こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。背中の痛みでお困りではありませんか?
仕込みからランチ・ディナーまで休みなく動き続け、コンロ前で前かがみになり、重い寸胴やフライパンを繰り返し持ち上げる
——コックというお仕事は、姿勢が崩れやすく、上背部〜腰背部に負担が集中しやすい環境です。忙しい時間帯は交感神経が高ぶり、無意識に肩や背中が硬くなることも。
今日は、仕事を止めずに現場で整える視点でお話しします。
2) 原因とメカニズム——「背中の痛み」が起きるわけ
1. 姿勢×反復動作×持ち上げの三重負荷
調理台が低い/コンロに手を伸ばす距離が長いと、胸椎が丸まりやすく、肩甲骨が外側に開いて上背部の筋群に持続的な緊張がかかります。さらに重い鍋や食材の反復持ち上げ、長時間の立位固定が重なると、筋・筋膜の疲労と関節周囲のストレスが蓄積し、背中の痛みが出やすくなります。立ち作業では足台の活用や作業台の高さ調整、連続立位の回避が推奨されます。
2. 「体の歪み」と荷重偏位
片側で道具を扱う癖や、利き腕主導の盛り付けなどは左右差を生みます。体の歪み(使い方の偏り)は、胸椎・肋骨・肩甲帯の協調を乱し、同じ部位ばかりに負担がかかる原因に。まずは左右差を自覚し、作業姿勢と休憩中のストレッチでリセットする発想が大切です。肩甲帯や背中周りをほぐす簡便な運動は、病院リハビリでも紹介されています。
3. 自律神経の影響
忙しい時間帯は交感神経優位となり、筋緊張や痛みの感じ方に影響します。休憩時の呼吸調整や短い歩行で血流を回し、緊張を下げることが、痛みの波を小さくします。日常の身体活動や筋力トレーニングを適度に取り入れることも推奨されています。
※強い痛みが続く/夜間痛・発熱・体重減少、手足のしびれ・力が入りにくい、転倒後の痛み、排尿排便の異常などはレッドフラッグです。早めに整形外科等で評価を受けましょう。
3) 放置リスクと誤解の解消
- 放置リスク:痛みを我慢して働き続ける→かばう動作(代償)→別部位へ負担集中→慢性化の悪循環。活動を完全に止めるのではなく、作業環境の調整+小休止+運動で“負担のかけ方”を変えることが肝心です。
- 誤解①「骨盤を一度で“リセット”すれば治る」 → からだは全体で連動します。姿勢調整は有効ですが、作業台や足台の環境調整、肩甲帯〜胸椎の運動と併用してこそ持続します。
- 誤解②「痛いなら安静あるのみ」 → ガイドラインは、過度な安静より日常活動を維持しつつ段階的に運動再開を勧めています。
自分でできる対処法
※痛みが強い・広がる・しびれや発熱を伴う等は無理をせず病院へ受診を。
① 足台を使った“交互スタンス”+小休止ルール
- 目的:腰背部への持続負荷を減らし、背中の張りを予防。
- 手順:
- 片足を**足台(5–10cm)**に乗せ、骨盤をわずかに立てる。
- 5〜10分ごとに左右を入れ替える。
- 45〜60分に一度、60〜90秒の小休止で肩甲骨回し10回+胸を開く深呼吸5回。
- 注意点:足台がなければ、低めの段差や厚いまな板で代用。忙しい時間帯でも入れ替えだけは続ける。
- 所要時間目安:入れ替えは都度10秒、小休止は60〜90秒。 (立ち作業で足台・連続立位回避が推奨)
② 肩甲帯リセット(壁ささえストレッチ)
- 目的:肩甲骨の外開き・前傾を戻し、上背部の筋緊張を緩める。
- 手順:
- 壁に片手をつき、胸をやさしく前へ出して胸〜背中をのばす(20〜30秒)。
- 反対側も同様に。
- 肩甲骨を大きく10回回す(前回し→後回し)。
- 注意点:反動をつけない/痛みの鋭い角度は避ける。
- 所要時間目安:片側30秒×2+回旋1分=約3分。 (リハビリ部門が紹介する肩・背中の基本運動)
③ 呼吸で“交感神経ブレーキ”+歩行で血流アップ
- 目的:自律神経の緊張を下げ、硬さをほどく。
- 手順:
- 立位または座位で鼻から3秒吸い、口から6〜7秒で細く長く吐く×5呼吸。
- できるタイミングで2〜3分の歩行(店内の移動でも可)。
- 就寝前は湯船に10分浸かり、背中全体を温める。
- 注意点:めまいが出たら中止。無理に深く吸い過ぎない。
- 所要時間目安:3〜5分。 (日常の身体活動・入浴や休養の重要性が示されます)
時間帯別のコツ
・朝:肩甲帯リセット②を軽めに1セット/呼吸①を5呼吸。
・日中:①の交互スタンスと小休止を“タイマー”代わりに習慣化。
・就寝前:③で呼吸+入浴、スマホは短時間に。
よくある質問(FAQ)
Q1. 費用の目安は?
A. 当院は自費施術です。初回9,800円/2回目以降7,000円が目安です(評価・施術内容により前後)。まずは相談だけでも大丈夫です。
Q. 仕事は休んだ方がいい?
A. 完全安静のみは推奨されません。痛みが強くならない範囲で作業を続けつつ、足台・小休止・軽い運動で負担を調整しましょう。
まとめ
- コックの立ち作業・前かがみ・反復持ち上げは、背中の痛みを招きやすい環境。まずは**作業環境の調整(足台・高さ・小休止)**を。
- 姿勢と体の歪みを整えつつ、肩甲帯〜胸椎のストレッチと呼吸で交感神経の緊張を下げる。
- 過度な安静は避け、活動維持×段階的な運動で仕事と両立する道を探しましょう。
無理のない工夫を一つずつ積み重ねれば、背中はきちんと変わっていきます。現場のリズムを尊重しながら、続けられる形で伴走します。
お困りの方は 【電話】025-211-9541 または 【LINE公式】https://page.line.me/jeo9591r へ。インターネット予約も承ります。「まずは相談だけでもOK」です。お気軽にどうぞ。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
(鑑別の一例)日本整形外科学会『胸椎椎間板ヘルニア』/『脊椎椎体骨折』.
厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針(立ち作業・足台・作業台高さ等)』PDF(別添).
厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針および解説』PDF(立位の連続回避・小休止など).
厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(座りっぱなし回避・筋トレ週2〜3回など)』PDF.
日本整形外科学会『腰痛(受診の目安と活動維持の考え方)』.
東北大学医療系〈LIFE〉『首や肩をほぐす運動(肩甲帯・背中の基本運動)』.


