こんにちは。新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
「しっかり寝たのに、朝からだるい…」
「なんだか頭がスッキリしない」
「休みの日も、なんとなく気分が沈んでいる」
「これといった思い当たる節がないのに、肩こりや腰痛がツラい」
そんな悩みを抱えていませんか?
実際、当院にも「とにかく体が重い」「寝ても疲れが抜けない」と訴えて来院される方が、年々増えてきています。
疲れは本来、休めば回復するもの。
でもそれが「回復しない」としたら、体ではなく“脳”が疲れているのかもしれません。
見えない疲労の正体

先日来院された40代の会社員の方です。
「朝起きた時から疲れていて、午前中は頭がぼーっとする」
「仕事も集中できず、肩や腰のコリも常に重たい」
とのことで、病院でも特に異常は見つからず、“年齢のせい”や“疲労でしょう”と診断されたそうです。
しかし、問診と検査をしていく中で見えてきたのは、「体」ではなく「脳」の疲労、つまり“脳ストレス”が主な原因かもしれないということでした。
脳ストレスとは?

突然ですが、私たちの脳は「生き残るため」に設計されています。
生きるとは、自然界での生存競争に打ち勝ち、食べ物を探し、種を存続させること。そのために、脳は進化してきたのです。
しかし、この脳は約20万年前から、ほとんど進化していないといわれています。
20万年前といえば旧石器時代。獣に襲われるかもしれない恐怖と隣り合わせの中、狩猟採集をしながら、命をつなぐ日々を送っていた時代です。
一方で、現代は「情報社会」。
命の危険こそ少ないものの、四六時中スマートフォンやパソコンを使い、仕事の締め切り、会議の連続、終わらないメール対応などに追われる毎日です。
私たちの脳は、「生きる」という基本的な機能こそ20万年前と変わっていませんが、その使われ方や適応の仕方は、環境の変化により大きく変わってきているといえるでしょう。

さて、私たちの脳には、大きく分けて2つの役割があります。
一つは、脳幹や辺縁系と呼ばれる“生物脳”。これは生命維持に関わる、いわば“原始的な脳”です。
もう一つは、人間特有の“人間脳”(大脳新皮質)。論理的な思考や創造性を担い、文明社会の発展に大きく寄与してきました。
ところが、ここに大きな矛盾が生じています。
人間脳は、自ら作り出した社会環境──たとえば仕事の仕組みや時間管理、情報過多なテクノロジー、文化的なルールなど──に適応しようと日々努力しています。
一方、生物脳は、本来“自然の中で生きる動物”としての私たちの体を守ろうとします。
この2つの脳は、それぞれの目的や働きが異なるため、互いに方向性が衝突してしまうのです。
そして、生物脳はこの矛盾を「違和感」として感じ取ります。
「何かがおかしい」「これ以上の無理は危険だ」と、私たちに注意を促す信号を発するのです。
この信号を無視して活動を続けると、脳内のバランスが崩れてしまいます。
つまり、生物脳(脳幹・辺縁系)と人間脳(大脳新皮質)のギャップが、私たちにとって“現代社会そのものがストレス環境”になる原因となっているのです。
このストレスが慢性的に続くと、脳は交感神経を常に優位にし、ストレスホルモンを出し続ける状態になります。
その結果、体はエネルギーの使い方が「戦う・逃げる」といったすぐ動けるように常に緊張状態のモードに偏るので、回復や修復、集中、ポジティブな感情の維持が難しくなっていくのです。
交感神経が優位な状態が続くと…

先ほどストレスが慢性的に続くと、脳は交感神経を常に優位にし、ストレスホルモンを出し続ける状態になります。その結果、回復や修復・集中・ポジティブな感情の維持が難しいと書きました。
それは、交感神経系は血管を支配しているからです。血管が緊張すると血の巡りが悪くなります。血の巡りが悪くなると、体の隅々まで新鮮な酸素・栄養が行き渡らなくなりますので、筋肉の緊張が続きやすくなりますから、体に色々と症状が現れてきます。
・呼吸が浅くなる(乱れる)
・体が歪んでしまう
・疲労が取れない
・漠然とした不安を常に感じ、すっきりしない
こういった変化は、まさに“脳ストレス”が体に影響を与えている証拠です。
体のコリや痛みだけにアプローチしても根本解決に至らないのは、こうした背景があるからです。
自宅で出来るセルフケア:脳ストレスを和らげる方法
深呼吸
8秒吐いて4秒吸う深呼吸です。
副交感神経を働かせる簡単な呼吸法です。
副交感神経は、自律神経の一部で「リラックスモード」を司る神経です。休息・消化・回復など、体を落ち着かせる働きを担っています。
深呼吸で得られる利点
- 緊張を和らげてリラックスできる
- 心拍数と血圧を安定させる
- 集中力や睡眠の質が向上する
- 消化や免疫機能が整う
深呼吸は、副交感神経を優位にし、心身のバランスを整える簡単で効果的な方法です。
できれば、寝る前や昼休みに1〜2分取り入れてみてください。

デジタルデトックス
自律神経の測定研究では、デジタルデトックス中に心拍数や皮膚電気反応などの自律神経活動が変化することが確認されています。これにより、ストレス反応の軽減が示唆されています。
また、長時間のデジタル機器使用は脳の過労を招きますが、デジタルデトックスにより脳の疲労回復が促進されると報告されています。
スマホやタブレットの情報量は、読書やテレビなどとは比較にならないほど情報が傾れ込んできます。睡眠の質を向上するには、できれば睡眠前の1時間前にスマホやタブレットから離れてください。
普段から深呼吸を心がけていただき、就寝1時間前には寝る準備をしていただくことで、脳ストレスの予防・軽減につながると考えます。
整体だからできる治療とは?

セルフケアを試されても不調が改善されない場合は、当院の治療がお役に立てるかもしれません。
当院の治療は、神経系にアプローチすることで、神経やホルモンの抑制反応(アンバランス)が調整されます。これにより脳ストレスが緩和され、
「しっかり寝たのに、朝からだるい…」
「なんだか頭がスッキリしない」
「休みの日も、なんとなく気分が沈んでいる」
といった症状の緩和を狙うことができます。
また、体を支える筋肉や姿勢を維持する筋肉の運動機能失調が改善されますし、血の巡りもよくなりますので酸欠状態だった筋肉が回復し、「肩こり」「腰痛」といった体の回復につながります。
その「疲れ」は、あなただけのせいではありません

「怠けているわけじゃないのに、やる気が出ない」
「年齢のせいかな…」と諦めかけていたあなたへ。
その不調、実は“脳”が悲鳴をあげているサインかもしれません。
身体だけでなく、脳の疲労にも目を向けること。それが、あなたの本当の回復への第一歩です。
かんだ整骨院では、あなたの“見えない疲れ”にも丁寧に寄り添います。一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
【監修:柔道整復師 神田博行】