こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。「ウォーキング中にだんだん腰が痛くなる」ことでお困りではありませんか?
秋は空気が澄んで歩きやすい季節。健康づくりや気分転換に、鳥屋野潟沿いをゆっくり歩く方も多いですね。けれど、最初は快調でも20〜30分あたりから腰が重くなる、帰り道で姿勢が丸くなる——60代女性の方から、こんなご相談をよくいただきます。
今日は、姿勢とフォーム、生活リズムまで含めて「痛みを悪化させずに歩き続ける」視点をお伝えします。
2) 原因とメカニズム——なぜ「歩くほど腰が痛くなる」のか
① フォームの小さな乱れが、歩数とともに大きな負担に
- 歩幅が大きすぎる(オーバーストライド)
- 骨盤が後ろに傾いたまま(反り腰または猫背)
- 腕振りが小さく、上半身が前へ倒れ気味
こうしたフォームの癖は1歩では軽微でも、数千歩の積み重ねで腰背部に張力が集中します。腰痛の対策では、姿勢・筋力・柔軟性を整えつつ活動を続ける考え方が推奨されています。
② 「体の歪み」と荷重の偏り
利き手・利き足の癖、長年の家事動作で左右の使い方に差が生まれると、骨盤〜胸郭〜肩の連動が崩れ、歩行中の体重移動がぎこちなくなります。結果として、腰部の同じ筋・筋膜に負担が偏り、距離が伸びるほど痛みが出やすい状態になります。普段からの軽い筋力トレーニングやストレッチは再発予防に役立つとされています。
③ 年代に合わせた「量と休み方」
「歩けば歩くほど良い」わけではありません。運動はやり過ぎると痛みの原因にもなり得るため、体力・痛みの状態に合わせて量と強度を調整することが大切です。
一方で、座りっぱなしを減らし、歩行などの身体活動を日常に取り入れることは、健康づくりの観点から推奨されています。高齢者では**“歩行(3メッツ以上)を1日40分以上”**が目安として示されています(体調に合わせて段階的に)。
※強い痛み、夜間痛、発熱、体重減少、足のしびれ・力が入らない、排尿排便の異常、転倒後の痛みなどがあれば、整形外科での評価をおすすめします(「レッドフラッグ」)。
放置リスクと誤解の解消
- 放置リスク:痛みを我慢して歩き続ける→かばう動作(代償)→フォームが崩れて別の部位に負担→痛みが慢性化。早めにフォーム調整+距離の管理を行いましょう。
- 誤解①「骨盤を一度で“リセット”すれば治る」 → からだは全身で連動します。姿勢の調整は役立ちますが、歩幅・腕振り・足圧の使い方などフォーム練習と併せてこそ持続します。
- 誤解②「痛い日は完全安静」 → 腰痛ガイドラインは、過度な安静ではなく活動の維持と段階的な運動を勧めています。痛みが増さない範囲で続ける工夫が大切です。
自分でできる対処法
※強い痛み・広がる痛み・しびれ等があれば無理せず受診を。
① 歩く前の3分ウォームアップ(呼吸→股関節→腕振り)
- 目的:骨盤を立て、上半身と下半身の連動を作ってから歩き出す。
- 手順:
- 呼吸:鼻から3秒吸って口から6秒吐く×5呼吸。みぞおち周りがふくらみ、吐く時に細く長く(背中が楽になります)。
- 股関節ならし:壁に手を当て、片脚をゆっくり前後各10回(腰は反らさない)。
- 腕振りリハーサル:肘を後ろへ引く意識で、左右各15回。
- 注意点:反動はつけない。息を止めない。
- 所要時間:約3分。 (呼吸で緊張を下げ、姿勢とフォームを整える考えは、理学療法の実践でも推奨されています)
② 「歩幅ひとつ分だけ短く」フォーム調整
- 目的:腰への衝撃を減らし、歩数が増えても姿勢が崩れにくくする。
- 手順:
- 最初の10分は会話できる速さで、歩幅はいつもより足ひとつ分短く。
- 骨盤はわずかに前へ、背すじは“長く”。視線は15m先。
- 腕は後ろに引く意識で自然に振る(肩はすくめない)。
- 注意点:痛みが出る前に1〜2分の小休止を入れる。路面の段差・傾斜に注意。
- 所要時間:歩行中、随時意識。 (歩行中の姿勢・腕振り・スピード管理の基本)
③ 終わった後の「ほどきケア」
- 目的:張りを翌日に残さない。
- 手順:
- ふくらはぎ・もも前を壁押しストレッチ各20〜30秒×2(反動なし)。
- 椅子に浅く座り、片膝を抱えて背中を丸め過ぎない範囲でお尻〜腰まわりを20秒×2。
- その後5〜10分のゆっくり歩き(クールダウン)。
- 注意点:鋭い痛みが出る角度は避ける。入浴はぬるめで10分を目安に。
- 所要時間:10〜15分。 (運動後は急に止めず、クールダウンとストレッチで整えるのが基本です)
時間帯別のコツ
・朝:①を軽めに。最初の10分は短い歩幅で体を慣らす。
・日中:買い物や家事でも「腕は後ろに引く」を思い出す。
・就寝前:呼吸5呼吸+軽いストレッチで翌朝のこわばりを予防。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのくらい歩けばいい?
A. 体調に応じて段階的に。高齢者の目安として歩行(3メッツ以上)を1日40分以上が示されていますが、はじめは10〜15分×2回など分割を。座りっぱなしを減らすことも大切です。
Q2. 痛みが出たら中止すべき?
A. 強い痛みやしびれがなければ、痛みが増えない範囲でスピード・歩幅を落として継続→短い休憩→再開が基本。完全安静のみは推奨されません。
Q. どんな施術が向く?
A. 当院では、姿勢・体の歪み・歩行フォームをまとめて評価し、神経の反射を活用したやさしい施術と、家で続けられる運動を組み合わせます。強い刺激や“バキバキ”矯正は行いません。
6) まとめ
- 痛みの原因は、フォームの癖・姿勢の崩れ・体の歪みが「歩数の積み重ね」で大きくなること。
- 歩く前の3分準備/歩幅をひとつ分短く/終わった後のほどきケアで、痛みの波を小さくできます。
- 無理をせず、活動は維持しながら段階的に。迷ったら一度ご相談ください。
お困りの方は 【電話】025-211-9541 または 【LINE公式】https://page.line.me/jeo9591r へ。インターネット予約も承ります:https://base-first.com/reservation/「まずは相談だけでもOK」です。お気軽にどうぞ。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- 日本整形外科学会『腰痛|症状・病気をしらべる』https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html
- 日本医療機能評価機構 Minds『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』要約/本文PDF https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00498/ / https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00498.pdf
- 厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨事項一覧』https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf
- 厚生労働省 体力つくり支援センター『標準的な運動プログラム(腰痛)』https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/policy/p-003.html
- 厚労省 e-ヘルスネット『運動プログラム作成の原理原則』https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-001.html
- (フォームの実践ポイント)大和会・理学療法士によるウォーキングアドバイス https://www.yamatokai.or.jp/public/dayori/local/walking_advice.htm


