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腰痛の「赤信号」を見逃さない――ガイドラインが示す9つのレッドフラッグと受診の目安【新潟市】

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。

「デスクから立ち上がるたびにズキン」

「重い物を持った翌日から、腰が抜けそう」

「腰痛のせいで、楽しみにしていたゴルフも諦めた」

――20代から60代まで、仕事や家事に追われる毎日。多くの方が、こうした**“つらい腰痛”**に悩まされています。日常生活に支障が出たり、思うように体を動かせなかったり……本当につらいですよね。

でも、その腰の痛み、本当に“いつもの腰痛”で済ませていいのでしょうか?

日本整形外科学会・日本腰痛学会の**『腰痛診療ガイドライン2019』**では、放置すると命に関わることもある“レッドフラッグ(危険信号)”として、注意すべき9つのサインを示しています。

この記事では、その内容をできるだけわかりやすく解説し、

**「病院で精密検査を受けたほうがいいタイミング」**と

**「レッドフラッグに当てはまらない腰痛で、当院がお役に立てる範囲」**を整理してお伝えします。

目次

ガイドラインが示す「腰痛のレッドフラッグ」とは?

腰痛の原因のほとんどは、いわゆる「筋肉や関節の疲労や使いすぎ」による非特異的腰痛ですが、まれに重大な病気が隠れている場合があります。

日本整形外科学会・日本腰痛学会の**『腰痛診療ガイドライン2019』では、そうした「見逃してはいけない腰痛のサイン(=レッドフラッグ**)」を9項目にまとめています。

このレッドフラッグに1つでも当てはまる場合は、速やかに整形外科や内科などの専門医に相談し、必要な検査を受けることが推奨されています。

1.発症年齢が20歳未満または55歳を超えている

若すぎる、または年齢が高すぎる時期に腰痛が始まった場合は、注意が必要です。

・20歳未満では、先天的な背骨の異常や感染症

・55歳以上では、骨粗しょう症による骨折や、がんの転移、大動脈瘤などが考えられます。

「こんな年齢で腰が痛むなんて…」と感じたときは、早めの医療機関受診を。


2.夜中でも痛みが続く/安静にしても楽にならない

通常の腰痛は、姿勢を変えたり安静にすると痛みが軽くなります。

ところが、夜中に目が覚めるほど痛い、動いてもじっとしていても痛みが変わらないという場合は、

・背骨の感染症(化膿性脊椎炎)

・がんの骨転移

・大動脈瘤など、重大な病気のサインである可能性があります。


3.胸の痛みも同時にある

「腰が痛いけど、胸や背中の中央もズキズキする」――これは特に注意が必要です。

背骨の圧迫骨折や、がんの転移、大動脈の病気(大動脈解離など)が疑われるケースです。

胸の痛みと腰痛が同時に起きたら、早急に医師へ相談しましょう。


4.がんの既往歴がある/ステロイドを長期間使っている/HIVに感染している

これらに当てはまる方は、腰痛に注意が必要です。

・過去にがんを患っていた場合は、背骨への転移が起こることがあります。

・ステロイド薬の長期使用は、骨が弱くなり骨折しやすくなります。

・HIVや免疫抑制の状態では、感染による腰の痛みが出ることもあります。


5.明らかな栄養不良がある

たとえば、食欲が落ちて体重が減っていたり、持病などで極端に痩せている場合もリスクになります。

体が弱っていると、背骨に細菌が感染してしまう脊椎炎などの重い病気が起きやすくなります。


6.理由のわからない体重減少がある

ここ数週間〜1か月の間に、ダイエットをしていないのに体重がどんどん減っているという場合(1ヶ月で5%以上)

がんなどの重大な病気が背後に隠れている可能性があります。腰痛と同時に起きているなら要注意です。


7.脚のしびれや力が入りにくいなど、神経の症状が広範囲に出ている

・両脚が同時にしびれる

・お尻の感覚が鈍い

・排尿や排便がしづらくなった(あるいは漏れる)

などの症状がある場合は、脊髄や馬尾神経が圧迫されている緊急性の高い状態かもしれません。

これは、時間を争う神経障害です。すぐに病院で検査を受けましょう。


8.背骨が曲がっていて、動かしても戻らない(構築性変形)

普通の猫背や姿勢の崩れとは違い、前かがみや側弯(体の左右の傾き)が動いても改善しない場合、

・背骨の骨折(圧迫骨折)

・腫瘍や感染で骨が壊れている可能性があります。


9.38度以上の発熱がある

「腰痛と発熱」がセットになっている場合は、

・背骨の感染(化膿性脊椎炎)

・腎臓や尿管の炎症(腎盂腎炎など)

などが疑われます。風邪や胃腸炎のように思えても、腰の痛みが強いときは要注意です。

レッドフラッグで専門医へ転医した事例

実際、当院でも専門医へ転医していただいたケースがあります。

○50代男性が「右腰が急に強く痛む」と来院されました。
問診で動作痛よりじっとしていても疝痛が波のように襲う点、叩打痛(トントンと刺激を入れる検査)が腰椎ではなく脇腹寄りに強い点が通常の筋・関節由来腰痛と異なると判断し、患者さんのかかりつけクリニックへ紹介状を発行し、すぐ行っていただきました。

当日CTで尿管結石が判明し、速やかに適切な治療を受けられました。

○70代男性が「脚の痺れと腰に力が入らない」と来院されました。
問診時に神経の反射異常が見られ、伺った症状から通常の腰痛ではないと判断し、当院から整形外科へ紹介させていただきました。

検査の結果、脊髄に腫瘍が見つかり、手術を受けられました。

教訓: レッドフラッグや“いつもと違う痛み”を見分ける初期スクリーニングが、早期治療の鍵になります。

まとめ

1つでも当てはまるなら、すぐに病院へ

腰痛はたかが腰痛、と軽く見られがちですが、重大な病気の初期サインであることもあります。レッドフラッグ(赤信号)に当てはまるものが1つでもあれば、できるだけ早く整形外科や内科などの専門医へ相談してください。

逆に、これらの危険信号に当てはまらない場合は、当院でもお力になれる可能性があります。腰痛でお困りならご相談いただけたら幸いです。

参考・引用文献

  1. 日本整形外科学会・日本腰痛学会『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』
  2. 大鳥 精司ほか「内科医が知っておくべき整形外科疾患(腰痛)」日本内科学会雑誌 110(12):2515-2523, 2021 

【監修:柔道整復師 神田博行】

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かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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