こんにちは。かんだ整骨院の神田です。
「左肘がまっすぐ伸びない…」
「ゴルフのスイングで肘が痛む…」
「タオルを絞ったり、カバンを持ったりするのもつらい…」
もし、このようなお悩みをお持ちでしたら、今回のブログがきっとお役に立てると思います。
先日、当院にも同じような症状でお悩みの方が来院されました。
日常生活や大好きなゴルフで肘が痛むのは本当につらいことですよね。
今回は、そんな肘の痛みの中でも、「肘が痛くて肘が伸びにくい」という症状について詳しく解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
なぜ肘が痛くなったのか?

今回来院された患者さんは、2ヶ月ほど前にチューブを使ったエクササイズで、力こぶの筋肉に違和感を覚えたのが始まりだったそうです。その違和感がしばらく続き、肘にも痛みが出てきたとのこと。
その翌日、ゴルフをされた際にその違和感が痛みに変わり、肘が伸びなくなってしまったため、不安に思って整形外科を受診されました。
レントゲンでは骨に異常はなく、湿布と痛み止めが処方され、診断ではテニス肘(上腕骨外側上顆炎)と診断され、サポーターを使いながらお薬を飲んでいましたが症状は改善せず、どんどん肘が伸びなくなり不安は募るばかりだったそうです。
そんな中、ご家族が当院に通院されているご縁で、当院にご来院されました。
患者さんのお体を詳しく検査した結果、体が歪んでバランスが崩れていました。
その負担が肩と背中の動きの悪さに繋がり、チューブトレーニングの際に力こぶの筋肉(上腕二頭筋)に違和感を作ってしまったと推測できます。
そして、翌日のゴルフがその状態でプレーされた結果、力こぶの筋肉が誤作動を起こし、緊張が取れず肘に痛みが出てしまっていました。
これってテニス肘?それとも…?

「肘の痛み」と聞くと、「テニス肘」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。今回も初期の痛みが肘全体にあった事や、テニス肘を疑うポイントもあったため、最初はテニス肘と言われたのかもしれません。
テニス肘は、一般的に肘の外側が動かしたり、押したりすると痛む症状です。
しかし、今回の患者さんのケースでは、力こぶの筋肉の腱(上腕二頭筋遠位付着部)に強い圧痛があり、力こぶの筋肉がパンパンに張って、肘が伸びない状態が続いていました。
この症状は「遠位上腕二頭筋腱付着部炎」と呼ばれ、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)と混同されやすく、治療のアプローチも違えば、セルフケアも違ってきます。
遠位上腕二頭筋腱付着部炎とテニス肘は何が違う?
項目 | 遠位上腕二頭筋腱付着部炎 | 上腕骨外側上顆炎(テニス肘) |
---|---|---|
痛みの場所 | 肘の前面(内側) | 肘の外側 |
よくある原因 | 筋力トレーニングや重いものを持つなど、肘の曲げ伸ばしや手のひらを返す(回外)動作 | キーボード作業、ラケットスポーツなど、手首の使い過ぎ |
よくある症状 | 肘の前面がズーンと痛む、手のひらを返す動作で突っ張り感がある | 肘の外側がズキッと痛む、物をつかむときに力が入らない |
肘が伸びないのは「代償動作」による過緊張が原因
遠位上腕二頭筋腱付着部炎の場合、特に前腕(肘から手首まで)を手のひらを返す方向へ動かす(回外動作)のが難しいことがあります。すると、体が無意識のうちに、肘を曲げることでその動作を代償しようとします。
この代償動作が続くことで、筋肉が常に緊張した状態になり、結果として肘がまっすぐ伸びなくなってしまうのです。
放置はNG!それぞれに合った対処が大切です
遠位上腕二頭筋腱付着部炎とテニス肘は、痛む場所も原因も異なる別の疾患です。
そのため、**ストレッチやセルフケアの方法も、場合によっては逆効果になってしまうことがあります。
**ご自身の判断でマッサージをしたり、無理に動かしたりすることは注意が必要です。
当院での治療について
今回の患者さんの場合、お体の歪みが確認され、特に背中と左肩の動きが悪くなっていました。そこで、全身の歪みを整えた後、背中→肩→肘と左腕のアライメント調整を行いました。
その結果、3回の治療で動作時の痛みが半分以下になり、肘も徐々に伸びるようになりました。そして、5回目の治療で痛みもほとんどなくなり、肘も8割ほど伸びるまでに回復されました。
まとめ
肘の痛みがなかなか良くならない…
そのような時は、違う視点から見直さなければならないことがあります。
治療をしていてもよくならない場合や、ご自身の判断でのセルフケアはかえって状態を悪くさせてしまう可能性がありますので、専門家のアドバイスを受けることが大切と考えます。
当院では、お一人おひとりの体の状態をしっかり確認し、根本的な原因を見つけ出して、それぞれに合った治療を行っています。
もし、肘の痛みでお困りでしたら、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの痛みが少しでも楽になり、快適な日常生活を取り戻せるよう、全力でサポートさせていただきます。
いつでもご相談くださいませ。
【監修:柔道整復師 神田博行】