時間のレッスンや練習で、気づけば腰が固まっている…」
  • 「周りからは体が硬いと思われてないのに、この痛みはなぜ?」

そんな不安や疑問を抱えているなら、このブログはまさにあなたのためのものです。ぜひ最後までお読みください。


目次

その腰痛、放置していませんか?

「これくらいなら大丈夫」と、ついつい我慢してごまかしている腰痛。しかし、その“柔らかいのに痛い腰”は、体からのSOSかもしれません。

腰の痛みを放置すると、脳は「このままでは危険だ」と認識し、神経の防御反応が働き、無意識のうちに特定の動きを制限し始めます。これは、あなたのパフォーマンスを阻害するだけでなく、慢性的な疲労感や体の歪みにもつながりかねません。


柔軟なあなたにこそ知ってほしい!腰痛の”意外な”原因

「体が柔らかい=腰痛になりにくい」と思われがちですが、実はそうではありません。当院で多く見られる「体は柔らかいのに腰痛が出るタイプ」には、いくつかの共通パターンがあります。専門的に言えば、**「安定すべき腰椎が動きすぎている」「動くべき股関節の可動性が下がっている」、そして「コアのブレーキが弱い」という“三重苦”**です。

なぜ、このような状態が起こるのでしょうか?

コア筋(インナーマッスル)のブレーキが遅い・弱い

本来、体を動かす前にまず胴体を安定させるべき「腹横筋」や「多裂筋」といった深層の筋肉(コア筋)の働きが遅れたり、弱かったりすることが研究で明らかになっています。これでは、腰(腰椎)に微細なストレスが蓄積しやすくなってしまいます。

股関節の動きが悪いと、腰椎が頑張りすぎる

体が柔らかいと、「股関節が大きく動いている」と思いがちですが、実際には股関節の可動域が十分に確保されず、その分を腰椎が過剰に動いて補ってしまうケースが非常に多いのです。特に股関節の外旋(脚を外側へ捻る)や伸展(脚を後ろへ動かす)の制限は、ダンサーの腰痛リスクを高めるという報告もあります。

全身の関節が緩すぎる(全身性関節弛緩症)

全身の関節が平均以上に柔らかい方の場合、関節を支える靱帯や関節包が“ストッパー”の役割を果たしきれていないことがあります。これにより、関節に微細な不安定性が生じ、筋肉による“瞬発的な安定”がより一層求められるようになります。思春期のダンサーでは、この状態が腰痛や姿勢異常と相関しているというデータもあります。


自分でできる!体幹を安定させ、硬くなった股関節の動きを回復させる方法

体が柔らかいのに腰痛にお悩みの方へ、当院でホームケアとしてお伝えしている方法をご紹介します。

✅ デッドバグ(Dead Bug)

目的: 腹横筋・多裂筋など「胴体を内側から支える筋肉=コア」を活性化し、腰椎を中立位で安定させながら手足を動かす感覚を養うエクササイズです。腰痛予防・改善の土台づくりとして非常に有効です。


▶︎ やり方(基本フォーム)

  1. 仰向けに寝る
    • 膝と股関節をともに90度に曲げて、足を床から浮かせます(テーブルトップポジション)。両腕は天井に向かってまっすぐ伸ばしましょう。
    • 背中は床に“そっと”つけて、腰が反らない中立位を保ちます。
  2. 息を吐きながら、対角の手足をゆっくり伸ばす
    • 右腕と左脚を、ゆっくりと床方向に向かって伸ばします。
    • 脚はかかとを前に滑らせるように。腕は耳の横を通して伸ばしましょう。
  3. 腰が浮かない範囲で止める
    • 腰が反ったり、肋骨が突き出そうになったら止めてOKです。
    • お腹を「へそを背骨に引き寄せるように」軽く引き締め続けましょう。
  4. 吸いながら元に戻す
    • 丁寧にスタートポジションへ戻ります。
    • 反対側(左腕と右脚)も同様に行います。

▶︎ 回数・セット

レベル回数セット数
初心者左右交互に6~8回2セット
中級者動作の範囲を拡大 or 両脚同時2~3セット
よくある間違い修正ポイント
腰が浮いてしまう可動域を小さくして、背中をマットにそっと押し付ける感覚で。
呼吸を止める常に息を吐きながら伸ばす → 吸いながら戻すを意識。
手足の動作が速いゆっくり3秒かけて伸ばし、1秒キープ、3秒かけて戻す。

✅ 補足アドバイス

  • 腰の下にタオルやブロックを置いて滑らせるようにすると、初心者でもフォームが安定します。
  • 毎日の習慣として、朝か就寝前に2セットから始めてみてください。

当院では、腰痛の原因が「柔軟性の問題」ではなく「安定性の不足」にあるケースが多く見られます。この“デッドバグ”は、そんな方にこそおすすめしたい“再起動エクササイズ”です。ご自宅でも安全に行えますので、まずは1週間、無理のない範囲で続けてみてください。

✅ 90/90座位ストレッチ

目的: 股関節の外旋・内旋可動域を高め、腰椎の代償運動を減らすためのストレッチ。腰痛持ちや“腰で動きを代償してしまう人”にとって、股関節の自由度を取り戻すことは必須です。

✅ 基本ポジション:90/90ポジション(スタート姿勢)

  1. 床に座ります。
  2. 左脚(フロントレッグ)を体の前に出し、股関節と膝をそれぞれ90度に曲げます。
    • 左太ももは床と平行に。
    • 左膝は床に触れるか、近づけるように。
    • 左足の外側が床に接するようにリラックスさせましょう。
  3. 右脚(バックレッグ)を体の後ろに配置し、同じく股関節と膝を90度に曲げます。
    • 右太ももも床と平行に。
    • 右膝も床に触れるように調整。
    • 右足の内側が床に接するように意識しましょう。

この姿勢で、前後の脚がそれぞれ90度の角度をつくり、上から見ると「Zの字」や「数字の7」のような形になります。このポジションが、股関節の外旋・内旋の動きを整える基本姿勢となります。

▶︎ 90-90座位 股関節外旋ストレッチ

  1. 基本ポジションからスタート。
  2. 骨盤を後ろ脚側にしっかり向けます。
    • 坐骨を左右均等に床につけるように意識しましょう。
    • 最初は骨盤が傾きやすいので、骨盤を立てる意識を最優先に。
  3. 息を吐きながら、上体をゆっくり前へ倒します。
    • 背中を丸めず、股関節から「折りたたむ」ように前傾します。
    • お尻の横〜後ろ(中殿筋・梨状筋など)が伸びていればOKです。
  4. 30秒キープしたら、ゆっくり戻ります。

回数・セット
30秒から40秒・左右2セット

よくある間違いと対処法
・骨盤が後傾して背中が丸くなる→お尻の下にタオルやヨガブロックを敷き、骨盤を立てやすくする
・外旋ではなく体が捻れている→正面を向いたまま、体を前脚にまっすぐ倒す意識で
・お尻のストレッチ感が弱い→骨盤をもう少し前にズラすか、前脚のすねを外側へずらす

ストレッチ中も呼吸を止めず、ゆったりとした腹式呼吸を続けると効果アップ。
お尻や骨盤周りが硬い人は、最初は10秒×3回→30秒へと段階的に時間を延ばすのがおすすめ。

▶︎ 90-90座位 股関節内旋ストレッチ

  1. 基本ポジションからスタート。
    • 前脚と後ろ脚、両方とも股関節・膝を90°に曲げます。
    • 後ろ脚が「股関節内旋位」になっていることがポイントです。
  2. 骨盤を後ろ脚側にしっかり向けます。
    • 坐骨を左右均等に床につけるように意識しましょう。
    • 最初は骨盤が傾きやすいので、骨盤を立てる意識を最優先に。
  3. 息を吐きながら、上体を後ろ脚に近づけるように回旋+前傾します。
    • 背中を丸めず、体をねじるのではなく“股関節から倒す”動きを意識しましょう。
    • 体をねじって動かすのではなく、骨盤ごと内旋方向に動かす感覚が大切です。
  4. お尻の深部(小殿筋・内旋筋群)にストレッチ感が出るまで倒します。
    • 無理に引っ張らず、痛気持ちいい程度で30秒キープします。

回数・セット
30秒から40秒・左右2セット

よくある間違いと対処法
・骨盤が後ろ脚と反対側へ逃げる→お尻の下にタオルやヨガブロックを敷いて安定させる


まとめ

柔軟性は“ストレスフリーの証明”ではなく、

  1. コアの先行収縮
  2. 股関節の十分な可動
  3. 腰椎の適度な固定

――この “モビリティ(可動性)× スタビリティ(安定性)” バランスが取れて初めて、腰を守れます。

ご紹介したセルフケアを行なっても、なかなか思い通りに痛みが改善しない、もっと専門的なアプローチを受けたいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。当院には、体が柔らかいのに腰痛にお悩みのボディワーカーや競技者の方が多数いらっしゃっています。

当院では、単なるマッサージではなく体の歪みを整え、神経反射テクニック+コア再教育+ヒップモビリティを組み合わせ、あなたの「動くべき所が動き、固定すべき所が締まる身体」を取り戻すプログラムを提供しています。

**「柔らかいのに腰が痛い…」**と一人で悩まず、ぜひ一度、新潟市のかんだ整骨院にご相談ください。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。


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主要参考文献

  • The Epidemiology of Low Back Pain and Injury in Dance. J Athl Train, 2019
  • Low Back Pain and Injury in Ballet, Modern, and Contemporary Dance. Sports Med, 2020
  • Symptomatic Joint Hypermobility Is Associated with Low Back Pain. J Clin Med, 2022
  • Joint Hypermobility as a Risk Factor for Musculoskeletal Pain in Adolescence. Arthritis Rheum, 2014
  • Inefficient Muscular Stabilization of the Lumbar Spine in Low-Back-Pain Patients ― Hodges & Richardson, Spine, 1996
  • Delayed Abdominal-Muscle Onsets and Pain/Disability in Chronic Low Back Pain. J Orthop Sports Phys Ther, 2010
  • Relationship Between Hip ROM and Low Back Pain in Athletes Who Participate in Rotation-Related Sports. J Sport Rehab, 2009
  • Injury Incidence in Yoga: Systematic Review. J Bodyw Mov Ther, 2021
  • Yoga for Chronic Low Back Pain: Systematic Review & Meta-analysis. Ann Intern Med, 2016
  • Back Pain in Adolescent Athletes: Narrative Review. Sports Med-Open, 2022
  • Common Pilates-Related Low-Back Injuries and Prevention Tips. Just Flow Clinic Blog, 2023

【監修:柔道整復師 神田博行】

かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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〒950-0925 新潟県新潟市中央区弁天橋通1丁目4-33 湖南ビル102号
かんだ整骨院
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