こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
「最近、エナジードリンクを飲まないとやる気が出ない」「午後になると頭がぼんやりして、ついもう1本」——そんなお悩みはありませんか。忙しい毎日を支える“相棒”のはずが、気づけば手放せなくなっている。夜は寝つきが悪く、翌朝もだるいのでまた1本……。この悪循環、からだ(自律神経)からのサインを見過ごしているのかもしれません。
本記事では、エナジードリンクに多く含まれるカフェインと自律神経の関係、睡眠や頭痛への影響、そして「やる気を飲料に頼らない」ための現実的な整え方を、からだの使い方・姿勢・体の歪みの視点も交えてわかりやすくお伝えします。
原因とメカニズム
「やる気が出る」の正体——カフェインと自律神経
カフェインは、脳内でアデノシン受容体をブロックし、一時的に眠気を感じにくくして注意力や覚醒度を高めます。適量であれば注意力の維持に寄与することが報告されています。
一方、夕方〜夜の摂取は睡眠の質を下げやすいことが知られており、就床5〜6時間前以降のカフェインは控えるといった睡眠衛生の指針があります。夜間の眠りが浅くなると翌日の日中の眠気が増し、再びカフェインに頼る——という循環が起こり得ます。
「やめると頭が痛い」——離脱による不調
常用が続くと、カフェインを急に減らした時に頭痛・だるさ・集中しにくさなどの離脱症状が出ることがあります。これは珍しいことではなく、頭痛の一因として医療情報サイトでも触れられています。
摂取量の考え方
健常な成人では、1日あたり総量400mg程度までは一般的に健康影響の懸念は少ないという公的見解があります(国や機関で表現は異なります)。ただし体格・体質・薬との相互作用・妊娠授乳などで許容量は変わります。表示を確認し、合計量で管理しましょう。
姿勢・体の歪みと交感神経
長時間の座位や前かがみ姿勢が続くと、胸郭や呼吸筋がこわばり、交感神経が優位になりやすくなります。交感神経の高ぶりは「疲れているのに休みにくい」状態を招き、眠りの浅さ→日中のだるさ→カフェインで持ち上げる……という流れを助長します。飲料だけでなく、**からだの使い方(姿勢・体の歪み)**も整えることが、結局“やる気”の土台づくりになります。
放置リスクとよくある誤解の解消
- 「カフェインは悪者」ではありません。 適量・適時なら集中の助けになります。ただし“眠気の借金”を先送りにする側面があるため、睡眠不足の補填に常時使うと、睡眠の質低下や日内リズムの乱れを招きやすくなります。
- 「1本のカフェイン量は大差ない」わけではありません。 製品により含有量はかなり違います。コーヒー・緑茶・清涼飲料・サプリなど総量で考えましょう。
- 「寝る前に飲まなければ大丈夫」も誤解です。 個人差はありますが、夕方の摂取でも眠りに影響し得ます。
自分でできる対処法(道具いらず・今日から)
A. 2週間の“リズム再起動”——カフェインの量と時刻を整える
目的: 眠気の土台(サーカディアンリズム)を立て直し、頼りすぎを断つ。
手順:
- 朝の1杯(起床後60〜90分)を“メイン”にし、昼は必要時のみ。
- 15時以降はノンカフェイン(麦茶・白湯)に切替え。
- 1日総量は上限を自分で決めて可視化(例:○mgまで)。アプリや手帳に記録。 注意点: いきなりゼロにすると離脱頭痛が出ることがあります。まず時刻を整え、総量は段階的に減らすのがコツ。 所要時間目安: 2週間で多くの方に体感の変化が出やすい印象です(個人差あり)。
B. 姿勢と呼吸で“交感神経ブレーキ”
目的: 胸郭のこわばりをゆるめ、浅い呼吸→緊張のループを断つ。
手順:
- 椅子に浅めに座り、坐骨で座面を感じる。
- みぞおちを軽く引き上げ、鼻から4秒吸って6秒吐くを3分。
- 吐く息で肩甲骨が下がるのを感じ、首〜背中の力みを手放す。 注意点: めまい・息苦しさがあれば中止。痛みをがまんしない。 所要時間目安: 3分×1〜3セット/日。 呼吸が整うと、交感神経の過緊張がゆるみ、夜の寝つきも助けます。
C. 「眠気の主因」をカフェイン以外で満たす
目的: 眠気の根本(睡眠不足・光の不足・脱水・低血糖)に対処。
手順:
- 朝の屋外光(5〜15分)で体内時計に朝を知らせる。
- こまめな水分(カフェイン以外)とたんぱく質+食物繊維中心の昼食。
- 午後の10分散歩で眠気の“停滞”をリセット。 注意点: 糖質だけの軽食は眠気の再燃を招きやすい。 所要時間目安: 10〜20分/日を目標に。
よくある質問
Q1. どのくらい飲んでいいの?
A. 体質差はありますが、健常な成人で総量400mg/日程度までが一つの目安とされています。妊娠・授乳中、持病・服薬がある方、未成年は基準が異なるため専門家へ。製品表示で合計量を把握してください。
Q2. 離脱頭痛が怖いです。
A. いきなりゼロではなく、時刻(夕方以降×)→本数→濃度の順に段階的に調整すると楽です。頭痛が強い・長引く場合は医療機関へ。
Q3. エナジードリンクとコーヒー、どちらが良い?
A. 含有量・糖分が大きく違います。種類ではなく総カフェイン量で管理を。糖分が多いものは眠気の再燃を招きやすい点にも注意しましょう。
Q4. 夜だけやめればOK?
A. 夕方以降をやめるのはとても有効ですが、午後の摂り過ぎでも睡眠を妨げることがあります。就床5〜6時間前以降は避けるを基本に、日中の総量も整えましょう。
まとめ
- 「やる気が出ないから飲む」は、睡眠の質低下→日中のだるさ→再摂取の循環が背景にあります。
- まずは時刻(夕方以降×)と総量を整え、呼吸と姿勢で交感神経の過緊張をゆるめましょう。
- 離脱頭痛が不安な方は段階的に。体質や持病に合わせた調整は専門家へ。必要なときは私たちもお手伝いします。
つらい習慣の見直しは、根性ではなく設計でうまくいきます。からだの声に耳を傾けながら、無理なく一歩ずつ整えていきましょう。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献(公的・信頼できる情報)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」—刺激物(カフェイン)と睡眠衛生の基本。
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014(研究班報告)」—睡眠衛生・カフェインの時間帯に関する解説。
- Health Canada(カナダ保健省)Caffeine—目安量(成人400mg/日)と留意点。
- BfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)Caffeine—摂取量と健康影響に関するQ&A(EFSAの見解を引用)。
- NIH MedlinePlus「Headache」「Migraines」—カフェイン離脱が頭痛の誘因になり得る解説。
- 農林水産省「食料・農業・農村白書」—カフェイン摂取に関するリスクコミュニケーションの経緯。
※本記事は一般的な情報提供を目的とします。病気の診断や治療の代替ではありません。妊娠中・授乳中、持病や服薬のある方、未成年の方は、個別に医療専門職へご相談ください。

