臨床経験20年以上からわかったこと
腰痛や肩こり、腰椎ヘルニアや半月板損傷などの外傷、メンタル不調とたくさんの患者さんを診させていただいて、過去、色々な治療法や治療器具を使ってきました。
例を挙げますと
- オステオパシー
- カイロプラクティック
- PNF
- ストレッチポール
- 低周波治療器
- 微弱電流治療器
- レーザー
- 酸素カプセル
- マッサージ・指圧
- 推拿
- 経絡など…
これらの治療法は皮膚や筋肉に、押したり引っ張ったり・矯正したり・電流・温熱をする事で脳にその情報が伝わり、その刺激に見合った反応で筋肉の緊張が減ったり痛みが減ったりと緩解を狙っていきます。
確かに効果的ですし、現在も補助的に役立てています。
ですが、これらは症状に合わせた治療です。
これら従来の治療は対処的療法で、根本的療法ではありません。
では、根本的な方法とは?
ズバリ、私たちの中枢である脳にあります。
BASE(ベース)の理論を深める前は
筋肉や神経を調整することで、歪みが少なくなり自律神経やホルモン系に良い影響が表れて治っていく。
と思ってました。
BASE論を学ぶことで以下のように私の思考も変わりました。
- 私たちが痛みやしびれ・心の不安などの不調な時、脳は『行動を抑制』するシステムが優先して働く。
- 脳は普通の状態(可もなく不可もなく)で活性していること。良いとか悪いとかではない。
- 生物は生存を最優先に脳を働かしている。私たち現代人は本来の生存の優先より、今の社会性(文化・規律・制度)に対して脳を働かせて生きている。生存システムと現代社会に対応するシステムに大きなギャップが生じていて、脳内環境には好ましくない状況が発生している。
- 生存システムを優先していないと脳は疲弊する。
まだまだありますが、
私たちを維持していく脳内の様々な機能システムが安定的に働いている時には、あまり大きな問題は起きないのでは?
と考えが変わりました。
脳が安定的に機能することは、自律神経やホルモン系・免疫系も円滑に機能することから
・腰痛や肩こりと言った痛みやしびれ
・ホルモンバランスの乱れ
・ストレスからのメンタル不良
・自律神経系からの問題
様々な問題の解決には、まず脳なんだと改めました。
脳が安定的に機能する。それはみなさんの脳が自ら発している、生存に関わる生き延びるために必要な信号がポイントになります。この信号の一つにBASEがあります。それこそが根本的なアプローチだと考えています。
脳にアプローチとは?
脳にアプローチと言うと、怪しい感じがしませんか?実際によく言われます(笑)
BASEはカウンセリングや自己啓発などのマインドに働きかけたり、頭に妙な電極などをつけたりしません。
脳の仕事は、筋肉の制御です。BASEの陽性反応の時に現れる筋反応をテストしていきます。
実際にBASEのチェックを行っている動画がございますのでご参照ください。
BASEは解剖学・生理学・発生学・脳科学・量子学・動物行動学などが背景の『脳医学』です。
痛みやしびれなどの症状は、どこで感じてどこに表しているのでしょう?
不快な痛みやしびれは脳で感じていて身体に表現しています。
例)腰が痛い場合、腰の部分で痛みを感じる脳で感じていて炎症や筋肉のこわばりは腰に現れています。
ココロが荒んだり憂い悲しむのは、ココロとは言え心臓で感じているのではありません。脳で感じています。
痛みやしびれ、不安は結果であり原因ではありません。原因はそれらを感じている脳にあります。
脳からのアプローチがポイントになるなと感じて頂きましたでしょうか?
ちょっと難しいですよねー。
みなさん脳をお持ちですが、脳が何をしてどのように働いているのか、専門家ではないので良くわからないのは当たり前ですよね。痛みやしびれ、私たちが深いと感じる、動きやココロの不安などすべて脳が絡んできます。
少しずつで結構ですので、この後もお付き合い頂けたら嬉しいです。
BASE(ベース)とは?
Brain Alarm System Entrainment 略してBASEです
まず結論から。
BASEとは
瞬間・瞬間、この一瞬を生きるために働いている脳幹・辺縁部と創造・想像性の大脳新皮質のギャップの事で、脳幹・辺縁系『生物脳』から大脳新皮質『人間脳』へ発した注意・警告信号の事を言います。
また、BASEは動物が生き延びるためにとても価値のある重要な信号系です。
例えれば、脳の安全装置です。
安全装置が働いていれば、痛みやしびれなどネガティブな問題は生じなくていいのでは?と思いますよね。安全装置がなんで痛みや肩こり、内臓の不調やメンタル不調に関わってくるのか?
この辺をちょっとお話してみたいと思います。
まずBASEを確立させた中原先生のご紹介
BASEは札幌市にある新札幌カイロプラクティックセンター院長、中原敏憲先生が長年の臨床&研究から発見した脳内の現象です。
私も十数年間、中原先生より直接ご指導を頂いております。穏やかで懐の深さは底なし知識も底なしと尊敬出来る先生です。
BASEを知る上で知っておきたい脳の構造
大脳新皮質・辺縁系・脳幹
私たちの祖先、大昔の生物は神経の管だけでした。それがだんだんと周りの環境変化に合わせて膨らんできました。その進化で脳が出来上がっていきました。
では、発生の古い脳の順から
爬虫類時代に出来た脳で爬虫類脳とも呼ばれる。
体温温覚・感覚・冷覚・聴覚・眠気・食欲・筋力などの
様々な情報を分類して大脳皮質に伝え
覚醒・運動・感覚の制御・呼吸のリズムを形成。
生命維持に重要な場所。
哺乳類時代に出来た脳で哺乳類脳とも呼ばれる。
情動・食欲・性欲睡眠欲・意欲などと言った本能、睡眠、記憶、自律神経活動に関与。
人間脳とも呼ばれ私たち人類が持っている。
ものを考えたり決めたりする知的な働きをする。新皮質は皮質の90%をしめ高度な精神活動を行なう。
脳幹・辺縁系は生物脳とも呼ばれ、特に生命維持に大きく関わっています。
生き延びるために脳が進化してより複雑な事が出来るようになりました。
脳が三層構造になった理由
私たちの祖先は、寒さ・飢え・外敵などと戦いながら生き延びてきました。
現代を生きる私たちには考えもつかない環境だったでしょう。
その環境に生き延びるために脳が三層構造になりました。
その現代の私たちの脳も基本的には大昔の生物と同じ、生き延びることを主体とした働きをしています。
常に一定の状態を保つ ー恒常性機能ー
たとえば私たちは自分の体温を平熱36度とか37度などといっています。
しかし体温は常に平熱を維持しているのではなく、実際には常に変化をしています(これは血圧なども同じです)。
激しく運動をしたり外部から異物としての微生物(ウイルスなど)が体内に侵入したりすると、体温はすぐに上昇します。また早朝や空腹時には大きく下がります。
しかし体の状態が落ち着きを取り戻すと体温は平熱に戻ります。
これは、外の環境が変化しても、人体は生きていく上で最も安定した状態を維持しようとして常に体温を一定の状態から大きくずれないようにすべての体内器官が協力し合って働いているからです。
また、手足に傷を負ったときには、すぐ傷をふさぎ、回復に向かおうとします。
すべての生命体が持っているこのような安定した状態を保つ能力を、恒常性機能(ホメオスタシス)と呼んでいます。
恒常性機能を維持するためには、いろいろな情報が必要です。脳はその情報を処理したり判断したりすることが生き延びるためにはとても重要なことです。
生き延びるためには ー生存の目的ー
突然ですが、生き延びるためには何が必要でしょうか?
現代社会では、栄養価のアルとかナイは別にしてどこでも買ってきて食べることが出来ますよね。
私たちの祖先は常に危険と隣り合わせで行動することでエサの確保をしてきました。また、自然界の生物はいつでも襲われる危険から逃れられるように、恒常性機能を維持して周りを警戒する神経を働かせて生き延びてきました。
捕食は行動することで成り立ちます。身の安全の確保に危険回避が必要です。そこで警戒することは必須です。
続きは後日アップします!お楽しみに!