こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
今回のブログでは『骨盤矯正』についてお話しします。
先日、友人から「骨盤矯正ってよく聞くけど、実際にはどんなことをするの?」と質問を受けました。
聞けば、腰痛で仕事に支障が出ている知り合いがいて、骨盤矯正を続けているけれど思うように改善しないとのことでした。
その方は、「骨盤が歪んでいるからかもしれない」「骨盤矯正をすれば楽になる」と思っていたそうです。
実際、巷には「骨盤矯正で腰痛改善!」と謳う治療院がたくさんあります。一度は受けてみて、なんとなく楽になった経験がある方もいるかもしれません。
でも――
「すぐに戻ってしまった」「根本的には良くならなかった」
そんな声が多いのも事実です。実は、腰痛の原因は骨盤だけにあるわけではありません。
本当に大切なのは、体の歪みを“全体”で捉え、バランスを整えることです。
このブログでは、
✅ 骨盤矯正とは何なのか
✅ 骨盤の構造と本当の「歪み」について
✅ 治療院の選び方
✅ 腰痛と体の歪みの関係
をわかりやすく解説し、腰痛に悩まされない毎日を取り戻すヒントをお伝えします。
骨盤矯正で腰痛はよくなるの?

「腰痛は骨盤の歪みが原因だから、骨盤を矯正すれば良くなる」と言われることがあります。
実際に、街中には骨盤矯正を謳う整体院や整骨院がたくさんありますし、ネットの口コミでも「骨盤矯正を受けて腰が楽になった」という声を見かけます。
もちろん、骨盤周りの筋肉や関節の動きを一時的に整えることで、痛みが軽くなることはあります。
しかし多くの場合、施術直後は楽になっても、しばらくするとまた痛みが戻ってしまうことが少なくありません。
なぜでしょうか?
それは「本当の原因が骨盤だけにあるわけではない」からです。
腰痛は、骨盤だけでなく背骨、股関節、内臓、足のバランス、さらには日常の姿勢や動作習慣など、全身の状態が関係しています。
骨盤だけを整えても、体全体の歪みを無視していては根本的な改善にはつながりません。
腰痛を本当に改善するには、骨盤矯正だけに頼るのではなく、体のバランスを全体的に見直すことが大切です。
そもそも骨盤矯正ってなに?

「骨盤矯正」と聞くと、なんだか特別な治療のように感じる人も多いのではないでしょうか。
そもそも「矯正」という言葉には、「歪んだものをまっすぐに戻す」というイメージがあります。そのため、骨盤矯正=骨盤のズレを正すことで、すべての不調が改善する!と思われがちです。
しかし実は「骨盤矯正」という言葉には、医学的に統一された定義があるわけではありません。
整体院や整骨院、サロンなどによって方法も理論もさまざまです。
例えば、
・骨盤の傾きを手技で整える
・骨盤ベルトなどの装具を使う
・筋肉を緩めて可動域を広げる
といったやり方があり、「何をどう矯正するのか」は院によって解釈が違うのが現状です。大切なのは「骨盤を矯正する」という言葉だけに惑わされないことです。
どんな方法で、何を目的に行うのか?
そもそもあなたの体にとって必要なのか?
そこをきちんと説明してくれるかどうかが重要なポイントになります。
「骨盤矯正」という言葉自体に魔法のような力はありません。大事なのは、体全体のバランスをどう整えていくかです。
骨盤矯正のキーワードに惑わされない調べ方

「骨盤矯正」「腰痛 骨盤」「骨盤 歪み」
こうしたキーワードでネット検索をすると、たくさんの整体院や整骨院がヒットします。中には「一度で劇的に変わる!」「歪みを一発で矯正!」など、魅力的な言葉を並べているところも少なくありません。
しかし、こうしたキャッチコピーだけで選んでしまい、「受けてみたけど、すぐ元に戻った…」という声をよく耳にします。
失敗しないためのチェックポイント
骨盤矯正に限らず、治療院選びで大切なのは
「なぜ歪みが起こっているのか」をきちんと説明してくれるか です。
✅ ホームページに「体の歪み全体をどう評価しているか」が書かれているか
✅ 姿勢分析や歩き方のチェックなどをしてくれるか
✅ 施術だけでなく、日常生活の改善方法やセルフケアを提案してくれるか
✅ 「一度で治す」「必ず治る」と極端なことを断言していないか
これらのポイントを確認してみてください。特に、体のバランスや普段の動作習慣にまで触れているかは重要です。
「骨盤矯正」というキーワードだけに飛びつくのではなく、体の歪みを全体で捉えてくれる院かどうかを必ずチェックされてください。
骨盤の構造を知ろう
「骨盤が歪む」とよく言われますが、そもそも骨盤はどのような骨でできているかご存じでしょうか?
骨盤は、上半身と下半身をつなぐ“体の土台”とも言える大切な部分です。内臓を保護し、体を支え、歩く・座るといった日常の動作にも大きく関わっています。
骨盤を構成する骨

骨盤は、大きく分けて「仙骨」「尾骨」そして左右の「寛骨」から構成されています。
✅ 仙骨(Sacrum)
骨盤の後ろ中央に位置する逆三角形の骨で、背骨(腰椎)の下に続きます。
上半身からの力を股関節へと分散する役割を担っています。
✅ 尾骨(Coccyx)
仙骨のすぐ下にある小さな骨で、退化した尾の名残と言われています。
大きな役割はありませんが、骨盤底筋とつながり、姿勢保持に関わります。
✅ 寛骨(Hip bone, Os coxae)
左右に1対ずつある大きな骨で、さらに
- 腸骨(Ilium):骨盤の上部側面を形作る扇形の骨
- 恥骨(Pubis):骨盤の前下部を形作り、左右の恥骨は恥骨結合でつながります
- 坐骨(Ischium):骨盤の下部後方に位置し、座ったときに体重を支える部分
寛骨は、幼少期は腸骨・恥骨・坐骨が別々ですが、成長とともに股関節の部分で癒合して1つの骨になります。
骨盤はなぜ“歪んで見える”のか?
これらの骨がしっかりと組み合わさり、関節や靭帯で固定されているため、骨盤本体が大きくズレることは通常ありません。
しかし、姿勢のクセや筋肉の左右差、足の長さの違いなどで体が歪むと、
骨盤が“傾いて見える”状態になります。
(※ここで言う足の長さの違いは、下肢の筋肉バランスによって起こるもので、骨の長さ自体が変わるわけではありません。)
つまり、骨盤が単独で歪むのではなく、体全体のバランスの崩れが骨盤の傾きを作っているのです。
骨盤の構造を知ると、「骨盤だけを一時的に矯正しても、体全体を整えなければ意味がない」という理由がわかってきます。
骨盤が“歪んで見える”本当の理由

人の体は、日常の姿勢や動作のクセで、筋肉の使い方や左右のバランスが少しずつ崩れていきます。
例えば、
- いつも同じ足を組む
- 片側に重心をかけて立つ
- 仕事や家事で同じ動作を繰り返す
こうした習慣が積み重なると、骨盤周辺の筋肉の張りや伸びに差が出て、骨盤自体はズレていないのに傾いて見えることがあります。
つまり、「骨盤が歪んでいる」ように見えるのは、体全体のバランスが崩れた結果なのです。
本当にズレるケースとは?
例外としては、出産後の女性はホルモンの影響で骨盤の関節(特に仙腸関節)が一時的に緩みやすく、動きやすくなることがあります。
また、交通事故や大きな外傷で骨折した場合も、骨盤の位置がズレることがありますが、これは特殊なケースであり、ほとんどの人の日常的な「骨盤の歪み」はここには該当しません。
「骨盤が歪んでいるから痛い」と言われがちですが、正しくは「体のバランスが崩れている結果、骨盤が歪んで見える」ことがほとんどです。
だからこそ、骨盤だけを一時的に矯正しても、体全体のバランスを整えない限り、またすぐに元に戻ってしまうのです。
体の歪みと腰痛の関係
実際には骨盤だけでなく、体の歪み全体が腰に大きな負担をかけています。
姿勢の崩れが腰を痛める理由
例えば、
- 立つときに片足に重心をかける
- 座るときに背中を丸める
- デスクワークで長時間同じ姿勢を続ける
こうした日常の習慣が積み重なると、筋肉や関節に負担が偏り、体のバランスが崩れます。
バランスが崩れると、本来は分散されるはずの負荷が特定の筋肉や関節に集中し、腰にかかる負担が大きくなって痛みが出やすくなるのです。
骨盤は“結果”であり“原因”ではないことも
多くの場合、骨盤は「体の歪みの結果として傾いて見える」だけです。
- 股関節や背骨の可動域の問題
- 足の筋肉の左右差(※骨の長さではなく筋肉バランスの差です)
- 歩き方や座り方のクセ
これらを放置したまま骨盤だけを整えても、また元に戻ってしまいます。
日常生活での“気づき”が大切
腰痛の改善には、施術だけでなく「どうしたら体を歪ませないか」という日常の意識が欠かせません。
例えば、
✅ 長時間同じ姿勢を取らない
✅ 片側に偏った動作を減らす
✅ 適度なストレッチや体操を取り入れる
こうした小さな積み重ねが、体のバランスを整える大切なポイントです。腰痛を本当に良くしたいなら「体全体の歪みと生活習慣を整えること」が欠かせません。
骨盤矯正を謳う治療院の見分け方

最近では「骨盤矯正」をメニューに掲げる整体院や整骨院がとても増えました。でも、実際には院ごとに技術や考え方は大きく違います。
「どこへ行っても同じだろう」と思って選んでしまうと、一時的に楽になるだけで、また痛みが戻ってしまったり、納得できない施術を受けてしまうことも少なくありません。
信頼できる院を選ぶポイント
✅ 体の歪みを全身で見てくれるか
単に「骨盤だけ」を矯正するのではなく、なぜ骨盤が傾いて見えるのか、体のバランスや姿勢のクセをきちんと評価してくれる治療院を選びましょう。
✅ 施術だけでなく、生活習慣のアドバイスがあるか
「この体勢をやめましょう」「こういうストレッチをしてみましょう」と、日常で気をつけるべきことを教えてくれるところは信頼度が高いです。
✅ ホームページに“根拠”が書いてあるか
体の歪みの仕組みを説明していたり、どんな考え方で施術をしているかがわかると安心です。逆に「1回で必ず治る」「魔法のように治る」といった誇大な表現ばかりのところは注意しましょう。
「正しい知識を教えてもらい、普段の生活で実践する」
これをサポートしてくれる治療院こそ、あなたの身体にとって一番の味方になります。
選んだあとは“自分でも気をつける”
どんなに良い治療院でも、「行くだけで全部治してくれる」という姿勢では根本改善は難しいです。
まとめ:骨盤矯正だけに頼らない“根本改善”を

「骨盤が歪んでいるから腰痛になる」という言葉は一見わかりやすく、つい“骨盤だけ”を整えれば良くなるように感じてしまいます。
しかし実際には、骨盤が歪んで見えるのは体全体のバランスの崩れが原因です。
姿勢のクセや筋肉のアンバランス、日常の動作習慣が積み重なって、結果として骨盤が傾き、腰に負担が集中しているのです。
だからこそ、「骨盤矯正」という言葉に振り回されるのではなく、
✅ 体のどこに負担がかかっているのか?
✅ なぜその歪みが起こるのか?
✅ 日常生活でどう整えればいいのか?
この視点を大切にしてみてください。
姿勢のクセや腰痛で試していただきたいことを、過去に書かせていただいています。併せてご覧ください。
ここまでお読み頂いてありがとうございます!
腰痛だと、日常の生活が思い通りに過ごせないばかりか、趣味やお仕事にも影響が出たりと、とてもおツライですよね。
当院は、神経の特徴から体のバランスを整えて体の歪みを整える治療をおこなっております。腰痛でお困りならお力になれるかもしれません。
遠慮なくご相談いただけたら幸いです。
【監修:柔道整復師 神田博行】