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「ストレスを感じると腰に不安が…」——自律神経・脳疲労と腰痛の関係をやさしく解説

こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。

「ストレスで腰痛」、あるいは**「ストレスを感じると腰に不安が」というご相談は、季節を問わず多く寄せられます。仕事の締め切りや人間関係で気持ちが張りつめた日、帰宅したら急に腰が重くなる。休日にホッとした途端、どっと疲れが出てギックリ腰が怖くなる——そんな“あるある”はありませんか。

外から見える傷はないのに、内側では自律神経**がゆさぶられ、呼吸が浅くなり、姿勢もこわばりがち。こうした連鎖は、からだの使い方(体の歪み)にも静かに影響します。

今日は、ストレスと腰痛の関係をわかりやすく整理し、脳疲労をやわらげる日常のコツまでお伝えします。

目次

原因とメカニズム——なぜ「ストレスを感じると腰に不安が」生まれるのか

ストレスが高まると、からだは「戦う・逃げる」モードになり、交感神経が優位に傾きます。血管は収縮し、筋はこわばり、呼吸は浅く速くなりがち。結果として血流低下や筋緊張の亢進が起こり、痛みを感じやすい状態に近づきます。これが「疲れていないのに腰が固い」「急に不安が強まる」感覚の土台です。公的な解説でも、心理的ストレスが腰痛の治りづらさや発症に関わることが示されています。

医学的な整理では、腰痛は生物‐心理‐社会(バイオ・サイコ・ソーシャル)の相互作用でとらえるのが現在の主流です。日本の腰痛診療ガイドライン2019は、心理社会的要因は腰痛を遷延化させると明記し、初期からの評価を推奨しています。 さらに、国際的な推奨(NICE)や総説(Lancet)でも、心理的苦痛や恐怖回避が症状の長期化と関係する、と繰り返し示されています。

もう一つの鍵は動作の乱れです。緊張が強いと、人は無意識に肩や背中をすくめ、腰椎を反らし気味・または丸め気味に固定します。そのまま荷物の持ち上げや長時間の座位が続くと、椎間板や椎間関節、殿部の筋・腱にストレスが集中し、ストレッチしても戻りにくい“硬さの記憶”が積み上がります。結果、姿勢の小さな崩れ(体の歪み)が慢性的なこわばりとして残り、「不安」と「痛み」が互いを増幅してしまうのです。

放置リスクとよくある誤解

放置すると、「痛い→動かない→弱る→さらに痛い」の循環に入りやすくなります。ガイドラインは、危険信号(発熱、夜間増悪、排尿排便障害、急な麻痺など)がなければ過度な安静より、活動を保つ方が回復に有利と示しています。

あわせて、次の“誤解”にも注意が必要です。

一つは「骨盤を一度で“リセット”できれば万事解決」という期待。骨盤や背骨の配列は日々の動作で常に変わるため、単発の矯正で恒久的に固定できるものではありません。現実的には、姿勢・呼吸・動作を日常の中で整えつづけることが遠回りのようで近道です(ガイドラインも教育・自己管理の重要性を強調)。

もう一つは「痛い日は完全安静」。危険信号がなければ、小さく動きを継続した方が、筋・神経の“学習”を保てます。

自分でできる対処法(文章で手順・目的・注意点・時間の目安をお伝えします)

① 朝いちの“呼吸+首胸の解錠”——目的:交感神経の高ぶりを落とし、胸郭を開いて腰への負担分散。

起きたらまず鼻から3秒吸って口から6秒吐く呼吸を5〜10回ほど。次に、鎖骨の下をやさしく撫でるようにさすり、肩を後ろへ小さく回します。仕上げに胸骨を“天井へそっと持ち上げる”意識で背を伸ばす。反らし過ぎは禁物です。痛みが強い日は回数を減らし、1〜2分で終えて構いません。呼吸で自律神経が整い、腰を直接いじらなくても姿勢が自然に立ち上がります。

② 日中の“マイクロブレイク”——目的:座りっぱなしを区切り、血流と感覚のリセット。

仕事や家事の区切りごとに、立ち上がってかかとの上げ下げを10回、骨盤を前後に小さく揺らして、最後に鼻3秒→口6秒の呼吸を数回。ふらつきやすい方は机に触れながら。これで40〜60秒。長時間の座位は健康影響が指摘され、腰にも不利です。短時間でも“こまめに動く”ことが、大きなエクササイズより効く場面があります。

③ 夜の“ほどき3点”——目的:脳疲労をほどき、翌朝のこわばりを減らす。

就寝前に、(1)椅子で片足首を反対膝にのせ殿部をやさしくストレッチ20〜30秒ずつ、(2)四つ這いで背中を丸める→戻すを各5回、(3)仰向けで片膝抱え込みを左右ゆっくり10回。反動はつけず、呼吸は止めないで。合計5〜7分で十分です。もし痛みやしびれが増す角度があれば、その姿勢は避けてください。

よくある質問

通院頻度は?——初期は週1回前後で変化を確認し、その後は隔週〜月1回のメンテナンスへ。セルフケアと組み合わせて、再発しにくい流れを作ります。

どんな人に向く?——「強い刺激が苦手」「姿勢体の歪みを整えたい」「自分で続けられるケアを身につけたい」方に。神経の反射を活用したやさしい施術で、“怖さ”を“扱える不安”に変えるお手伝いをします。

医療機関を急ぐサインは?——発熱、夜間も強い痛み、脚の急なしびれ・脱力、排尿排便の障害、転倒・外傷直後などは整形外科で早めに評価してください(いわゆるレッドフラッグ)。

まとめ

ストレスは交感神経を高ぶらせ、筋緊張・血流低下・姿勢のこわばりを通じて腰痛を長引かせます。評価と教育、活動の維持という多面的アプローチが要となります。

今日できるのは、呼吸でほどく→短い休憩で区切る→夜にやさしく解くという小さな三拍子。完璧を目指さず、「続けられる形」を一緒に探していきましょう。


お困りの方は 【電話】025-211-9541 または 【LINE公式】https://page.line.me/jeo9591r へ。インターネット予約も承ります:https://base-first.com/reservation/
※「まずは相談だけでもOK」です。お気軽にどうぞ。

【監修:柔道整復師 神田博行】

参考文献

  • 日本医療機能評価機構 Minds『腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)』概要/PDF https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00498/ / https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00498.pdf (心理社会的因子・活動維持の推奨)。 
  • 厚生労働省「こころの耳」『ストレスと腰痛』ほか(ストレス下の筋緊張・姿勢乱れ、セルフケア情報)。 https://kokoro.mhlw.go.jp/column/body001/ / https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/ / https://kokoro.mhlw.go.jp/mental-health-pro-topics/mh-pro-topics005/ 
  • NICE ガイドライン NG59『Low back pain and sciatica in over 16s』推奨(心理的配慮、活動継続、段階的運動)。 https://www.nice.org.uk/guidance/ng59 (要点)/ https://www.nice.org.uk/guidance/ng59/chapter/recommendations (勧告). 
  • The Lancet Low back pain series(2018・2021)—心理的苦痛・恐怖回避と遷延化の関連、生物‐心理‐社会モデル。 https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2818%2930480-X/abstract / https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2821%2900733-9/fulltext 

(本記事は一般的な情報提供です。診断や効果の断定はしておらず、症状や背景に応じて個別評価が必要です。)

かんだ整骨院 神田博行
院長
1974年1月 旧新津市生まれ
・北信越柔整専門学校卒
・柔道整復師(厚生労働大臣免許第32245号)
・講道館柔道弐段
・TPI Lv.2メディカルプロフェッショナル(タイトリストパフォーマンス研究所)
・脳医学BASE研究会
・趣味 ロードバイク、食べ歩き、whisky・cognac・armagnac

『臨床経験26年以上の知識と経験で、あなたの健康に寄与いたします』

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〒950-0925 新潟県新潟市中央区弁天橋通1丁目4-33 湖南ビル102号
かんだ整骨院
電話番号 025−211−9541
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