こんにちは、新潟市中央区弁天橋通のかんだ整骨院、神田です。
先日、肘が痛くて困っている患者さんが来院されました。お話を伺うと『小さいお子さんの育児と家事がとても忙しく、抱っこがとても辛い』と不安な表情でお話しされていました。
そこで今回の記事は、主に肘の外側に症状が出る疾患いついて原因と自宅でできる対処法について書かせていただきました。
物を持ち上げるときに肘の外側が痛い
- ペットボトルの蓋を開けようとすると肘が痛い
- 子どもを抱っこする時、肘に痛みが走る
- パソコンのキーボードを打っているとつらくなる
- テニスやゴルフで肘が痛い
指を伸ばす動作や手首・肘を動かした際、肘の外側に痛みを感じたことはありませんか?
ひょっとすると、それはテニス肘かもしれません。
テニスで痛めてしまったならともかく、「え?テニスをしていないのに肘が痛いんですけど!?」と聞こえてきそうです。
実は、テニスをしていなくても、仕事や家事、育児で重いものを持ったり、手首を頻繁に使ったりすることで、日常生活でも発症するリスクが高くなります。
肘の痛みが続くと、不便さや不安からストレスを感じることもありますよね。しかし、適切な対処法を知れば改善できます。
この記事では、テニス肘の症状と効果的なケア方法、サポーターの活用法について詳しく解説します。少しでも不安解消のお役に立てれば幸いです。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは?
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じる疾患です。
主に、手首や指を伸ばす動作の繰り返しが原因で発症します。特に、手首を反らせたり指を伸ばしたりする頻繁な動作が、肘の外側にある短橈側手根伸筋という筋肉の腱に負担をかけ、炎症を引き起こすことで痛みが生じます。
この症状は、テニスやゴルフといったスポーツだけでなく、日常生活や仕事の中でも発生することがあります。例えば、以下のような動作が原因になる場合があります。
- 重い物を持ち上げる
- タオルを絞る
- ドアノブを回す
- パソコンのキーボードを打つ
また、加齢に伴い筋肉や腱の柔軟性が低下することで、同じ動作でも腱を痛めやすくなり、発症リスクが高まることも指摘されています。
テニス肘に対する処置の方法
ストレッチ法
以下の方法でストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげましょう。
1. 肘関節をできるだけ深く曲げます。
2. 手首をゆっくりと手のひら側に曲げます。
3. この姿勢を30秒間キープします。これを2回繰り返しましょう。
注意点
- 肘関節をしっかりと曲げることで、手首を反らす・指を伸ばす筋肉が緩みます。
- 動作はすべてゆっくりと、深く行いましょう。
- 呼吸を止めないように意識してください。
- 痛みを伴うと逆効果になるため、無理をせず慎重に行ってください。
期待される効果
固く縮こまった筋肉をストレッチすることで、血流が改善し、筋肉の柔軟性も向上します。この効果は数時間持続するため、1日に数回繰り返すことで、筋肉の再教育による効果が長続きします。
アイシングと温熱の交代浴
以下の手順でアイシングと温熱を交互に行うことで、痛みや炎症を緩和できます。
1. ビニール袋に氷を入れたものを準備します。
2. 痛みのある肘周辺を2〜3分冷やします。
3. その後、40℃〜42℃程度のお湯で冷やした部分を温めます。
4. これを3〜5回繰り返してください。
効果
交代浴は、温冷の刺激によって血管が拡張と収縮を繰り返し、血流を改善します。その結果、疲労物質の排出が促進され、筋肉の緊張が緩和され、柔軟性が高まります。
サポーターの活用
サポーターを使用することで、症状の緩和が期待できます。ある研究によると、サポーターを装着した人の3〜6割に症状の改善が見られたそうです。
注意点
症状が軽くなるからといって無理にサポーターを装着して動くことはお勧めしません。とはいえ、仕事や家事などでどうしても頑張らないといけない場面があります。そのような場合は、我慢せずサポーターを活用してください。
まとめ
肘の痛みは本当に辛いものですが、正しいケアを行えば必ず改善します。
ストレッチで筋肉を優しく伸ばし、血流を改善しましょう。1日に数回、無理のない範囲で取り入れてください。さらにアイシングと温熱の交代浴を活用することで、痛みや筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。また、サポーターを適切に使い、負担を軽減しながら日常生活を送りましょう。
焦らずに、一歩ずつケアを続けることで、必ず良い方向に進むはずです。あなたの症状が少しでも早く改善することを願っています。
この方法を試されても症状が緩和しない場合は、他に原因があるかもしれません。その際は、医療資格の施設で診てもらうことをお勧めします。
また、当院でも改善のお手伝いをすることができますので、遠慮なくご相談いただけたらと思います。
【監修:柔道整復師 神田博行】