こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
「最近、気分が落ち込みがち」「体のあちこちが痛んで、やる気が出ない」「便秘や軟便が続く」——こんなお悩みはありませんか。
スポーツ選手に限らず、仕事や家事の忙しさで休む間もなく頑張り続ける方にも、同じような不調が現れることがあります。秋から年末にかけては目標や締め切りが重なり、知らず知らず**“オーバーワーク”**になりやすい季節でもあります。
実は、休んでも回復しにくい疲れや体の痛み、気分の落ち込み、睡眠・消化の乱れが ひとつの糸でつながっている状態 を「オーバートレーニング症候群」と呼ぶことがあります。
ここでは、スポーツだけでなく過剰な仕事でも起こり得る仕組みを、やさしい言葉で整理し、今日からできる対策までお伝えします。
原因とメカニズム
からだとこころの“同時疲労”が起きる流れ
長く強い負荷が続くと、からだは「戦う(動く)モード」を保つために交感神経が優位になり、同時にストレス応答の**HPA軸(視床下部‐下垂体‐副腎)**が働き続けます。すると、
- 心拍や血圧が上がりやすい、眠りが浅い、筋肉がこわばる
- ストレスホルモンの影響で免疫の働きが落ちやすい(風邪をひきやすい)
- 胃腸の動きが乱れ、便秘や軟便が続く …といった変化が同時に起こりやすくなります。
痛み・姿勢・体の歪みとの関係
交感神経優位が続くと、背中〜腰まわりの筋膜がこわばり、姿勢が固まって体の歪みが定着しやすくなります。さらに睡眠不足や栄養不足が重なると、筋肉・腱・関節の微細な回復が追いつかず、「軽い動きでも痛い」「朝から重い」と感じやすくなります。
スポーツだけじゃない、“過剰な仕事”でも起こる
「オーバートレーニング」という言葉から運動だけを連想しがちですが、実際には長時間労働・強いプレッシャー・休養不足が続く職場環境でも、同じ神経・ホルモンの流れが起こり得ます。真面目で責任感の強い方ほど、気づかぬうちに限界を超えてしまうのが特徴です。
放置リスクと誤解の解消
- 誤解①:気合で続ければそのうち慣れる → 一時的に乗り切れても、神経・ホルモン・免疫の“燃費”は悪化します。風邪をひきやすい、回復が遅い、気分が沈みやすい…といった形で帳尻合わせが来やすくなります。
- 誤解②:1回の整体や矯正で“骨盤がリセット”できれば解決 → 姿勢や体の歪みは、睡眠・栄養・働き方を含む生活全体の反映です。単発のケアだけでは戻りやすく、休養設計×動作の見直しを併せることが現実的です。
- 誤解③:サプリだけで解決する → 栄養は大切ですが、休養不足と過負荷の継続をそのままにしては効果が十分に生きません。まず“引き算”と“配分の再設計”が先です。
※ 次のようなレッドフラッグがある場合は、医療機関の評価を優先してください:発熱・夜間に増す強い痛み、原因不明の体重減少、下肢の著しい筋力低下や広範なしびれ、排尿排便障害、胸痛や息切れ、うつが強く「死にたい」などの思いが出るとき。
自分でできる対処法
①「休養の設計」を先に動かす(週単位のリズムづくり)
目的:交感神経優位をしずめ、回復の土台(睡眠・消化・免疫)を整える。
手順:
- 起床・就寝の固定:就寝・起床時刻をまず“同じ”に。スマホは就寝1時間前に遠ざけ、部屋は暗めに。
- 光と体温のリズム:朝はカーテンを開けて光を浴び、白湯を1杯。夕食は就寝3時間前まで、入浴は就寝90分前のぬるめ。
- 仕事・運動の“波”を作る:高負荷日は週2回まで、翌日は意図的に軽めに。 注意点:急に完璧を目指さない。まずは「起きる時刻」と「入浴タイミング」だけ固定する。 所要時間:各行為は日常の置き換えでOK、準備5分以内。
②「呼吸×関節の目覚まし」でこわばりを解く(朝・日中)
目的:背面の過緊張をほどき、姿勢と体の歪みをリセットしやすくする。
手順:
- 椅子に浅く座り、鼻4秒吸って口6秒吐くを5呼吸。みぞおちを軽く前へ。
- 立位で骨盤を小さく前後10回、左右にゆらゆら10回。
- 壁に手を添え、片脚ずつ股関節を外回し・内回し各10回。 注意点:反動をつけない、痛みが出る方向へ無理をしない。 所要時間:3〜5分。
③ 胃腸の“揺れ”を整える(就寝前・食後の小ルーティン)
目的:交感神経優位で乱れた便秘・軟便を落ち着かせる。
手順:
- 就寝前にコップ1杯の常温水。
- 食後は腹式呼吸30〜60秒+座位で体幹ひねり各15秒。
- 夕食にはたんぱく質+発酵食品+食物繊維(納豆・味噌汁・野菜・海藻など)を意識。 注意点:刺激物・カフェインの遅い時間帯の摂り過ぎは控える。 所要時間:各1〜2分、食事はいつもの献立に足すだけでOK。
よくある質問
Q. どのくらいの頻度で通えばよいですか?
A. 強い不調が続く時期は週1回×2〜4週で土台(睡眠・自律神経・姿勢)を整え、その後は2〜3週に1回でメンテナンスと再発予防のセルフケア調整を行います(個人差があります)。
Q. 費用の目安は?
A. 当院は自費です。初回9,800円、2回目以降7,000円。評価・説明・施術・セルフケア指導を一連で行います。
Q. どんな人に向いていますか?
A. 「無理なく働き続けたい」「運動も仕事も両立したい」方。強い矯正や“バキバキ”が苦手な方にも合う、やさしい施術です。
Q. 当院では何をするの?
A. 神経の反射を活用したやさしい施術で、背中〜骨盤帯の過緊張をほどき、呼吸×姿勢×動きをそろえます。日常で続けられる短いセルフケアを一緒に作り、スポーツだけではなく過剰な仕事で崩れたバランスの立て直しを支えます。
6) まとめ
- 気分の落ち込み・体の痛み・やる気の低下・便通の乱れが同時に続くときは、**オーバートレーニング症候群(オーバーワーク)**の流れを疑いましょう。
- **交感神経のしずめ方(睡眠・光・入浴)×姿勢と体の歪みのリセット(呼吸・関節の目覚まし)**が回復の土台です。
- 単発の矯正ではなく、休養設計と生活の再配分を一緒に整えることが再発予防の近道です。
無理をし続けてきたご自身に、まずは小さな“休む許可”を。できることから一緒に整えていきましょう。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献(国内・海外の信頼できる情報)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(ストレス・睡眠・過労と健康)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- 日本医療機能評価機構 Minds「腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)」https://minds.jcqhc.or.jp/
- MSDマニュアル(日本語版)「オーバートレーニング/過用障害」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
- 日本スポーツ振興センター・国立スポーツ科学センター(JISS)情報ページ https://www.jpnsport.go.jp/jiss/
- ECSS/ACSM合同コンセンサス(Meeusenら, Overtraining Syndrome)PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
- 英国NICE:慢性痛・機能回復に関する指針(関連)https://www.nice.org.uk/

