忙しさのあとに、かぜをもらいやすい——そんな経験はありませんか?
こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。「風邪をひいたのはストレスや忙しさから?」と感じてご相談にいらっしゃる方は少なくありません。残業続きで寝る時間がずれたり、心配ごとが続いて眠りが浅くなったり——気づけばのどがイガイガ、体が重い。秋〜冬は気温差や乾燥も重なり、自律神経や免疫がゆらぎやすい季節です。
当院には20〜60代の女性の方から「仕事や家事で気が張っていると、風邪をもらいやすい」といったお声が届きます。こうした体の変化には理由があり、むやみに自分を責める必要はありません。まずはしくみをやさしく整理しましょう。
原因とメカニズム:**「風邪をひいたのはストレスや忙しさから?」**の背景
風邪そのものはウイルスによる急性上気道感染が中心です。ただし、ストレスや生活リズムの乱れが免疫の働きに影響し、かぜをもらいやすい状態を作ることは医学的に説明できます。
- ホルモン(HPA軸)を介した影響 強い・長引くストレスでコルチゾール(いわゆるストレスホルモン)が高い状態が続くと、免疫細胞の働きが抑えられやすくなります。これは「ストレス→視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)軸→コルチゾール→免疫機能への影響」という流れで整理できます。
- 自律神経(交感神経・副交感神経)からの影響 ストレスで交感神経が優位になると、リンパ球など免疫細胞の働きや体内での分布に変化が生じます。大学研究機関からも「交感神経が免疫を制御する」ことが報告されています。
- 体内時計(サーカディアンリズム)と免疫 睡眠のずれや夜間の強い光曝露は、体内時計を乱し、免疫や代謝の調節にも影響します。リズムが乱れると「夜ふかし後に体調を崩しやすい」等の実感につながります。
このように、**ウイルス(原因)+免疫のゆらぎ(場の状態)**が重なると、かぜをもらいやすい/長引きやすい状況が起きやすくなります。
放置リスクと、よくある誤解のやさしい解消
「完全に休めないから、とにかく薬で治すしかない」「抗生物質を飲めば早く治るのでは?」というご相談もあります。
ただし、一般的なかぜ(多くはウイルス性)に抗生物質は原則不要で、かえって副作用や耐性菌の問題が指摘されています。必要かどうかは発熱の経過や合併症リスクを医療機関で判断しましょう。
また、「姿勢だけ直せば免疫が上がる」といった単純化も誤解です。実際は睡眠・リズム・自律神経・栄養・環境などが重なり合って体調が形作られます。当院では「一度で“リセット”」のような過度な約束はせず、根拠のある整え方を一緒に組み立てます。
自分でできる対処法(今日からの小さな一歩)
A. 夜の準備を整える(リズムと自律神経のやさしい調整)
目的: 交感神経の過活動を落ち着かせ、睡眠の質を整えて免疫の回復時間を確保する。
手順: ①就寝1〜2時間前に室内照明を少し落とす/スマホは明るさを下げる。②ぬるめ(目安40℃前後)で10〜15分の入浴。③寝室は乾燥を避け、のど・鼻を守る湿度(目安50〜60%)を意識。
注意点: 熱感・持病がある方は入浴強行を避ける。カフェイン・アルコールの摂りすぎに注意。
所要時間目安: 準備15〜30分。
B. 日中の「こまめに動く+呼吸」
目的: 長時間同じ姿勢での交感神経優位を避け、血流と自律神経の揺らぎを小さくする。
手順: ①30〜60分ごとに立ち上がり、肩甲帯・胸郭をゆっくり回す。②鼻から4秒吸って6秒吐く呼吸を3〜5セット。③短い屋外散歩で自然光を浴び、体内時計を前進させる。
注意点: 発熱・強い倦怠感がある日は無理をしない。「少し物足りない」強度で十分。
所要時間目安: 1回あたり2〜5分を1日数回。
C. のどと鼻のケア(環境を整える)
目的: 乾燥期の粘膜防御を守り、かぜウイルスが付着・増殖しにくい環境を保つ。
手順: ①水分をこまめに。②帰宅時の手洗い・うがい。③必要に応じてマスク(人混み・混雑時)。
注意点: 体調不良時・基礎疾患のある方・高齢者は早めに医療機関へ。
所要時間目安: 日常の流れに合わせて随時。
(感染症予防の基本は手洗い・咳エチケット。状況に応じた対応を。 )
よくある質問
Q1. 当院の費用目安は?
当院は自費(保険適用外)です。初回9,800円、2回目以降7,000円が目安です(評価・施術内容や所要時間により変わる場合があります)。強い刺激や“その場かぎり”のもみほぐしは行わず、神経の反射を活用した優しい施術を基本に、生活リズム・姿勢・呼吸などの整え方も併せてご提案します。
Q2. どのくらいの頻度で通えば良いですか?
体調やご予定に合わせて個別に調整しますが、目安としては初期は週1回前後→落ち着いたら2〜4週に1回へ。自宅でのセルフケアが続けやすいように、無理のない計画を一緒に作ります。
Q3. どんな人に向いていますか?
「忙しさやストレスで眠りが浅い」「季節の変わり目に体調を崩しやすい」「姿勢が固まりやすい」というお悩みが重なっている方。医療機関での治療(必要な検査・投薬)と競合するのではなく、体の使い方・自律神経の整え方を丁寧に支える立ち位置です。
Q4. 受診のめやすは?
高熱が続く、呼吸が苦しい、強い倦怠感や持病の悪化がある等は、まず医療機関での評価を優先してください。一般的なかぜであっても長引くときは早めの相談が安心です。
6) まとめ
- 風邪はウイルスが原因ですが、ストレス・睡眠のずれ・交感神経優位が重なると、免疫の働きがゆらいで「もらいやすい/長引きやすい」状態になり得ます。
- 抗生物質は一般的なかぜには原則不要。必要かは医療機関で判断を。
- 夜の準備・こまめに動く・環境調整など、無理のない小さな習慣が自律神経と免疫を支えます。
かぜのシーズンでも、体は少しずつ整えられます。完璧を目指すのではなく、今日の自分にできる一歩から始めてみましょう。
【監修:柔道整復師 神田博行】
参考文献
- 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き ダイジェスト版」(かぜの位置づけと抗菌薬の考え方) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001329342.pdf
- 厚生労働省 研究情報ポータル「概日リズム(サーカディアンリズム)の乱れと健康影響」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00007.html
- 厚生労働省 こころの耳「ストレスと健康(HPA軸・自律神経の基本)」 https://kokoro.mhlw.go.jp/about/health/
- 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター(IFReC)「交感神経が免疫を制御する」 https://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/topics/press/2012/post-18.html
- 科学技術振興機構(JST)プレスリリース「交感神経を介した免疫制御の仕組み」 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20110908/
※当院は、神経の反射を活用した優しい施術を基本とし、強刺激や“その場かぎり”のもみほぐしは行いません。必要に応じて医科とも連携しながら、生活リズムや姿勢・呼吸の整え方を含めた無理のないサポートをご提供します。


