こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。「腰痛でお困りではありませんか?」
とくに秋から冬・季節の変わり目は、朝の冷え込みや一日の気温差(自律神経・気温差・低温)で腰のこわばりを訴える方が増えます。50代女性の患者さんからは、
- 朝、起き上がる一歩目で腰が固まる/洗面台で前かがみがつらい。
- 買い物帰りや洗濯物を干すときに、姿勢が前に寄って痛みがぶり返す。
今日は、季節要因とからだの使い方の観点から、冬の腰痛をやさしく整理し、道具いらずでできるセルフケアをご紹介します。
原因とメカニズム(秋から冬・季節の変わり目に起こること)
1)気温差と自律神経(交感神経)
寒さや一日の気温差は体温を守るために自律神経が働き、末梢血管を収縮させたり筋がこわばったりします。これ自体は正常な反応ですが、続くと腰周りの筋・筋膜が硬くなり、動き始めの痛みや張り感につながります。就寝直前の強い運動は交感神経を高めて寝つきを悪くするため、夕方〜就寝2〜4時間前までの軽い運動や、入浴でからだを“いったん温めてからゆるむ”リズムづくりが有効です。
2)活動量の低下と「固まる腰」
寒い季節は外出や家事の動きが減り、同一姿勢が増えます。長時間座りっぱなしは腰部の支持筋の持久力低下を招き、動き出しの痛みを強めがち。ガイドラインでも過度な安静より日常活動の維持が回復・予防に有利とされます。
3)体の使い方の偏り(体の歪み)と姿勢
猫背・反り腰など姿勢のクセ、股関節や胸郭の動きの硬さは、腰に負担を集中させます。体の歪みは「左右や前後の使い過ぎ/使わな過ぎ」の結果として現れ、家事・デスクワーク・中腰作業が重なる50代女性では、特に影響が出やすい傾向があります。適切なストレッチと「股関節から曲がる」動作学習が鍵です。(動作・運動療法の考え方は公的資料でも推奨)
放置リスクとよくある誤解の解消
放置リスクは、「痛む→動かない→筋持久力が落ちる→さらに痛みやすい」の悪循環。季節要因に生活動作のクセが重なると慢性化を招きます。ガイドラインは、**危険なサイン(発熱、夜間痛の悪化、脚のしびれ・脱力、排尿排便の異常など)**がある場合は医療機関受診を勧めています。
よくある誤解
- 「骨盤を一度で“リセット”すればOK」→ からだは連動して動きます。股関節・胸郭・足部も一緒に整える視点が必要です。
- 「強いもみほぐしが近道」→ 過度な刺激は防御反応を強め、こわばりを助長することがあります。
- 「完全安静が正解」→ 急性期を過ぎたら痛みを悪化させない範囲で活動を維持・再開する方が回復に有利です。
自分でできる対処法(道具いらず・時間帯別)
以下は目的→手順→注意点→所要時間の順でご紹介します。痛みが強い日は回数を減らし、徐々に増やしましょう。
① 朝:呼吸+骨盤ゆらしで「動き出し」を軽く
目的:就寝中に高まったこわばりをやさしく解く/前かがみの一歩目を軽くする。
手順:
- 仰向けで膝を立て、片手を胸・片手をお腹。鼻吸って口から長く吐くを5呼吸。
- 骨盤を小さく前後に“ゆらす”(腰をそらし過ぎない)。10往復。
- 横向きで起き上がり、股関節から浅くおじぎを数回。 注意点:呼吸を止めない/痛い角度は避ける。 所要時間:2〜3分。
② 日中:30〜45分ごとの「こまめ立ち+股関節ヒンジ」
目的:同一姿勢を断ち、血流と滑走を回復。姿勢の偏りを整える。
手順:
- タイマーをセットし、30〜45分ごとに立つ。
- つま先正面・足幅こぶし2個分で立ち、お尻を後ろに引きながら股関節からおじぎ(手は太もも)。5回。
- 胸を軽く開き、肩回しを5回。 注意点:腰で曲げず股関節から。痛みが出る深さは避ける。 所要時間:1〜2分/回。 ※ 運動は定期的な継続が大切。無理のない量から始め、少しずつ増やします。
③ 就寝前:入浴+横向き抱えストレッチで“脱・交感神経モード”
目的:からだを温めて緩め、睡眠の質を整える。
手順:
- 40℃の湯に10〜15分(就寝1〜2時間前)。
- ベッドで横向き、上側の膝を軽く抱えて20〜30秒呼吸を続ける。左右1〜2セット。
- 仰向けで全身をゆっくり伸びる。 注意点:就寝直前の強い運動は避ける/のぼせ注意。既往症のある方は医師指導に従う。 所要時間:入浴含め15〜25分。
よくある質問(FAQ)
費用の目安は?
A. 当院は自費施術です。初回9,800円、2回目以降7,000円が目安です(評価内容や所要時間により変わることがあります)。無理なコース提案は行いません。
どんな人に向いていますか?
A. 「朝の一歩目がつらい」「長く座ると固まる」「家事で前かがみが多い」など、姿勢と体の歪みに不安がある方、強い刺激が苦手な方に向いています。神経の反射を用いたやさしい施術と、生活に合わせた動作・ストレッチの提案を大切にしています。
受診が必要な目安は?
A. 発熱、夜間痛の増悪、脚のしびれ・脱力、排尿排便の異常などのレッドフラッグがあれば整形外科へ。自己判断で我慢せず、まずはご相談ください。
まとめ
- 秋から冬・季節の変わり目は、自律神経の働きと活動量低下が重なり、腰のこわばりが出やすい季節です。
- 過度な安静より日常活動の維持+小さな習慣(朝の呼吸、こまめ立ち、入浴と軽いストレッチ)が有効です。
- 痛み方や生活は人それぞれ。無理なく続けられる一歩を一緒に見つけていきましょう。
※「まずは相談だけでもOK」です。お気軽にご相談ください。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- 日本整形外科学会『腰痛|症状・病気をしらべる』. https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html
- 日本整形外科学会/日本腰痛学会『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』. https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00498.pdf
- 厚生労働省 e-ヘルスネット『腰痛の人を対象にした運動プログラム』. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/policy/p-003.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット『快眠と生活習慣/眠りのメカニズム』. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html / https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-002.html
(本記事は一般的な情報提供です。治療の効果を断定せず、個別の診断・治療は専門家の評価に基づきます。)


