こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
当院へ来院されている患者さんが、ランニングを始められてから、「すねの周りが痛くなってきた」とご相談を受けました。
運動から離れていていましたが、秋の新潟マラソンへ出たいとのこと。そこでランニングを毎日5kmから10kmされていたそうです。
走り始めにすねが痛くなり、だんだん慣れていくとのことでした。検査をすると、すねに若干の熱感があり、すねを軽く押すと痛みが出る状態です。また、下肢の歪みも見られたので、オーバーユースによる『シンスプリント』が考えられました。
そこで、今回のブログはシンスプリントの原因や対策法を記事にしました。シンスプリントも痛めている箇所によってメカニズムも変わってくることから、この記事は『すねの内側』周辺の痛みについてご説明します。
すねのまわりが痛い!シンスプリントとは?
シンスプリントは『脛骨過労性骨膜炎』とも言われ、繰り返しのランニングやジャンプを過度に行った場合のオーバーユースで発症しやすく、様々なスポーツの場面で見受けられます。また、新入生や運動習慣のない人が運動初期のオーバーユースで発症のリスクが高まります。
- 過度の運動量
- 長い運動時間
- アスファルトやコンクリート等、硬い地面
- フォームの問題
- o脚・回内足・扁平足等の下肢アライメントの問題
- 身体の柔軟性(股関節・太もも・ふくらはぎ・足首)
- 運動習慣が無い人が急に運動量を増やした
これらが発生の原因と考えられます。思い当たることがあるようであれば、対策されるとシンスプリントの症状軽減及び、リスク回避につながるかもしれません。
シンスプリントは、症状が軽度のうちに適切な対応していると早期の治癒もできますが、安静痛や歩行をしても痛い場合は、『疲労骨折』も疑われるので、治癒までに長時間かかってしまう事もしばしば見受けられます。
とは言え、クラブチームや学校に所属している選手は、なかなか痛くなっても打ち明けられず症状が悪化していくケースも、問診で多くお聞きしています。
すねの内側が痛む!シンスプリント後方型のメカニズム
シンスプリントといっても、痛みの出るところで発生のメカニズムが違ってきます。今回は、すねの内側が主に痛むタイプのお話です。
ランニングやジャンプ、ストップ&ゴーなどでふくらはぎの内側(ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋)の疲労による柔軟性低下し、筋肉の付着部が骨膜を引っ張って炎症を起こしてしまいます。
また、扁平足や踵の内倒れ(過回内)の下肢の歪み(下肢アライメント)の問題が高い確率で見られます。
また、股関節周辺の筋肉柔軟性が乏しく、股関節の可動域が低下しているケースも多いです。
すねの内側が痛むシンスプリントへの対策とは?
すねの内側が痛むシンスプリントの対策は、負担軽減&再発防止のための下肢歪み矯正(アライメント)、骨膜を引っ張ってしまうふくらはぎのストレッチ、炎症を抑えるアイシング、脚を使いやすくする股関節の柔軟性アップ、これらをおこなって下さい。
下肢アライメントの見方と自分で出来る歪み修正法
下肢の歪みを確認する
足のお悩みで来院される患者さんに多く見られるのが、股関節・膝・足首の運動軸のずれです。これは、『ニーイン・トゥーアウト(膝が内に倒れて、つま先が外を向く)』または『ニーアウト・トゥーイン(膝が外に倒れて、つま先が内を向く)』とも言われ、足のアライメントを指します。これらは不良アライメントで、様々な問題につながります。
実は、X脚・O脚もこのアライメント問題です。(X脚・O脚は後に記事にします)
すねの内側が痛むシンスプリントは、ニーイン・トゥーアウトのパターンを多く観ます。
下肢の歪みを自分で修正する方法
壁の角を使って行うスクワットです。このスクワットは壁の角が無いと成立しませんので、ご面倒ですが角を探してください(笑)
壁の角に背中を付け、足の外側は壁に密着させます。
その状態をキープしながら、お尻を下に落としていきます。
足の外側が壁から離れそうな手前まできたら、元の状態に戻ります。
15回を3セット。毎日行います。
スクワットの注意点!
スクワット時は前屈みにならない!
足の裏や指は、なるべく力を入れない!
足の外側は壁から離さない!
ふくらはぎのストレッチ
特にふくらはぎがかたい人は、椅子を使ったこちらのストレッチから実施してください。
①足を肩幅に開き、しっかりと足底を床につけて座る。
②7.5cm〜12.5cmの高さのモノを床に置く。
③モノの上に前足部を乗せ、かかとを床につけるように下ろす。
④ふくらはぎが軽くストレッチ感を得る状態で静止する。
⑤その姿勢を60秒保つ。次に反対側を同様に行う。
⑥この繰り返しを3セット行う。
ふくらはぎが、ややかたい方はこちらを実施してください。
①壁から30〜45cm離れて壁に向かって立つ。両手は壁に添えて支える。
②足は肩幅に開くと同時に、前後に50cm開く。
③前膝を壁に向かってやや曲げ、後ろ膝も同様に曲げる。この時、両足ともかかとは床につけたままにする。
④その姿勢を60秒間保つ。次に反対側を同時に行う。
⑤この繰り返しを3セット行う。
アイシング
競技の終了時と入浴前に、氷をビニール袋に入れたものや氷のうで足の裏とふくらはぎをアイシングします。
各場所15分冷やしてください。
冷やすことで炎症が抑えられます。
保冷剤は凍傷のリスクがありますので、お勧めしません。
股関節の柔軟性アップ
股関節の柔軟性が低下すると、脚に大きな影響を及ぼします。
①壁に背を向けて、足底を合わせて座る。
②背筋を伸ばす
③この時、膝を無理につける必要はない
④鼠蹊部にストレッチ感を感じる
⑤このストレッチを3回繰り返す
⑥ストレッチ間の休息は60秒とする
まとめ
シンスプリントはオーバーユースで起こる障害ですが、運動を中止することで回復が早まります。とは言え、運動強度を落としながら練習したい方もいらしゃるでしょうし、競技環境や選手のポジションで『痛い』と周りに言えないことも多いと伺っております。
シンスプリントで内側のすねに痛みが出ていてお困りの場合は、今回の記事を参考に実施されてください。
また、外側のすねに痛みの出る記事も書かせていただきました。
今回の内容を試しても症状が軽快しない場合は、他に原因があるかもしれません。その際は当院でも治療を承っておりますので、ご相談ください。
【監修:柔道整復師 神田博行】